アルファタウリ残留が決まった角田裕毅((c)RedBull Content Pool) F1のアルファタウリは角田裕毅が来季もチームに残留すると発表した。これでデビューから3年連続でF1を戦うことが決まった。日本人のF1ドライバーに…

アルファタウリ残留が決まった角田裕毅((c)RedBull Content Pool)

 F1のアルファタウリは角田裕毅が来季もチームに残留すると発表した。これでデビューから3年連続でF1を戦うことが決まった。日本人のF1ドライバーには3年目の壁がある。2シーズンにわたってフル参戦を果たしたものの、3年目のキャリアを踏むことができない。

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 角田を含めてF1ドライバーの肩書を持った日本人は21人いるが、3シーズン以上フル参戦できたのは中嶋悟、鈴木亜久里、片山右京、佐藤琢磨、小林可夢偉の5人しかいない。中嶋悟の長男・一貴も3シーズンを戦ったが、デビューイヤーは最終戦にスポット参戦しただけで、フル参戦は2シーズンだった。

 アルファタウリはトロロッソのチーム時代からレッドブルのジュニアチーム的存在で、若手を中心に構成されている。ただし、実力主義を貫いており、パフォーマンス不足と判断されれば、平気でクビを切る。スコット・スピード、セバスチャン・ブルデー、ダニール・クビアト、ブレンドン・ハートレーらがシーズン途中で解雇された。

 角田も昨季まではパワーユニットを供給するホンダの後ろ盾があったが、今季からはホンダはワークス活動を終了して、技術パートナーとしてレッドブルグループを間接的に支援する形態に変更。〝コネ〟が薄くなったことで自力で未来を開拓せねばならなくなった。

アルファタウリの角田裕毅のマシン(手前)とガスリーのマシン((c)RedBull Content Pool)

 それでも追い風は吹いた。来季の残留が発表されていたチームメートのピエール・ガスリーがアルピーヌに移籍するうわさが持ち上がり、チームやマシンをよく知る角田の残留を求める声が強まった。

 ガスリーの後任には米インディカーのコルトン・ハータ(米国)が急浮上したが、F1参戦に必要なスーパーライセンスポイントが要件に満たず、最終的に国際自動車連盟も特例措置でのライセンス発給を認めない方針を決定。チーム関係者によると、ガスリーの去就も確定しておらず、保険として角田のシートを確定させる流れになったという。

 ガスリーの残留が公表されたのが6月。角田のシートが安泰であれば、同時に発表するはずだけに、角田はあの段階では当落線上にあったとみられる。F1関係者も「数年前のチーム体制であれば、角田がはじき出され、レッドブルの若手選手が新たなシートに収まっていたかもしれない」とした。

 2年目の今季は第4戦エミリアロマーニャGP(伊イモラ)の7位が決勝最上位で入賞はわずか3回。前戦イタリアGPまで10戦連続ノーポイントと苦しい戦いが続けている。コンストラクターズ(製造者部門)争いも10チーム中8位と低空飛行だ。

 今季は残り6戦。自身の株を上げるためにもレッドブル首脳陣が納得する成績を収める必要がある。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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