16日から住友生命東海C「プレッシャーより楽しみな方が大きい」 女子ゴルフの国内ツアー・住友生命Vitalityレディス東海クラシックが16日、愛知・新南愛知CC美浜C(6502ヤード、パー72)で開幕する。練習日の14日には、日本人として…

16日から住友生命東海C「プレッシャーより楽しみな方が大きい」

 女子ゴルフの国内ツアー・住友生命Vitalityレディス東海クラシックが16日、愛知・新南愛知CC美浜C(6502ヤード、パー72)で開幕する。練習日の14日には、日本人として37年ぶりに全米女子アマチュア選手権を制した17歳・馬場咲希(代々木高2年)が会見。集まった取材陣を見て、「想像の4倍ぐらい」と驚きつつ、「プレッシャーより楽しみの方が大きい」と明るく話した。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 注目されても、馬場は変わらなかった。正午にコース入りし、早速、カメラを向けられてもニコニコ。プロ選手や帯同キャディーから、「全米女子アマ優勝、おめでとう」と声を掛けられ、「ありがとうございます」。パッティンググリーン、打撃練習場、コースとカメラマン、記者の計約50人が付いたが、帯同キャディーと談笑し、ナイスショットが出ると、「キュン」のポーズもしてみせた。

「あれはちょっとおふざけをしました。(報道陣の数は)想像の4倍くらい付きましたが、今はプレッシャーより楽しみな方が気持ちの方が強いです」

 馬場は、以前から「プロの試合に出ることは楽しい」と言ってきた。理由は「ギャラリーが付いて見られてプレーするとうれしくなるから」だという。今年4月、主催者推薦選考会を突破し、ヤマハレディース葛城でツアー初出場。5月のブリヂストンレディスも同様の形で出場し、その後、7月の全米女子オープンで日本人アマとして8年ぶりの予選突破を果たし、8月の全米女子アマチュア選手権優勝につなげた。

 そして、始まった馬場咲希フィーバー。春先とは状況が全く違うが、それも前向きに捉えている。

「今回は私のことを見に来てくれる人もいると思うので、全米女子アマの時のようなゴルフができたらと思います。(注目されることに)あんまり慣れたりはしていないのですが、今までと違っても『この状況を楽しもう』という風に思えたので、楽しいです」

父の証言「お客さんの『オーッ』という声があると、振れるんです」

 変化はコンディションにも表れている。全米女子ジュニア選手権、世界女子アマチュアチーム選手権を含めて、日本と海外を4往復。それぞれの試合を楽しみ、結果も残してきたが、体重は春先と比べて約10キロ減。帰国後、鎌田貴トレーナーのもとでトレーニングを重ねるなどし、約4キロ増量したが、最高で秒速48メートルあったヘッドスピードは、42メートル程度に落ちている。当然、平均270ヤードあった飛距離にも影響している。

「20ヤードくらい落ちていて、今は250ヤードくらいです。なので、他の部分で頑張ろうと思います」

 そのため、大会第2日競技後に行われる恒例の「ドライビング女王コンテスト」への出場については、「迷っています」と明かした。

 ただ、馬場には「人に見られているとクラブを振れて、ボールが飛ぶようになる」という特性がある。

 父の哲也さんは「疲れ気味なので体のキレが悪く、フェードがあまり打てない」と言いつつ、「(咲希は)お客さんの『オーッ』という声があると、振れるんですよね。今の調子は全米女子アマの前ぐらいの状態ですが、データを見てもミート率はいいので、言うほど飛距離は落ちていません。何より、本人がこの状況さえも楽しんでいるので、少し安心しています。こういうところはなくさないでほしいです」などと話している。

 練習ラウンドを見守ったツアー41勝の森口祐子は「バランス良く立てているし、下半身の使い方がすごくいい」と評価。馬場自身も「昨日、今日の練習で調整できたので、明日の練習で好調にしたいです。テレビを見て『カッコいい』と思っていた原英莉花さんや岩井千怜さんとの(初日)ペアリングも楽しみです」と前向きに話した。

 キャディーバッグには、遠征先のパリで購入したぬいぐるみとエッフェル塔のストラップが付いている。リモートで行われた会見では、「(名古屋名物の)手羽先やカレーうどんをこっちで1回は食べたいです」とも言い、最後に手を振る明るさを見せた。どんなに騒がれても天真爛漫。等身大の17歳は飾らず、自分らしく今大会を戦い抜くつもりだ。

【馬場咲希の今季戦績】

3月 ヤマハレディース葛城58位

4月 全米女子オープン日本予選会4位(本大会出場権獲得)

5月 関東女子選手権優勝
   ブリヂストンレディス28位(ベストアマ)

6月 全米女子オープン49位
   日本女子アマチュア選手権9位

7月 全米女子ジュニア選手権32強
   関東ジュニア選手権優勝

8月 全米女子アマチュア選手権優勝
   世界女子アマチュアチーム選手権個人4位、団体3位(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)