第3回宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY ジュニア女子ゴルファーを対象にした第3回宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY最終日が25日、茨城・PGM石岡GCで行われた。大会側から招待さ…

第3回宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY

 ジュニア女子ゴルファーを対象にした第3回宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY最終日が25日、茨城・PGM石岡GCで行われた。大会側から招待された中学1年から高校2年までの33人が出場。首位で出た叶結衣(沖学園中3年)が、68で回って通算10アンダーとし、大会初の中学生優勝者となった。日本人として37年ぶりに全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(代々木高2年)は3位から出て、6バーディー、1ボギーの67で回って通算9アンダーの2位。大会中にレッスン会を行った宮里は、叶のたくましさを称賛し、快挙達成で環境が激変した馬場には「フィーバーの経験者」としてエールを送った。

 大会を終えた宮里は、参加者の目が生き生きとしていたことを喜んだ。

「みなさん、レッスン会で伝えたことを取り入れながら、プレーしてくれました。うれしかったですし、『やって良かったな』という意義も感じました」

 宮里は大会前日の23日、自身が現役時代に学んでいた「ビジョン54」に基づくレッスン会を行った。全ホールでバーディーを狙う考え方で、状況判断の「THINK BOX」、決めた判断を迷わず実践する「PLAY BOX」、プレーを記憶に残すために「やった」などと声を出す「MEMORY BOX」に分けて説明。優勝した叶は「MEMORY BOX」を強く意識し、ピンチにも自分を客観視して冷静にプレーしたという。

宮里「今日は風も強く混戦にもなりましたが、その中で自分のプレーを出せたことはすごいと思います。18番のアプローチは素晴らしかった。最後のパットもよく手が動いていました」

 注目の馬場は追い上げたが、1打届かなかった。宮里は前年大会にも参加した馬場がこの1年で急成長し、全米女子アマチュア選手権優勝などの快挙を達成。注目度が高まる中でも、楽しそうにプレーしていることがうれしかったという。

宮里「『ゴルフ、楽しい?』と聞いたら、『楽しい』と言っていました。その気持ちを大切にしてほしいです」

 宮里はこの日、保護者向けのレッスン会も行い、「15~18歳は、自分の想像以上に成長することがあります」と伝えた。自身は、2003年9月、高3の18歳で国内ツアー初優勝を飾った。快挙に日本中が湧き、プロに転向した後も「藍ちゃんフィーバー」が続いた。19年の時を経て、馬場が快挙を達成。凱旋試合の住友生命Vitalityレディス東海クラシックでは、フィーバー状態になった。結果は予選落ち。ネット上にはネガティブなコメントも出る中、宮里は経験者として優しくエールを送った。

「いろんな情報に惑わされないでいてほしいです。今は自分が知らない人がコメントできる世の中ですし、その1つ1つを受け取ることはないと思います。大切なのは、自分の感覚をどれだけ大切にできるか。それもメンタルのトレーニングになりますが、彼女ならできると思います」

 フィーバーの中で国内ツアー優勝を重ね、20歳から米女子ツアーを主戦場にした。そして、苦しみながら世界ランク1位にもなった。2017年に引退後は1児の母親になってジュニア育成に尽力。日本ゴルフ界のレジェンドは、自らの経験を伝えつつ、馬場ら後輩たちを見守っている。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)