9月12日、東京六大学野球秋季リーグの第1週3日目が行われ、春秋連続優勝を狙う明大が13対6で東大に勝利。秋の開幕カードを2勝1分で勝ち点を獲得した。初回に豪快な先制3ランを放った明大の4番・上田。この日3安打4打点の活躍を見せた 明大の…

 9月12日、東京六大学野球秋季リーグの第1週3日目が行われ、春秋連続優勝を狙う明大が13対6で東大に勝利。秋の開幕カードを2勝1分で勝ち点を獲得した。

初回に豪快な先制3ランを放った明大の4番・上田。この日3安打4打点の活躍を見せた

 明大の1勝1分で迎えた3回戦。明大は引き分けに終わった2日前の1回戦でリリーフして3イニングを投げた蒔田稔(3年・九州学院)が先発。対する東大は、同じく1回戦で登板(先発して6回1/3を7安打3失点)した井澤駿介(4年・札幌南)が先発。投手戦も予想された中、試合は序盤から点の取り合いとなった。

 1回表、明大は四球とエラーで二、三塁のチャンスを掴むと、1死後に4番・上田希由翔(3年・愛産大三河)が井澤の初球ストレートを完璧に捉えてライトスタンドへ放り込む2日連続のリーグ戦通算6号本塁打で3点を先制。対する東大もその裏、1番・大井温登(3年・小松)、2番・阿久津怜生(4年・宇都宮)の連打から無死二、三塁として内野ゴロの間に1点を奪うと、さらに4番・別府洸太朗(3年・東筑)のタイムリーで1点差。続く2回裏には7番・林遼平(4年・甲陽学院)、8番・松岡泰希(4年・東京都市大付)の連続二塁打で3対3の同点に追い付いた。

6回表、明大が3点を奪って勝ち越しに成功。最終的に計16安打で13得点を奪った

 次に試合が動いたのは6回表だった。明大が2死から8番・千田光一郎(1年・東海大菅生)がヒットで出塁すると、9番・蒔田のタイムリー二塁打。さらに2死二、三塁から2番・飯森太慈(2年・佼成学園)がしぶとく内野安打を放って2者が生還し、この回3点を奪って勝ち越しに成功した。明大打線は終盤にも得点を重ね、7回表には加藤巧也(2年・大阪桐蔭)、宮田知弥(1年・横浜)と2本の代打タイムリーで計4点を奪うと、8回表には先制3ランの上田がダメ押しのタイムリー二塁打。9回表にも1番・村松開人(4年・静岡)のタイムリーなどで2点を追加し、最終的に計16安打で13得点。先発の蒔田が6回を9安打4失点ながら自身リーグ戦通算5勝目を挙げた。

明大の先発・蒔田は6回を9安打4失点。課題を残しながらも自身通算5勝目を挙げた

 敗れた東大は、「(中1日も)疲れはなかった」という先発の井澤が6回を8安打6失点。打線は6回、8回と7番・林が2本のタイムリーを放ち、主将の松岡泰もこの日2本目のタイムリーで反撃。計13安打で6得点を奪い、井手峻監督も「よくヒットが出ましたね」と手応え。敗れはしたが、春の王者相手に3戦を通じて見せ場を何度も作り、今後へ向けての大きな期待を抱かせた。

東大の先発・井澤は6回6失点も2回から5回までは無失点。次カードでの勝利に期待を抱かせた

■明治大vs東京大3回戦
明大 300 003 412=13
東大 210 001 020=6
【明】○蒔田、石原、渡部慎、髙山-蓑尾、菅原
【東】●井澤、鈴木健、齊藤、木戸、綱嶋、平田-松岡泰
本塁打:明大・上田<1回3ラン>

◎明治大・田中武宏監督
「すみません、(試合時間が)長くて。ただ本当、蒔田のボール自体は悪くなかった。明らかに東京大学の打線が振れていた。彼以外のピッチャーも相当に神経をつかって投げていた。春とは違う暑さもありました。(開幕カードを終えて)レギュラー陣だけじゃなくて、経験させたかった選手たちにも経験をさせることができて、結果を出せた選手も何人かいた。それは大きな収穫だったと思います。(本塁打を含む3安打4打点の上田は)ホームランを打った後に、この後が大事だぞと言って、四球、単打、二塁打。非常に素晴らしかった」

◎明治大・上田希由翔(3年・愛産大三河)
「(先制3ランの手応えは)自分的には結構いい感じで捉えられたかなと思います。(本塁打は)たまたま出たと思っているので、ホームランの次の打席でしっかりとフォアボールにできたのが自分の中では良かった。(今夏に大学代表の一員としてプレーして)あの経験があったからこそ、打席の中で余裕を持てている。(2試合連続の通算6号本塁打に)自分的には数字には拘っていないですけど、今日みたいに初回の攻防の中で点を取れたり、後半も嫌な流れがあった中で1点を取れたのは良かった」

◎明治大・蒔田稔(3年・九州学院)
「捉えられた打球が多くて、(東大打線が)春とは違うなというのを感じた。(次のカードまで)2週間あくので、今日出た課題をちゃんと詰めていかないとダメだなと思います。(今日の投球で良かった点は)中盤で粘れたというところだけかなと思います。今日の東大に限らず、これから対戦するところは研究してくる。投手陣全員で危機感を持ってやっていきたい」

◎東京大・井手峻監督
「打線の方はだいぶいい攻撃をしてくれた。最初から言っているように、投手を中心とした守りがもっとできればいい。やっぱり練習、守備練習をしていかないといけないですし、好調な打線を維持していきたい」

◎東京大・井澤駿介(4年・札幌南)
「初回に先頭にフォアボールを出して3ランを打たれましたけど、その後は立て直して、自分のピッチングに近いものが出せたかなと思う。実力的には相手の方が上。甘く入ったら捉えられますけど、自分の狙ったところにしっかりと投げ切れれば凡打にできる。自分の投球ができれば抑えられたというのは収穫だと思います。細かいコントロール、精度を上げていきたい」