先ほどまで、ユースクライマーを対象とするボルダリングのトレーニングキャンプ「THE 18 – TO THE NEXT LEVEL –」(株式会社8611主催)に参加されていました。書類選考を通過したユース選手に、各分野に精通したコーチが指導…

先ほどまで、ユースクライマーを対象とするボルダリングのトレーニングキャンプ「THE 18 – TO THE NEXT LEVEL –」(株式会社8611主催)に参加されていました。書類選考を通過したユース選手に、各分野に精通したコーチが指導するイベントで、クライニクさんは特別ゲストとしてアドバイスを送りました。

クライニク 良くオーガナイズされた素晴らしいイベントでした。参加できてハッピーです。カツ(発起人の宮澤克明氏)に誘ってもらい、本当に良かった。このようなイベントは若い世代にとってとても重要な経験となるでしょう。

「THE 18」でのトークセッションの様子

 

ガンブレット選手は最後のトークセッションでサプライズ登場しました。

ガンブレット イベントをすべて見ていたわけではないけれど、異なるコーチから技術を教わることは、とても良い経験になるはず。トレーニングでありながら、周りのみんなと一緒に登るということも、若い彼らにとって良い時間となったのではないでしょうか。

スロベニアにこのようなイベントはありますか?

クライニク ありません。なぜないのかわからないくらいです(笑)。とても良いアイディアなので、ぜひスロベニアでもやりたいし、その時にはカツにも来てほしいですね。

今回の滞在の目的と期間は?

ガンブレット トレーニングのためではなく、“クライミングバケーション”として2週間の予定で滞在しています。天候の良くない日が続きましたが、明日はようやくアウトドアへ登りに行けそうです(笑)。

クライミング以外で印象に残った日本でのエピソードは?

ガンブレット オリンピック以来の日本なので、とてもスペシャルな感覚がありますね。そもそも日本が大好きなので、いられるだけで幸せ。食事が美味しくて、特にスシを愛しています(笑)。

2人の師弟関係はいつから始まったのですか?

クライニク 2015年にスロベニア代表のコーチをしていた時、彼女が代表チームに参加してきたのがきっかけです。19年からはほとんど毎日指導するようになりました。

東京五輪で金メダルを獲得し、涙の抱擁を交わした2人(写真:© Dimitris Tosidis/IFSC)

 

ガンブレット選手にとってクライニクさんはどのようなコーチですか?

ガンブレット トレーニングプランの組み立ては当然のことながら、人として尊重してくれた上で、何が大切なのかを考えてくれる。指導においても弱点をすぐ見つけてくれます。これ以上ない、世界一のコーチだと思っています。

ガンブレット 今はパリ五輪での金メダルが目標です。当時インタビューを受けた時は五輪の直後ですべてのエネルギーを使い切っていました。しかもゴールである金メダル獲得を成し遂げたばかりだったので、特に次の目標は考えていなかったんです。でも、「常にベストでいたい」という気持ちは変わりません。東京五輪が1年遅れたことで、2024年のパリ五輪はすぐにやってきます。東京五輪に臨む際と同じ状況に再び自分を持っていって、良い準備をしていきたいですね。

東京五輪の時と同じモチベーションで、再び金を獲りにいくと?

ガンブレット 金への“パッション”はまったく同じです。でもパリでは東京での経験を生かして戦えるので、そこは少し変わってくると思います。

2022年はリードW杯通算5度目の年間女王に輝いたガンブレット。五輪後も圧倒的な強さを保っている(写真:© Dimitris Tosidis/IFSC)

 

最後に、今回はユースクライマー向けのイベントでしたが、クライミングがうまくなりたいと願うすべてのクライマーに向けてメッセージをお願いします。

クライニク ハードなトレーニングをすること、そのプロセスを信じること、そしてそれらを楽しむこと。この3つを信じ続けていけば、何かしらのことを達成できるはずです。ガンブレット 私にとって「ハードなトレーニング」と「楽しむこと」は常にイコール。同じことです。楽しめないと厳しいトレーニングはできないし、厳しいトレーニングをしないと楽しくなれないんです。この2つを常に1つのものとして捉えること。それがみなさんへのメッセージです。