日本中がスマホ片手に勝利を祈って叫んだ。2021年9月5日、東京2020パラリンピックで車いすバスケットボール男子代表が史上初の銀メダル獲得。 なSNS発信で の火付け役となった日本車いすバスケットボール連盟@なかのひと(@JWBF_OF…

日本中がスマホ片手に勝利を祈って叫んだ。2021年9月5日、東京2020パラリンピックで車いすバスケットボール男子代表が史上初の銀メダル獲得。 なSNS発信で の火付け役となった日本車いすバスケットボール連盟@なかのひと(@JWBF_OFFICIAL)に、フォロワーが急増した当時のこと、そして1年たった今のおもいを聞きました。

がついにトレンド1位に。なかのひとのつぶやき、切れ味抜群でした。

なかのひと:日本車いすバスケットボール連盟のアカウントは 2019年4月に開設。大会前に2000中盤だったフォロワーさんは、1000単位で増えていき2.6万まで伸びました。あのときは、息をするのも忘れそうなほど、つぶやいて、いや叫んでいましたね。8月24日から9月5日までの12日間は、なかのひとにとっても特別な時間でした。しかも、今も2.4万フォロワーさんがこのアカウントを支えてくれています。もちろんフォロワー数がすべてではないんですが、めちゃくちゃありがたいです。注目された要因? そりゃ選手たちが東京大会で結果を残してくれたからに決まっているじゃないですか!

なかのひと:ただただ、車いすバスケットボールが大好きな人です。みんなと喜びも悲しみも分かち合いたい。あと、ツイートは基本的に無計画です。完全に右脳派。感覚で生きてますー。

なかのひと:試合前に選手のニックネームをつぶやいて応援しやすい雰囲気をつくったり、試合中はみんなが沸くだろうところで音頭をとったりする感じかなあ。

でも、すごく頼りないアカウントですよ。わからないことはわからないって言います。だいたい「教えてください」と投げかけると、フォロワーさんが反応してくれるし、リプライが広がっていくのでありがたいですね。

NHKさま、お願いがあります。選手の障害について、都度都度ご紹介いただいてますが(鳥海選手は指が何本とか)、それも理解を深めるためには良いと思います。叶うならば、いちスポーツマン、ひとりのアスリートととしてのストロングポイントを、よりご紹介いただきたいです。ぜひお願いします!

— 日本車いすバスケットボール連盟@なかのひと (@JWBF_OFFICIAL) August 26, 2021

なかのひと:ゴメンナサイ! ギリギリの発言はよくするんですけど、これはギリギリの線を踏み越えてしまいまして……。お叱りの声をたくさんいただきました。競技団体の公式SNSである立場を考えてツイートしないといけないのに、車いすバスケットボールを障がいの有無に関係なく『ひとつのスポーツ』として皆さんに受け止めてもらいたいな、という思いが強過ぎて、つい感情が先走りました……。多くの方にご迷惑をおかけしましたので、本当に反省しています。

なかのひと:大丈夫でしたよ。ちゃんと布団で寝ていたし、なんせちゃんと食べていましたから。ゲン担ぎでかつ丼とか。深夜のコンビニでプリンを調達して食べたり、次郎系ラーメンを食べに行ったり。あと、なかのひともゾーンに入っていたかもしれません(笑)

なかのひと:ツイートはスマホとPCの二刀流で打っています。メモ帳に準備しておいてコピペすることもあれば、直に文字を打つこともあります。絵文字を使いこなせないので(笑)

このハイタッチの投稿はフォロワーさんに手伝ってもらったからこそ、生まれたものです。ここからハイタッチが連なって、広がっていき、本当にうれしかったなあ。これまでで、一番、印象に残っている投稿です。

🗻👋🏻祝 決勝進出👋🏽👋🏾👋🏿 👋 🦅👋🏼👋🏽 祝 男子日本史上初メダル獲得👋🍆👋🏻ハッシュタグハイタッチ👋🏾👋🏿🗻👋👋🏻👋🏼👋🏽👋🏾👋🏿🦅👋👋🏻👋🏼👋🏽👋🏾🍆 👋👋🏻🗻👋🏽👋🏾👋🏿 👋👋🏻👋🏼🦅👋🏾👋🏿 👋👋🏻#車いすバスケットボール 👋🏼🍆👋🏾👋🏿 👋🗻👋🏼👋🏽👋🏾👋🏿 🍆👋🏻👋🏼👋🏽👋🏾👋🏿 👋👋🏻👋🏼👋🏽👋🏾👋🏿 👋👋🏻👋🏼#車いすバスケットボール#日本一丸#超全力全員応援

— 日本車いすバスケットボール連盟@なかのひと (@JWBF_OFFICIAL) September 3, 2021

なかのひと: 全然考えていませんでした(笑)ただ、東京大会はみんな自宅で観戦していて、スポーツバーに行けなければ、パブリックビューイングで声援を送ることもできなかった。みんながバラバラなところにいたので、勝ったらハイタッチをして、みんなが一緒に観戦しているような雰囲気を作りたいなと思いついたんです。

なかのひと: 岐阜出身で先日ドイツリーグ挑戦を発表した秋田啓選手の「岐阜なのに秋田」とか、好奇心が刺激されますよね。長年、車いすバスケットボールを取材しているチームリアルさんが制作したコピーを使い倒しました。柳本あまね選手の「京のピンキー」とか、もうよくわからないけど面白い(笑)

なかのひと:これまで選手の固定ファンはあまりいませんでした。でも、今ではクラブチームや選手にファンがついています。うれしいことに、選手やマネージャーなど関わる人も増えました。

実は、東京大会の開催決定後、さまざまな取り組みをしていくうちに、試合後、女性や子どもたちが選手のサインや握手を求めて列をつくるという、障がい者スポーツ関係者にとって衝撃的な景色が見られたんです。障がい者スポーツの時代の転換期が到来したと感じました。そして、東京大会の結果があり、ありがたいことに応援してくれる人がまた増えました。そう考えると、なかのひと、何もしていないですね(笑)

2019年三菱電機ワールドチャレンジカップでは選手カードにサインを求めるファンの姿が photo by X-1

なかのひと:SNSを活かすためにも動画を撮ってもっと選手について知ってもらいたいと企んでいます。現実は、コロナ禍で選手に近づきにくいので、モヤモヤしていますが。

東京大会が終わり、深夜3時に日本人が活躍するドイツリーグの話題をツイートしたりしましたが、リーグ戦や普段の活動があってこその代表戦なので、国内外問わず、色々な活動について知ってもらいたいと思っています。普段の活動はパラリンピックと同じくらい大事ですから。普段の競技を守っていくことが連盟としての本来の活動です。そういう意味では、東京大会は一つの通過点に過ぎない。この先もファンとして応援してもらう……というところにつながるように発信を続けていきたいです。あ、なんかアツく語ってしまいました!

なかのひと:わりとツイートを見てくれている方にも、フォローで支えてくれた方にも、感謝の気持ちしかありません。まだ(@JWBF_OFFICIAL)をフォローしていない方は、ぜひぜひフォローをお願いします♪

2年ぶりに開催された皇后杯では白熱の戦いが繰り広げられた photo by X-1

西のほう出身。日本車いすバスケットボール連盟の広報担当。YouTuber。Bリーグの島根スサノオマジックのファン。2021年に引退したチアのHONOKAさん推し。「デスク周りはスサノオマジックのグッズだらけ」(情報提供:連盟オフィシャルカメラマンI氏)。自称「ツイ廃」。リスペクトしているのは、専門的な情報を教えてくれる、あらゆる分野のオタクのみなさん。

text by Asuka Senaga

key visual by Takashi Okui