2022世界卓球選手権成都大会(団体戦)<9月30日~10月9日/中国>大会9日目の10月8日、男子団体決勝トーナメント準決勝で日本(世界ランク3位)が中国(同1位)に敗れ、銅メダルが確定した。日本男子が世界卓球の団体戦で最後に勝ったのは、…

2022世界卓球選手権成都大会(団体戦)<9月30日~10月9日/中国>

大会9日目の10月8日、男子団体決勝トーナメント準決勝で日本(世界ランク3位)が中国(同1位)に敗れ、銅メダルが確定した。

日本男子が世界卓球の団体戦で最後に勝ったのは、1957年ストックホルム大会。じつに65年ぶりの勝利をめざし、アウェーの地で最強軍団に立ち向かった。

戸上隼輔 Photo:Itaru Chiba

第1試合は2022年全日本選手権2冠の戸上隼輔(明治大学/世界ランク45位)が、2021年世界卓球王者の樊振東(同1位)と対戦。

樊振東は戸上の強打を何度も返球し、第1ゲームは5-11で先制される。第2ゲームはリードするが、終盤で樊振東につかまり逆転で奪われる。3ゲーム目も世界最強のバックハンドを崩せずに敗れた。

第2試合は19歳のエース張本智和(IMG/同4位)と、2018年ユース五輪二冠の王楚欽(同11位)との一戦。張本の天敵をぶつけてきた。

第1ゲームは王が先制したが、2ゲーム目は速攻さく裂で張本が取り返す。第3ゲームも張本は3連続サービスエースを奪い、最後はチキータで奪取。4ゲーム目も打ち合いに強い王に全く引かず、王から殊勲の勝利を飾った。

張本智和 Photo:Itaru Chiba

とうとう中国から1点を奪った日本。第3試合は及川瑞基(木下グループ/119位)が、2021年東京五輪二冠の馬龍と対戦。

及川はコースを突いた攻めで1ゲームを先制するも、第2ゲームを取られ、3ゲーム目も5-4までリードするが、馬龍に7連続ポイントでたちまち奪われる。及川の粘りも届かず、中国が2勝目を挙げた。

及川瑞基 Photo:Itaru Chiba

第4試合はエース対決、張本智和と樊振東。日中の最強決定戦だ。

バックハンド世界一と言われる樊振東に対し、張本はバックで優勢に立ち、第1ゲームを先取する。

しかし第2ゲーム、第3ゲームを落とし、向かえた第4ゲームは相手に時間を作らせない攻めの速さで張本が奪い、5ゲーム目は一進一退のすさまじいラリー戦を張本がバックハンドで決めきって勝利。

世界王者をも下し、張本が中国から2勝の歴史的偉業をやってのけた。

張本智和 Photo:Itaru Chiba

中国男子を世界卓球でここまで追い詰めたチームはこの20年で皆無。運命の第5試合は戸上隼輔と王楚欽、21歳と22歳に託された。

第1ゲームは打ち合いでファインプレーを連発し9-4とリードする戸上。だがサーブミスから流れが変わり、大逆転で先制される。

2ゲーム目も6-6まで競るが、サーブレシーブをきっちり締めた王に奪われる。追い詰められた第3ゲームも中盤から突き放され、歴史的勝利は逃した。

張本智和と戸上隼輔 Photo:Itaru Chiba

しかし日本は張本が2勝を挙げ、2001年大阪大会準決勝の中国vs韓国以来となる中国への大善戦。2大会ぶりの銅メダルに大きな意味をもたせた。

<世界卓球 男子団体決勝トーナメント準決勝>
日本 2-3 中国
※5試合制(3戦先勝)

<第1試合>
戸上隼輔 0-3 樊振東
5-11/10-12/4-11

<第2試合>
張本智和 3-1 王楚欽
8-11/11-8/11-6/11-9

<第3試合>
及川瑞基 1-3 馬龍
11-8/5-11/5-11/2-11

<第4試合>
張本智和 3-2 樊振東
11-7/6-11/3‐11/11-9/11-9

<第5試合>
戸上隼輔 0-3 王楚欽
10-12/7-11/4-11