10月23日、東京六大学野球秋季リーグの第7週2日目が行われ、法大が5対0で東大に完勝。今季最終カードで、ようやくながら勝ち点1を獲得した。序盤から得点を奪って快勝した法大。最終カードで勝ち点を獲得した ともに勝ち点0で迎えた両チームにと…

 10月23日、東京六大学野球秋季リーグの第7週2日目が行われ、法大が5対0で東大に完勝。今季最終カードで、ようやくながら勝ち点1を獲得した。

序盤から得点を奪って快勝した法大。最終カードで勝ち点を獲得した

 ともに勝ち点0で迎えた両チームにとっての今季最終カード。前日の1回戦を劇的なサヨナラ勝ちで勝利した法大は2回表、この回先頭の5番・浦和博(3年・鳴門)がカウント1-2からの4球目を捉えて右中間へ放り込む今季1号、リーグ戦通算3本目の本塁打を放って1点を先制。続く3回表に相手ミスから1点を奪うと、4回表にも相手守備の乱れが続いた中で1点を加え、尚も1死二、三塁となった場面で「バッティングは好き」という9番・尾﨑が一塁線を破る2点タイムリー二塁打。4回までに5点のリードを奪った。

2回表に先制アーチ放った浦がホームイン。法大は4回までに5点リードを奪った

 投げては先発の尾﨑完太(3年・滋賀学園)が、「ストレートに力がないというのは自分でも分かった。変化球でカウントを整えてというピッチングで何とか抑えられました。4年生に最後は気持ちよく終わって欲しかったので、何がなんでも抑えてやろうという気持ちでした」と鋭いスライダーを軸とした変化球に140キロ中盤のストレートを効果的に交えて東大打線を翻弄。多くの空振りを奪いながら3回以降はノーヒットピッチングを続け、6回を2安打1四球無失点、計7奪三振の好投。今季先発8試合目で待望の初勝利(通算3勝目)を挙げた。

法大の先発・尾﨑は6回2安打無失点で待望の今季初白星を手にした

 一方、敗れた東大は、ここまでリーグ戦通算32試合(先発12試合)登板の西山慧(4年・土浦一)が今季初先発のマウンドも3回を2安打2失点(自責1)で降板した後、2番手で登板した齊藤祐太郎(4年・筑波大附)も3失点(自責0)。3失策と守備のミスが目立ち、そのまま失点に直結。第1週の明大1回戦で3対3の引き分け、続く第2週の慶大1回戦では4-3で昨秋以来の勝利を飾った今季だったが、第3週以降は6連敗。目標の「勝ち点獲得」はならなかった。最終回に登板したエース・井澤駿介(4年・札幌南)は後輩たちに「東大が勝つというのは並大抵なことじゃない。もっと本気で、もっと目の色を変えて頑張って欲しい」とエールを送った。

東大は最終カードを0勝2敗。秋季リーグを1勝9敗1分で終えた

■法政大vs東京大2回戦
法大 011 300 000=5
東大 000 000 000=0
【法】○尾﨑、吉鶴、石田-村上、是澤
【東】●西山、齊藤、木戸、松岡由、井澤-松岡泰
本塁打:法大・浦《2回ソロ》

◎法政大・加藤重雄監督
「最初に先取点が欲しいところでホームランが出た。先取点が取れれば勝てる。そこが課題でした。(先発の尾﨑は)本調子ではなかったですけど、頑張って抑えてくれた。シーズンの終わりにやっと1勝できた。本来ならばもっと勝たないとダメなピッチャーだと思いますけど、今日は頑張ってくれました。(最下位争いに)ここまで悔しい想いをしてきた。レベルの低いところで満足している場合ではないのは分かっていますけど、東大さんに2連勝できたことは素直に嬉しい。(来年へ向けて)今日のこの気持ちが薄れないように決死の気持ちで頑張って行きたい。(4年生へ向けて)最後に辛いリーグ戦になったのは私の責任。ここまで一生懸命に頑張ってくれた。今後益々活躍して、この想い、この悔しさを次にいい意味で持ち込んでもらって、それぞれの道で頑張って欲しい」

◎法政大・浦和博(3年・鳴門)
「(先制本塁打の)手応えはホームランと思わなかった。いい感じにバットに乗せれたのでヒットにはなるかなと思いました。自分が先制点を取ってチームに流れを持ってくることができたので良かったです。(今季を振り返って)やっぱり勝負強さが大事になってくることが分かった。この冬、しっかりと練習して、来年は良い結果を残せるようにしたい。個々のレベルアップを意識して行きたい」

◎法政大・尾﨑完太(3年・滋賀学園)
「ストレートに力がないというのは自分でも分かった。変化球でカウントを整えてというピッチングで何とか抑えられました。4年生に最後は気持ちよく終わって欲しかったので、何がなんでも抑えてやろうという気持ちでした。自分が先に点を取られる試合が多かったんですけど、今日は先に取ってくれてホッとしました。これまで勝てなくて正直、今日が1番緊張した。(来年へ向けて)今年はピッチャー陣は2、3年生が主に投げていたので、これを来年に繋げられるように全員がレベルアップして、来年の春は優勝できるようにしたい」

◎東京大・井手峻監督
「ピッチャーはいいところに放れていたんですけど、守りが綻んだ。もうちょっと粘ってればなと思う。(今季を振り返って)よく粘ったなというところで終わってしまった。そこから勝つというのが難しい。試合が終わった時に、いい試合ができたと満足してしまっていた部分があった。(勝つためには)攻撃力が必要ですね」

◎東京大・松岡泰希(4年・東京都市大付)
「勝ち点を取らずに終わってしまった。勝ち切れない。勝てなかったという申し訳なさがあります。(4年間を振り返って)強い相手に対してどう戦うか。勝負どころで力を出さないといけない」

◎東京大・井澤駿介(4年・札幌南)
「(学生最後のリーグ戦マウンドに)僕の役割は変わらない。毎試合、毎イニング、とにかく抑えること。そこは変わらずでした。(4年間を振り返って)これだけ能力差がある相手に対して1つ勝つことができた。そこに向けて自分なりに考えて、試行錯誤して、いろんなことを吸収した。そういう目標に対しての取り組み方は今後にも活きてくると思います」