「第39回全日本自転車競技選手権 – BMXレーシング」が2022年10月29日(土)~10月30日(日)に2日間にわたり、大阪府堺市の大泉緑地サイクルどろんこ広場にて開催された。男子エリートでは島田遼選手、女子エリートでは丹野…
「第39回全日本自転車競技選手権 – BMXレーシング」が2022年10月29日(土)~10月30日(日)に2日間にわたり、大阪府堺市の大泉緑地サイクルどろんこ広場にて開催された。男子エリートでは島田遼選手、女子エリートでは丹野夏波選手が今年度の日本チャンピオンの座を獲得した。
今年のBMXレーシング種目の全日本選手権は、雨天の影響を受け過酷なコンディションの中で開催された昨年の新潟大会とは打って変わり、秋晴れで穏やかな気候の下で開催された。
今回会場となった「大阪府堺市大泉緑地サイクルどろんこ広場」では2年ぶりの全日本選手権開催となり、チャンピオンシップ(エリート・U23・ジュニアを含む)とチャレンジカテゴリーを合わせて過去最多の290名を超える選手たちが全国から集まり各クラスにて日本一の座を争う熾烈な戦いが繰り広げられた。
なお会場内には昨年のJapan Cup同様に目を惹く大型バナーやスクリーンの装飾と特別観客席の設置。またチャンピオンシップカテゴリーの決勝時には冠スポンサーのToyoTiresラウンドガールによるパフォーマンスに加え、スモークを使用した特殊効果演出による選手紹介などいった観客を楽しませる演出も多く組み込まれた。
以下は、今大会大注目のチャンピオンシップカテゴリーの決勝レースのレポートとFINEPLAY独占優勝者インタビュー。
今年からは国際基準に合わせU23カテゴリーも新設。チャンピオンシップカテゴリーでは男女合わせて6名の日本チャンピオンが生まれた。
決勝でタイトル争いを繰り広げた丹野(#105)と酒井(#106)
photograph by Japan Cycling Federation
女子チャンピオンシップカテゴリー
女子のチャンピオンシップカテゴリーに関しては今回出場者数の関係から、エリート・U23・ジュニアの3クラスが統合となった。全9人中7人が勝ち上がり争われた決勝には、東京オリンピック2020日本代表として出場し、5年ぶりの全日本選手権参戦となった畠山紗英をはじめ、また各クラスの今年度のアジアチャンピオンである丹野夏波、藪田寿衣、西村寧々花の3名も一緒に決勝を争うといったまさに全日本選手権の決勝に相応しい面々が揃った。
決勝でタイトル争いを繰り広げた丹野(#105)と酒井(#106)の戦い
photograph by Japan Cycling Federation
レースの展開としてはエリートクラス前年度の全日本チャンピオンの酒井亜樹(#106)と丹野夏波(#105)の一進一退の攻防で先頭を争う状態。最終コーナーまでもつれ込むも酒井が惜しくも転倒。
丹野が見事かわしエリートクラスで2年ぶりの日本チャンピオンの座を獲得した。丹野に続き全体2位でゴールした西村(#72)がジュニアタイトルを奪取。全体3位で先日怪我から復帰したばかりの畠山(#85)が繰り上がりでエリートクラス準優勝という結果に。U23の初代タイトルは全体4位でゴールした野村凪沙(#51)が繰り上がり獲得する形になった。
男子チャンピオンシップカテゴリー
優勝した木内(#68)と3位の北川(#67)のトップ争い
photograph by Japan Cycling Federation
男子ジュニアクラスは7名の選手がエントリーし、予選決勝を含む3ヒート合計で争われた。3レース通して平均で一番高い順位を維持することが求められるため、一本一本が重要である中で各選手のポイントが拮抗した状態で迎えた最終レースではトップ争いを含め選手が複数名転倒する波乱の展開となった。
(#68)結果としては転倒がありながらも合計ポイントでトップに立った木内彪凱が優勝し初タイトルを獲得。そこに小丹晄希(#74)、北川晃久(#67)が2位、3位と続く形となった。
決勝では増田(#45)が先頭で後続を率いる形に
photograph by Japan Cycling Federation
男子アンダー23クラスには9名が出場、決勝は予選を勝ち抜いた7名により争われた。レース展開はスタートから本大会会場をホームコースとする増田優一(#45)が前に出る形で先頭へ。その後も増田は後続を大きく引き離し見事優勝を果たし、ジュニアタイトルに続き国内におけるU23の初代タイトルを獲得した。
また2位と3位争いもゴール直前まで団子状態であったが先に抜け出した橋本颯馬(#47)が怪我から復帰後最高位の2位。3位には長嶋遼(#48)が入った。
エリートライダーたちのプロセクションでの攻防
photograph by Japan Cycling Federation
男子エリートクラスもU23クラス同様に9名がエントリーし、予選から勝ち上がった7名により決勝にて日本一の座を争う形になった。スタートから飛び出したのはチーム「GAN TRIGGER」の島田遼(#102)と吉村樹希敢(#27)。終始この二人によるトップ争いが繰り広げられるも、
今年度のU23カテゴリーのアジアチャンピオンでもあり最近調子を上げている島田がベテラン選手の吉村を振り切り自身初のエリートクラスでのタイトルを獲得した。2位には最後まで熱いトップ争いを繰り広げた吉村が、3位には今年約2年ぶりの復帰を果たした山口大地(#99)が入り8月のシリーズ戦での優勝に続き表彰台に上がった。
【FINEPLAY独占】各カテゴリー優勝者インタビュー
チャンピオンシップクラスの各カテゴリー優勝者たち
左から西村、野村、丹野、島田、増田、木内の順
photograph by Japan Cycling Federation
島田 遼 選手 (男子エリートクラス)
「エリートに上がってからは初めてのタイトルなので率直に嬉しい気持ちです!また一年間、その年の日本チャンピオンだけが付けられる左袖の日本の国旗が自分の腕に付くということがまだ想像できておらず正直このタイトル獲得が実感できていない状態です。
今回のレースでは第1コーナーを先取する事が、最重要だと思っていたのでスタートしてからのスプリントの強化を徹底していました!来シーズンは、まずアジア選手権優勝とワールドカップ準決勝進出、今後はパリオリンピックに向けて戦っていこうと思います!」
丹野 夏波 選手 (女子エリートクラス)
「国内大会での優勝は2020年の全日本選手権ぶりだったので、1位でゴールした瞬間はとても嬉しく、色々な思いが込み上げました。
今大会のコースは抜かし所が難しいレイアウトなので、前回の大東建託シリーズ第5戦でのレースも含めて、色々なライン取りを研究しました。来シーズンでは2024年のパリ五輪出場に向けてエリートカテゴリーでのワールドカップで上位入賞することが1番の目標です。」
増田 優一 選手 (男子U23クラス)
「優勝することができて今は素直に嬉しい気持ちです。どのレースでも勝つのは嬉しいですが、全日本選手権で優勝するのはとても嬉しいです。
今大会に向けて準備してきたことは、1本大事なところで全力を出し切れるようにすることでした。タイムは決勝が1番速かった訳ではないですが、ベストに近い走りができたと思います。僕の今シーズンはこの全日本選手権で終わりなので、来シーズンの世界選手権で良い結果を残せるように、まずはオフシーズンでトレーニングと練習を頑張りたいと思います。」
野村 凪沙 選手 (女子U23クラス)
「今回タイトルを獲得することはできましたがスタートでのミスがあり、自分の力を出し切ることができずに終わってしまいました。全体としては悔しいレース内容でしたが、レース後半では落ち着いてレース運びができ優勝に繋げられたので嬉しいです。
今回は地元大阪での開催だったのでコースでの練習時には特にレースを想定したライン取りなどを考えながら練習し準備してきました。来年も全日本タイトルを獲得し2連覇できるように頑張ります。」
木内 彪凱 選手 (男子ジュニアクラス)
「ジュニアカテゴリー1年目でタイトルを獲得することができ、小さい頃から憧れていたチャンピオンジャージを着ることができてとても嬉しいです。
今大会に向けて大きく何かを変えたことはありませんが、全日本選手権に近づくにつれトレーニングや練習も感覚よく行うことができました。この1年でたくさんのことを経験することができ、自分の強みや強化しなければならない部分を見つけることができたので、この経験を活かし来年の世界選手権での決勝進出目標として、グローバルな舞台での活躍ができるように頑張ります。 」
西村 寧々花 選手 (女子ジュニアクラス)
「今年の全日本選手権でも昨年に引き続き、ジュニアタイトルを獲得できて正直ほっとしてます。今大会に向けては他選手と競った場合を想定したライン取りやコーナーリング、ベストなこなし方を探し、繰り返し練習しました。来年はクラスが上がりますが、年上の選手にも負けないよう頑張りたいと思います!」
大会結果
photograph by Japan Cycling Federation
<男子エリート>
優勝: 島田 遼 (シマダ・リョウ) / GAN TRIGGER
準優勝: 吉村 樹希敢 (ヨシムラ・ジュキア) / GAN TRIGGER
3位: 山口 大地 (ヤマグチ・ダイチ) / モトクロスインターナショナル
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<女子エリート>
優勝: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 早稲田大学
準優勝: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ)/ 無所属
3位: 酒井 亜樹 (サカイ・アキ)/ Deux Roues Elite Team
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<男子Under23>
優勝: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 大阪体育大学
準優勝: 橋本 颯馬 (ハシモト・ソウマ) / 日本体育大学
3位: 長嶋 遼 (ナガシマ・リョウ) / Pure Japan
photograph by Japan Cycling Federation
<女子Under23>
優勝: 野村 凪沙 (ノムラ・ナギサ) / Ace Race Australia Factory Team
準優勝: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 大阪体育大学
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<男子ジュニア>
優勝: 木内 彪凱 (キウチ・ヒョウガ) / モトクロスインターナショナル
準優勝: 小丹 晄希 (コタン・コウキ) / 無所属
3位: 北川 晃久 (キタガワ・アキヒサ) / Deux Roues Elite Team
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<女子ジュニア>
優勝: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / GAN TRIGGER
準優勝: 浅見 渚 (アザミ・ナギサ) / モトクロスインターナショナル
大会概要
大会名称 : 第39回全日本自転車競技選手権 – BMXレーシング
開催期間 : 2022年10月29日(土)~10月30日(日) -2日間-
大会会場:大阪府堺市 大泉緑地サイクルどろんこ広場(大阪府堺市北区金岡町128)
主 催 : 公益財団法人日本自転車競技連盟
主 管 : 一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟
後 援 : 大阪府、堺市、堺市教育委員会、公益財団法人JKA
協 力 : 大阪府自転車競技連盟、特定非営利活動法人ドゥールース(サイクルピア岸和田)
特別協賛:TOYO TIRE
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