木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第19回 ゴルフのプレー代が安くなったと言っても、関東近郊のコースでも平日で5000円ぐらいはします。それに、交通費や食事代などを含めると、ざっと1万円ぐらいはいきますか。 これが、毎月、あるいは毎週、と…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第19回

 ゴルフのプレー代が安くなったと言っても、関東近郊のコースでも平日で5000円ぐらいはします。それに、交通費や食事代などを含めると、ざっと1万円ぐらいはいきますか。

 これが、毎月、あるいは毎週、という方もおられるでしょう。年間で言えば、結構な負担となります。

 その分、みなさん、いろいろとやりくりしているようです。そういった例を踏まえて、今回は会員権購入も視野に入れつつ、効率的なラウンドスタイルは何がいいか、探ってみたいと思います。


最近よく出会うのが、気ままにゴルフを楽しんで

「第二の人生」を謳歌している方々。早くそういった境地に達したいものです。illustration by Hattori Motonobu

(1)平日遊牧民
 最近、平日の栃木や茨城などのコースでよく出会うのが、定年退職して気ままにゴルフを楽しんでおられる方々です。都会から移住した方もおり、「非常に楽しい」と語っていました。

 ラウンドスタイルは、「ひとり予約」でエントリーしてくる人もいれば、格安会員権を購入して日々通っている人もいます。行き帰りはマイカーで、なるべく下道を使って......と言っても、コースが近くにあるので、交通費はさほどかからないそうです。

 まさに"平日遊牧民"。毎週、どこかへ"芝刈り"に出かけているんですね。

 こういう人たちは、人生のひと山を越えて、悟りを開いている様子。迷いなく我が道を進んでいるといった感じです。

 最近出会った方では、お腹の手術の傷を見せながら「健康が一番」と言っていたお爺ちゃんが印象的でした。おそらく現役時代にたくさん仕事をやってきて、やっと"第二の人生"を迎え、自由を謳歌しているのでしょう。

 経済的な観点で言うと、おそらく年金勝ち組。自由な時間と多少のお金があるのでしょう。その決められた生活費のなかで、うまくやりくりしていると思われます。

 早くそういう境地に達したいと思いつつも、こっちは国民年金派なので、年老いてもある程度働かなければならないのがつらいところです......。

(2)格安ゴルフ会員権派
 近年注目されているのが、格安ゴルフ会員権です。大手のゴルフチェーンや老舗コースなどで募集していますから、ぜひ調べてみてください。

 格安会員権の倶楽部の特徴は、新しいコースではなく、むしろ古いコースが多いです。昔はメンバーが多かったけど、スリーピングメンバーを整理した、あるいは経営者が変わってメンバーを入れ替えた――そういったコースが新たに入会金のみでメンバーを追加募集しているのです。

 何を隠そう、私も茨城の某コースの会員権を24万円ちょっとで購入。メンバーになりました。

 ちなみに、メンバーのタグや、メンバー手帳、そして会員であることの証書がちゃんと届きましたから、しっかりした会員ですよ。

 こうやってメンバーになると、土日祝日のプレー代の安さに驚きます。ビジターだと1万5000円くらいするのに、メンバーは7000円ほど。約半額で済みます。

 つまり、1年間で毎月1回、休日ラウンドをしただけで、ビジターより10万円程度弱、浮きます。だから、24万円の会員権なら、3年も経てばペイできる。

 まあ、年会費の支払いもありますから、ペイするにはもう少し時間がかかるのでしょうが、5~6年間、月1回週末にラウンドしていれば、コスト的には損はないかと思います。

 昔の格安会員権のコースは、バブル崩壊でお客さんがおらず「いつ潰れるの?」って感じだったり、また逆に「ビジターを詰め込みすぎなんじゃないの?」っていう状況だったり、そんなコースが多くありました。でも今は、健全経営で、メンバー本位の運営をしているところが多いようです。

(3)従来の預託金制会員権
 ここで、改めて従来の預託金制の会員権について記したいと思います。

 ゴルフ場が発行する預託金証書というのは、簡単に言えば金券みたいなものです。その昔、お金がなかったゴルフ事業者がゴルフ場を造る際に1枚数百万円程度で証書を発行し、20年後ぐらいに無利息で返すからとメンバーを募ったのです。

 そうしたなかで、倶楽部の価値が上がり、会員権が額面の倍以上で売買されることもありました。が、バブル崩壊で多くの会員権は紙くず同然となってしまいました。

 そんな歴史を経て、令和時代のゴルフ会員権の価値はどうなっているのか?

 答えから言うと、下値安定と言いますか、買った金額でほぼ売れるのではないかと思います。

 以前、鶴舞カントリー倶楽部のメンバーになったことがありますが、会員権は確か530万円ぐらいで購入したでしょうか。そして10年ほど在籍して、390万円くらいで売りましたかね。もちろん、下げ相場での売却です。実質損は140万円。あと、100万円の入会金はまるごと消えましたけど。

 それが今現在であれば、300万円ぐらいの会員権を買ったとして、確約はできませんが、10年後に売ったとしても、誤差50万円程度で済むと思います。逆に、得をする場合もあります。

 ゴルフは道楽ですから、それぐらいの覚悟のうえで、遊ぶのがよろしいかと。

 そう考えると、会員権を購入する場合はNISAでも買ったと思って、やめる時の(価値がどの程度か)楽しみにしておく、くらいの気構えが肝要かと思います。

 今、400万円ぐらいの予算があれば、どこを狙うか? 個人的に見定めているコースがあります。

 名前を出すといろいろと問題があるので、名門Tカントリーとだけしておきましょうか。

 ここの平日会員権は、入会金50万円。預り金50万円(退会時、確実に戻る)。そして、会員権相場が300万円程度です。

 つまり、50万円の入会金以外は無傷で戻る可能性があるのです。コースや運営は最高
ですから、誰か支援してくれる人がいたら手を挙げてくださいね。

(4)賢い会員権売買のタイミング
 会員権相場の売買シーズンは、何と言っても3月です。2月あたりから法人会員権が動き出し、それにつられて個人の会員権も動きが活発になります。

 企業としては、会社の保養施設代わりに名門のゴルフ会員権を持っていることが多いです。

 保養所などの不動産と違って、ゴルフ会員権は紙切れ1枚ですから、非常に流動性があります。要するに、簡単に売り買いができて「今期、うちの会社は調子が悪いから、ゴルフ会員権を打ってお金を工面しよう」ってことが可能なわけです。

 そこで、2月あたりにお金に代えたい会社が「至急売り」として市場に出します。その時は非常にお値頃の価格になることもあり、お得です。

 一方、業績好調な会社の社長は、このタイミングで「接待用の会員権を買っておけ」となります。その際、「打診買い」という方法で低めの価格で申し込んでいれば、案外安く売ってくれる人が現れることがあります。

 とにかく、売り買いは焦らないことです。ゴルフ会員権は、買う人、売る人がいて、初めて売買が成り立つわけで、そこの需給バランスを見極めないといけません。

 翻(ひるがえ)って、入会金のみの格安会員権ですが、これは補充募集がほとんど。ですから、こちらを選択する場合は、大手ゴルフチェーンのホームぺージなどを見て、補充募集が始まっているかどうか、チェックしておくことが大切です。

 私の見た限り、人気コースは100人募集して、また追加で50人募集なんてことをやっています。そうした2次追加募集では、1次募集よりも若干高めに設定していたりして......。そういうところもチェックしておくといいでしょうね。