木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第17回 歳を重ねてきたこともあり、最近昔から一緒にゴルフをしてきた仲間が減ってきて、ちょっと寂しい気分です。ただ一方で、新たな仲間が増えそうな予感もあって、ゴルフ仲間の新旧入れ替えの時期なのかなと思って…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第17回

 歳を重ねてきたこともあり、最近昔から一緒にゴルフをしてきた仲間が減ってきて、ちょっと寂しい気分です。ただ一方で、新たな仲間が増えそうな予感もあって、ゴルフ仲間の新旧入れ替えの時期なのかなと思っています。

 思えば、ゴルフでいろんな人と出会いました。そしてその後、長くつき合っている人もいれば、いつの間にかフェードアウトしてしまった人など、さまざまです。

 昔馴染みの面々も今ではオヤジになり、ゴルフのライフスタイルはそれぞれ様変わりしています。ある人は競技志向になったり、ある人はもっぱら電車移動でのゴルフになったり、はたまたゴルフを引退してしまったり......。



ゴルフ人生においては多くの人たちと出会いますが、その間、一緒にラウンドする仲間もいろいろと変化していくのでしょうね。illustration by Hattori Motonobu

 また、私の家にはゴルフの優勝カップが何個かあるのですが、その多くは解散したコンペのものばかり。それを眺めていると、「自分も長いことゴルフをやっているんだな」としみじみ感じます。

 そんなわけで、大人になるとゴルフの嗜好性がどう変わっていくのか、さらに今の時代、どんなゴルフスタイルが求められているのか、各分野に分けて考察してみたいと思います。

(1)競技志向
 私もかつては倶楽部に所属して、競技に燃えていました。優勝も何度かさせてもらいました。けど、ふつうのアマチュアはハンデ12前後でおおよそ打ち止め。あとは、次第に下がっていって、中だるみになります。

 そもそも何十年も競技に熱心なアマチュアは、研修会などに入って修行を重ね、トップアマになっています。そうして、倶楽部対抗の代表選手ぐらいに選ばれれば、我々凡人ゴルファーとは違ったゴルフ人生を送っていくことでしょう。

 こちらは、そんな競技生活からは一旦退いて、のんびりとラウンドを楽しんできました。ところが、還暦を境にして「もう一度、何かしらの競技に出てもいいかな」という気持ちになりつつあります。

 実は、密かに人生最後の倶楽部ライフに挑戦しようと画策中です。というのも、残された人生はせいぜい15年ぐらいかな、と。「だったら、好きなことをやろう」と思ったのです。

 さらに、シニアになってからゴルフの戦略が変わり、"刻みゴルフ"がどれぐらい通用するのか、試したい気持ちもあります。

 どこかの倶楽部の「友の会」に入るか、あるいはお値頃の倶楽部に入ってハンデキャップをとるか。年内には動き出したいと思っています。

 このプロジェクトの話は、また別の機会に報告します。

 私は今、ラウンドに誘われるのを待っているのも所在ないし、自ら1組予約してセッティングするのも面倒くさい、といった現状。ならば、『ひとり予約』か、倶楽部&「友の会」に入ってラウンドしようかな、と思っているわけです。

 結局のところ、ゴルフをやりたいのは自分を試したいからで、それは技術面と体力面の両方を確認したいのです。

(2)電車利用
 次に、頻繁に行くコースがあったり、どこぞの倶楽部とか「友の会」に入って通うようになったりすれば、電車で行けるコースがいいと思っています。それは、歳をとって体力も劣ってきているので、自宅とコースの往復で車を運転するのがしんどいからです。

 そもそも家の近くにあるコースは、プレー代が高くて常日頃から行けませんからね。自ずと、やや遠いコースでのラウンドになります。

 ここ数年、電車移動のゴルフの集まりによく参加しています。こうした"電車派"の集まりでは、朝からお酒を飲んでいる人が多いです。もちろん、昼休みも飲んでいますし、ゴルフを終えたあとに二次会を開催するのがほとんど。車を運転しないから、できることです。

 また"電車派"の特徴は、女性参加者が多いこと。やはり、女性ひとりで車を運転してゴルフに参加するのは、経済的&体力的負担が大きいのではないでしょうか。

 そうしたなか、業界としては女性のゴルフ進出を後押ししているようですが、「まだまだ」と言わざるを得ません。近くに駅がありながら、クラブバスを出していないコースが結構ありますからね。

 それは、クラブバスを出さなくても、そこそこお客さんが集まっているからです。倶楽部側としても、クラブバスを運行させるとなると、バス購入代、人件費、燃料代など出費がかさむ、と言いたいのでしょう。

 とはいえ、2025年問題はゴルフ界にも多大な影響を及ぼすことでしょう。後期高齢者となる「団塊の世代」が一気に引退し、ゴルフ人口は確実に減ると思われます。

 そこで、手っ取り早くゴルフ人口を増やすことを考えるなら、女性の参加です。クラブバスを運行すれば、女性もより行きやすくなると思うんですけどね......。

 免許を返納し始める「団塊の世代」の方々も、クラブバスがあって電車を利用して行けるとなれば、ゴルフを継続する人が結構いるのではないでしょうか。

 日本のゴルフ界のためにも、採算を度外視してクラブバス導入を考える倶楽部が増えていくことを期待しています。

(3)多様性を認めるか
 現在、私は高反発ドライバーを使用していますが、もしどこぞの倶楽部メンバーになって、コンペや競技に参加するようになったら、当然ルール適合の低反発クラブを使用することになります。

 和気あいあいとしたラウンドでも、高反発クラブを使っていると、風当りが強いです。「いいなぁ~、僕も使ってみたい」と言う方は皆無。だいたい「インチキだ!」とか「ルール違反だ!」とか、突っ込みの嵐になることが多いです。

 実際、通常のクラブより10ヤードぐらいは飛びますからね。

 でも、190ヤードの飛距離が200ヤード程度になっただけなので、若者とのラウンドでは相変わらず置いてきぼりにされます。250ヤードぐらい飛ぶならインチキでしょうが、200ヤードそこそこの飛距離で文句を言われるのはどうかと思います。

 結局、日本人は真面目なのでしょう。表向きは多様性を求めながら、人と違ったことをしたり、ちょっとでも変だったりすると、認めてくれない風潮があります。そもそもメンバーでもないのに、ジャケットを着用させる倶楽部の多いこと......。

 ゴルフは何だかんだ言って、いまだ保守的です。

 ゴルフクラブにしても、新素材クラブが人気となれば革新的に見えますが、単にPGAツアーの人気選手が使用しているから売れるだけ。ブランド化が顕著です。

 その人気のクラブをコースに持っていって、「どうですか、今度のは?」「なかなかいいですよ」と会話するのが、アマチュアゴルフ界のメインストリームになっているんですな。

(4)ひとりの時代へ
『1人予約ランド』(バリューゴルフ)ができて、はや12年。今や、その予約システムが評価され、他社も追随することとなりました。

 大手では、『楽天GORA』や『PGM』が独自の"ひとり予約システム"を構築して、お客さんの取り込みに熱心です。

 従来、ゴルフは1組予約して、みんなで行くものと相場が決まっていました。けど、1組集めることがいかに難しいか。バブル崩壊後、ふたりでプレーできる2サムがもてはやされましたが、今はそれも面倒くさくなり、ひとりの時代へ。

 人類はインターネットが発明されてから、ひとりでも十分生活できるようになりました。リモート会議、宅配便、デリバリー、銀行振込み......で、不自由なく社会生活も営むことができます。

 だから、ひとりゴルフがもてはやされるのは、当然の帰結です。プレーが始まってしまえば、あとは自分との戦いですから。

 私のなかで突然湧いてきた、新しい試みのゴルフ人生。どうなるか、お楽しみのほどを。