2024年パリオリンピックの卓球日本代表選考会が3回目を迎える。 今週末、千葉県船橋市で開催されるのは「全農CUP TOP32船橋大会」(11月12~13日/船橋アリーナ)。パリオリンピックの夢舞台を目指す男女32人の精鋭が火花を散らす。…

 2024年パリオリンピックの卓球日本代表選考会が3回目を迎える。

 今週末、千葉県船橋市で開催されるのは「全農CUP TOP32船橋大会」(11月12~13日/船橋アリーナ)。パリオリンピックの夢舞台を目指す男女32人の精鋭が火花を散らす。

 男子では、張本智和(IMG)が126ポイント獲得でダントツのトップ。

 張本は世界卓球2022成都の男子団体準決勝で世界ランク1位の樊振東と次期エースの呼び声高い王楚欽(ともに中国)を撃破し、チームは惜敗したものの銅メダルを獲得。さらに3週間後のWTTカップファイナルズ新郷(10月27~30日)でも準優勝と波に乗る。

 課題だったフォアハンドの強化が奏功し、全体のパフォーマンスを上げた張本は優勝候補筆頭。


国際大会で大爆発の張本が最有力。WTT2冠の篠塚にも勢い

 男子では大会開幕直前の8日、丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)が突如、国際大会から引退するという衝撃のニュースが駆け巡った。

 これに伴い丹羽は今大会の「全農CUP TOP32船橋大会」以降のパリオリンピック代表選考会もキャンセル。代わって今回の選考会には全農杯2021年全日本選手権・男子ホープスの部準優勝で、今年は男子ジュニアナショナルチームU-15メンバーの月原弘暉(愛工大名電中学校)が出場する。

 第1シードは前回の第2回選考会(全農CUP TOP32福岡大会)優勝の戸上隼輔(明治大学)。

取りこぼしがない限り、戸上は準決勝からの勝負になりそうだが、パリオリンピック代表選考ポイント対象の「Tリーグ NOJIMA CUP 2022」で3位に入った吉山僚一(愛工大名電高校)に警戒が必要か。

 第2シードの張本の山では張本が抜けた存在だが、宇田幸矢(明治大学)、及川瑞基(木下グループ)といった実力者が入った。

 特に及川は世界卓球2022成都代表として大舞台で刺激を受け、先週のWTTコンテンダー・ノヴァ ゴリツァ男子シングルスでベスト4など調子は右肩上がり。好調をキープしていれば1、2回戦を突破して準々決勝に勝ち上がって来るはずだ。

 一方、宇田は今シーズン、なかなか本来のパフォーマンスを発揮できず苦戦しているが、今大会は初戦の相手がカットマンの英田理志(愛媛県競技力向上対策本部)とあって、やや入りが難しそう。

 さらに、初戦を勝つと2回戦は張本との対戦がほぼ確実で厳しい山に入ったと言わざるを得ないが、宇田には世界ランク26位で日本人2番手の意地を見せてほしい。

 そして、第3シードは急成長著しい・篠塚大登(愛知工業大学)。先週のWTTコンテンダー・ノヴァ ゴリツァで単複2冠を引っさげての凱旋だ。

 18歳とは思えない落ち着きと要所での思い切ったプレーで世界ランク18位の難敵カールソン(スウェーデン)や同10位のヨルギッチ(スロベニア)ら世界の格上選手を次々と撃破した篠塚は、最新の世界ランクで自己最高の29位にランクアップ。目下、日本人3番手につける。

 この篠塚の勢いに対抗できそうな選手は同じ山に見当たらないが、選考会に強い五輪メダリストの吉村真晴(個人)は侮れない。お互い勝ち上がっていくと2人は準々決勝で激突することとなる。

 第4シードは木造勇人(個人)。実力が拮抗したメンバーが同じ山に揃っており、吉村和弘(個人)、田中佑汰(愛知工業大学)ら誰が勝ち上がってもおかしくない。

大会初日の12日(土)は女子1回戦が午前10時にスタート。男子1回戦は同日正午に開始予定。


<競技日程>
11月12日(土)1、2回戦、準々決勝
11月13日(日)5-8位決定戦、3位決定戦、決勝

(文=高樹ミナ)

■2024年パリ五輪 日本代表選考ポイント