ユニクロ主催「フューチャーゴルファーズセミナー」 男子ゴルフの元世界ランク1位で、米プロゴルフ(PGA)ツアー通算14勝のアダム・スコット(オーストラリア)が18日、兵庫・六甲国際GCで「フューチャーゴルファーズセミナー」を行った。スポンサ…

ユニクロ主催「フューチャーゴルファーズセミナー」

 男子ゴルフの元世界ランク1位で、米プロゴルフ(PGA)ツアー通算14勝のアダム・スコット(オーストラリア)が18日、兵庫・六甲国際GCで「フューチャーゴルファーズセミナー」を行った。スポンサー契約を結ぶ大手衣料品メーカー「ユニクロ」主催のジュニア育成セミナーで、関西在住の中高生25人が参加。スコットはショット練習や体験談などを披露し、42歳の今でも、世界最高峰のPGAで戦えている理由などを明かした。

 夕暮れが近づいた打撃練習場にスコットが現れた。20日開幕の日本オープン(兵庫・三甲GCジャパンC)に向けての練習とプロアマ戦を終えた後に駆け付け、JGAナショナルチームのガレス・ジョーンズコーチらと握手。183センチの長身から醸し出されるオーラをまとい、ウェッジショットから披露した。

「プレーの3時間前からウォームアップをします。ショット練習はウェッジからで、リズムを大事にします。そして、アライメント(ターゲットに対しての体の向き)、姿勢、ボールの位置がいつもと同じかを確認します」

 自身の飛距離については、「6番アイアンで195ヤード、7番ウッドで255ヤード、ドライバーはキャリーで300ヤード、弾道は低目なのでランも出ます」と話し、それぞれのクラブを振ってみせた。そして、ロングアイアンで超低弾道のスティンガーショットを披露すると、参加者から「おーっ」「すごい」の声が上がった。

 スコットはガレス氏の質問に答える形で、「私はいろいろな国でプレーしている。米国では遠くに飛ばすショットが大事だけど、メジャーでは想像力も必要になる。日本、オーストラリアの試合では想像力が培われる」。さらに「17歳でアメリカに移った時は、人生で難しい時期だったけど、それを乗り越えたから今がある。みなさんも恐れずに海外に出てほしい」などと呼び掛けた。

 その後はクラブハウス内でトークセッションを行い、参加者と交流。「ジュニア時代から続けている練習は」の質問に、『3フィート(約90.5センチ)のパットを50球連続でカップに入れないと帰れない』という練習だね。こうしてプロになって23年もプレーできているのは、遊びの要素も入れて練習を楽しめているからさ」などと返した。

 そして、参加者の代表4人が「たくさんの人に憧れられるゴルファーになりたいです」「世界で活躍するプロになりたいです」などと決意表明をすると、スコットは最後に「周りの方々へのリスペクトと感謝を忘れないでください。そして、目標に向かって邁進してください」とメッセージ。日本のジュニア向けたイベントは5度目だったが、終了後には「英語で質問するジュニアもいるなど、姿勢の変化を感じました。とても良いイベントになりました」と満足気だった。

 2013年に32歳でマスターズを制したスコットは今年8月、PGAツアーでエリートプレーヤー30人によるプレーオフシリーズ最終戦・ツアー選手権に最年長で出場。年間ポイントランキング25位で2021-22年シーズンを終えた。文字通り、現役バリバリで、取材陣には「ハードワークと運があったから今もやれている。神戸牛を4日連続で食べて、体の調子もいいので、日本オープンで優勝する準備はできている」と意気込んだ。

〇……同セミナーには、主催のユニクロから神戸北町店の黒沼葉月店長も登壇した。SDGsの一環として、ユニクロのドライEXポロシャツなどが、ペットボトルのリサイクル繊維で作られていることなどを伝えると、スコットは「私は妻が環境問題に意識の高いスウェーデンの出身ですし、子供たちにもSDGsの大切さを教えています。ペットボトルから服を作るテクノロジーは素晴らしい」と感心。その上で「私がこうしたウェアで試合に出ることも強いメッセージを発信していると思います」などと話した。(THE ANSWER編集部)