10月10日、東京六大学野球秋季リーグの第5週3日目が行われ、第1試合では序盤に挙げた得点を継投で守り切った慶大が7対3で勝利した。今日3打点の活躍を見せた古川は先制ソロについて「あんなに大きい打球を打ったことがないのでビックリしました」…

 10月10日、東京六大学野球秋季リーグの第5週3日目が行われ、第1試合では序盤に挙げた得点を継投で守り切った慶大が7対3で勝利した。

今日3打点の活躍を見せた古川は先制ソロについて「あんなに大きい打球を打ったことがないのでビックリしました」と笑った

 慶大は初回、1死から古川智也(4年・広島新庄)のソロで先制する。

 2回には四球のランナーを一塁に置き、下山悠介(4年・慶應)が送りバントを試みると、これを処理したピッチャーが二塁へ悪送球。無死一、二塁となり犠打でチャンスを広げると、宮崎恭輔(3年・國學院久我山)のタイムリーで2点目を挙げる。

 その後、敵失で1点を加え、さらに2死二、三塁の場面に古川がタイムリー内野安打を放って4対0とリードを広げる。

 慶大打線の勢いはまだ止まらない。3回、この回から代わった法大2番手・吉鶴翔瑛(2年・木更津総合)から連打と四球で無死満塁のチャンスを作ると、宮尾将(4年・慶應)が押し出し四球を選び、5点目。さらに宮崎の犠飛で6対0とし、吉鶴をマウンドから降ろした。さらに古川の押し出し四球で1点を加え、7対0と序盤で法大を大きく引き離した。

 先発した増居翔太(4年・彦根東)は6回2死一、二塁で降板したが、5回2/3を3失点と粘りのピッチング。

多少の疲れはあったというが、中1日のマウンドで大学通算15勝を挙げた増居

 後を受けた橋本達弥(4年・長田)が2死満塁とされるが、無失点で切り抜ける好救援。この橋本達が試合終了までを投げ切り、慶大が逃げ切った。

6回途中から無失点の好リリーフを見せた橋本達

 これで慶大は、現在6勝負けなしの首位・明大と勝ち点3で並び、今週末に直接対決を迎える。

慶大ベンチは明るく、仲間を盛り上げ続けた

 一方の法大は初回、わずか2球で1死二塁と先制のチャンスを作ったが、後続が連続三振に倒れて先制ならず。

 7点を追う4回には齊藤大輝(4年・横浜)、今泉颯太(3年・中京大中京)の連打などで2点を返し、6回には浦和博(3年・鳴門)のタイムリーで3点目を奪った。だがなおも2死満塁と続くチャンスを生かせず。

 9回には敵失などで2死二、三塁のチャンスを作ったが、三振に倒れて得点はならなかった。

 投げても先発の尾﨑完太(3年・滋賀学園)が2回4失点と崩れ、今カードで好救援を続けていた2番手の吉鶴も1回持たず3失点と打ち込まれるなど、序盤の失点が大きく響いてしまった。

 これで法大は4カードを終えて勝ち点を挙げられず、2勝8敗。2週後に同じく勝ち点0である東大戦に臨むこととなり、加藤重雄監督は「勝ち点1をしっかり取り切ることを徹底してやっていきたい。法政大学として恥ずべき結果にならないようにやりたいと思います」と試合後に語った。

■法政大vs慶應義塾大3回戦
法大 000 201 000=3
慶大 133 000 000=7
【法】●尾﨑、吉鶴、塙、武冨、篠木-村上
【慶】○増居、橋本達-宮崎
本塁打:慶大・古川《1回ソロ》

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「1勝1敗で力のあるチームが相手なので、接戦を覚悟して。たまたま前半に点が入りましたが、最後は接戦になるだろうなと見ていました。(明大戦に向けて)春のチャンピオンチームですので、しっかりした試合ができるように準備したいと思います」

◎慶應義塾大・増居翔太(4年・彦根東)
「とにかく全力で最初から腕を振ってはいることだけを意識していました。(通算15勝となり)これは味方の強力な援護のもと積み上げられた数字なので慢心せずに頑張りたいと思います」

◎慶應義塾大・古川智也(4年・広島新庄)
「(先制ソロについて)打ったのは真っ直ぐです。打った瞬間、夢中になって走っていたので、歓声が沸いて嬉しかったです。初回から流れを持っていきたいという思いをもって打席に入りました」

◎法政大・加藤重雄監督
「先に点を許したり、試合が崩れる最初の3回だったと思う。昨日から打線がつながりつつあったので、そこがなければしぶとく何とか出来たと思うんですけど、最初に決まってしまったので本当に悔しい」