(C)Getty Images スポーツ新聞が歴史的転換を迎えています。 歴史の扉を開いたのは、一人の偉大なスーパーアスリート…羽生結弦さんです。【関連記事】羽生結弦、辛口の夕刊紙も認めたその実力 業界が騒然とした「あの見出し」とは…

(C)Getty Images

 スポーツ新聞が歴史的転換を迎えています。

 歴史の扉を開いたのは、一人の偉大なスーパーアスリート…羽生結弦さんです。

【関連記事】羽生結弦、辛口の夕刊紙も認めたその実力 業界が騒然とした「あの見出し」とは


 スポーツ紙のベテラン記者は言います。

 「東京だけで朝刊スポーツ紙は6紙ありますが、女性読者の獲得は各紙にとって長年の悲願でした。スポーツ紙といえば『オヤジが発信してオヤジが受信する』という意味から、時事芸人のプチ鹿島氏が『オヤジジャーナル』と評するなど、野球と競馬好きの中年男性がメインターゲットだったんです。それが現在、各紙ともに『羽生シフト』を敷き、それが即売増に結びついているんです」

 プロに転向した羽生結弦さんを巡っては、各メディアともさらなる熱量を携え、その一挙手一投足を追いかけています。中でもスポーツ各紙の鼻息の荒さは異常です。

 「各紙とも写真を大々的にフィーチャーした紙面展開や、担当記者のコラムなど独自性を売りものにしながら、バチバチのクオリティー勝負を展開しています。特にカメラマンはありえないサイズで商品化されるので、高いモチベーションで一瞬を捉えようと意気込んでいる。各紙ともフィギュア担当記者にはエース級を配置しています」(前述の記者)

 しかし、スポーツ各紙とも編集局の上層部はプロ野球の取材経験でのし上がった男性ばかり。当初は羽生さんを大々的にフィーチャーすることに、誰もが乗り気だったわけではなかったとの声もあります。

 潮目が変わったのは、「羽生一面」の即売データがあまりにも高い数値を叩き出したからです。

 「スマホの普及によって、『情報はタダ』と世間が思っている中、『羽生一面』の紙面は明らかに売り上げが伸びていることが分かったんです。そこには確かな読者ニーズがある。しかもこれまで『難攻不落』と言われた女性が、コンビニで買ってくれるわけです。データで明確になった以上、社内の否定論者は何も言えなくなってしまった。むしろ、これらの華やかな紙面が彩りを加えたことで、編集局内も活性化している。女性記者の比率も増す一方です」

 過去どれほどの会議を経ても、あるいはコンサルからどれほどの助言を得ても不可能だった「女性読者獲得」が、一人のスーパーアスリートによって現実となった--。

 これが、各紙とも気合いをにじませて羽生さんを追いかける理由の一つとも言えそうです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】羽生結弦、「1社5分」の単独インタビューが各社秀逸だった理由とは
【関連記事】羽生結弦、プロ転向でさらに際立つ存在感 スポーツメディアの「救世主」である理由
【関連記事】羽生結弦があの「東京スポーツ一面」にもたらした「異変」とは