フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(本戦5月28日~6月11日/クレーコート)。  ラファエル・ナダル(スペイン)の先例なき全仏10度目の優勝を目指す進撃は、ブノワ・ペール(フランス)に対する6-1 6-4 6-1の勝利で始ま…

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(本戦5月28日~6月11日/クレーコート)。 

 ラファエル・ナダル(スペイン)の先例なき全仏10度目の優勝を目指す進撃は、ブノワ・ペール(フランス)に対する6-1 6-4 6-1の勝利で始まった。第4シードのナダルは何本かの目覚ましいショットを打ったが、第2セットにはちょっとした脅威を乗り越えなければならなかった。

 世界ランク45位のペールは、第2セットのはじめにサービスゲームを落としたが、2度ブレークを果たして3-1とリードした。しかし、自分のサービスゲームでさらに3つのブレークポイントをしのいだナダルは、2度ブレークバックし、結局そのセットも奪取。彼は第3セットを、わずか31分でものにした。

 それでもナダルは全仏で、ナーバスさに対処するのは簡単ではないと言う。10度目の全仏タイトルを目指す30歳のナダルは、1回戦でペールをストレートで下したあとに、こう言った。

「僕はここで9度優勝した。そして優勝したすべての年に、僕は信じられないほど幸せだった。でも、ここに戻ってくるたびに信じられないほどナーバスになる」

 一方、第10シードのダビド・ゴファン(ベルギー)は、予選を勝ち上がったポール アンリ・マチュー(フランス)を6-2 6-2 6-2のストレートで下して2回戦に駒を進めた。ゴファンはサービスエースを決め、ラブゲームで試合を締めくくった。

 前年度優勝者で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)はマルセル・グラノイェルス(スペイン)をストレートで退け、次のラウンドに進んだ。この大会でアンドレ・アガシ(アメリカ)をコーチに迎えたジョコビッチは、6-3 6-4 6-2で勝利をおさめた。

 ジョコビッチは、オープン化以降初の----全歴史を見ても3人目の----4つのグランドスラム大会を2度ずつ制したプレーヤーになることを目指している。

 33位のグラノイェルスは勇敢に戦いに挑み、第3セットには、"ポールまわし"(サイドラインの外側から)の見事なショットを決めた。ショットのあまりの見事さにジョコビッチが拍手をし、ネットに歩み寄って手を合わせ、相手を祝福するほどだったのである。

 ジョコビッチがサービスをキープすれば終わりというゲームで、グラノイェルスは3ブレークポイントを握ったが、ジョコビッチはそこから挽回し、ゲームとセットを取って試合をものにした。

 一方、第14シードのジャック・ソック(アメリカ)は、2週間前にローマで倒した相手に対し、1回戦で敗れることになった。ソックはイリ・ベセリ(チェコ)に5-7 5-7 3-6で敗れ、全仏での自己最悪の成績を記録することになったのだ。

 2年前に4回戦に進出したソックは、これ以前に出場した4度の全仏で、最低でも2回戦に進んでいた。しかし、この日の彼は39本のアンフォーストエラーをおかし、6度サービスゲームをブレークされた。

 第25シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)は、前夜からもち越された日本の杉田祐一(三菱電機)に対する1回戦で、杉田の勇敢なカムバックを最後に阻止し、6-3 6-3 6-7(4) 6-7(3) 6-3の大接戦の末に辛勝した。杉田は2セットダウンから巻き返し、第4セット4-2リードのところで、試合は日没順延となっていた。

 第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)はスティーブ・ダルシー(ベルギー)を6-3 6-4 6-2で下し、危なげなく2回戦に進んだ。ラオニッチは、38位のダルシーを下すのに92分しか必要としなかった。

 ラオニッチは2回戦で、ロジェリオ・ドゥトラ シルバ(ブラジル)と対戦する。ドゥトラ シルバはミカエル・ユーズニー(ロシア)を4-6 7-6(5) 2-6 7-6(4) 6-2の大接戦の末に下して勝ち上がった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「全仏オープン」1回戦を勝ち上がったラファエル・ナダル(スペイン)。10回目の優勝を目指す。(撮影◎毛受亮介/テニスマガジン)

【ハイライト】ブノワ・ペール vs ラファエル・ナダル/ 1回戦