連日熱戦が続く「世界卓球2022成都」<9月30~10月9>は4日、グループリーグ全試合を終え男女各16チームが決勝トーナメントに進出。試合終了後には注目の組み合わせ抽選会が行われた。

男女ともグループリーグ1位通過を果たした日本は、女子が世界最強の中国と反対の山に入ったが、男子は同じ山に。

できれば男子も反対の山に入りたかったが、チーム世界ランク3位の日本と同4位の韓国が抽選で第3、4シードを争うこととなり、韓国が中国と反対側を引き当てた。

一方、チーム世界ランク2位の女子は自動的に中国と反対の第2シードに入ったため、お互い決勝まで勝ち進まないと当たらない組み合わせだ。

 まず、初戦に目を向けてみたい。

グループリーグではエースの張本智和(IMG/世界ランク4位)、戸上隼輔(明治大学/45位)、及川瑞基(木下グループ/119位)、横谷晟(愛知工業大学/229位)の日本男子は1回戦でグループリーグ2位通過のブラジルと対戦する。

ブラジルは今季Tリーグにも参戦している世界ランク5位のカルデラノが手強いが、2番手の実力を持つツボイが欠場したこともあって、総合力で日本に分がある。

 日本が初戦を勝つと、早くも準々決勝を迎える。相手はポルトガルとスロベニアの勝者。どちらが勝ち上がっても決勝トーナメント最初の山場となるだろう。

 主力メンバーの実力が平均して高いのはフレイタス(同33位)、ジェラウド(同49位)、モンテイロ(同83位)らを揃えるポルトガルだが、スロベニアには男子シングルス世界ランク8位のヨルジッチがいる。

ほとんどのボールをバックハンドで振り抜く破壊力の持ち主で、東京五輪では日本のエース張本を破っている。

だが、4年前の世界卓球2018スウェーデンで6大会ぶりにメダルを逃した日本は、ここで負けるわけにはいかない。

当時メンバーだった張本は、「韓国に負けた悔しさは残っている。次は自分たちが勝者になる」と勝利を誓う。

 準決勝まで駒を進めば、中国との対戦が濃厚。

2001年から2018年まで9大会連続で団体金メダルの中国は、これまでポイントゲッターだった許キンが欠場。

それでも男子シングルス世界ランク1位の樊振東、同2位の馬龍、3位の梁靖崑まで隙がなく、さらには王楚欽(同11位)と林高遠(12位)も控えている。その壁は依然として厚いが日本は何とか勝機を見出したい。

第1シードの中国とて決して楽とは言えない。初戦のインドに勝つと準々決勝は強豪スウェーデンが上がってくる可能性が高い。

男子シングルス世界ランク6位のモーレゴードを筆頭にカールソン(同18位)、シェルベリ(20位)、ファルク(34位)ら戦力豊富なスウェーデン。万が一、番狂わせが起こるとすればここだろう。

 反対側の山では欧州対決が熱い。

エースのゴジを欠きながら、グループ2でチーム世界ランク2位のドイツを抑え1位通過したフランスが第2シードに入った。

決勝トーナメント初戦の相手は古豪イングランド。エースのピッチフォード(同22位)は世界卓球2016マレーシアで銅メダルを獲得したメンバーでもあり、10代の新鋭ルブラン兄弟の勢いを駆るフランスはベテラン相手に接戦が予想される。

一方、グループリーグ2位に甘んじたドイツは初戦のクロアチアに勝つと、準々決勝でフランスとイングランドの勝者と対戦する。ドイツはオフチャロフ(同10位)、ボル(同15位)、フランツィスカ(同13位)の3選手が欠場。

成長株のチウ・ダン(同9位)がエースを担うが、どちらと当たっても見応えのある一戦になることは間違いない。

 もう1チーム、マークすべきは前回大会で日本を破り銅メダルに輝いた韓国。

前回メンバーのイ・サンス(同26位)とチョン・ヨンシク(-)は代表から外れ、チームは一新したが、エースのチャン・ウジン(同17位)を柱に若手のアン・ジェヒョン(同47位)、チョ・スンミン(65位)、チョ・デソン(同91位)がバランス良く点を取る。

相変わらず結束力の固い韓国がヨーロッパ勢を抑え決勝に勝ち上がる可能性は十分にある。

 いよいよ火蓋を切る決勝トーナメント。世界上位16チームによる熾烈なサバイバルを男子日本は生き残れるか。まずはその第一歩となる5日の初戦に注目したい。


(文=高樹ミナ)

【決勝トーナメント組み合わせ】
■男子
中国 vs インド
ベルギー vs スウェーデン
ポルトガル vs スロベニア
ブラジル vs 日本
韓国 vs ポーランド
香港 vs エジプト
クロアチア vs ドイツ
イングランド vs フランス

■女子
中国 vs ハンガリー
ポルトガル vs ルクセンブルク
台湾 vs インド
チェコ vs シンガポール
香港 vs ルーマニア
プエルトリコ vs ドイツ
スロバキア vs フランス
日本 vs 韓国