今年、誕生50周年を迎えた『シビック』。「市民の」を意味する車名の文字通りポピュラーカーで、初代はFF・2ボックスの当時としてはエポックメイキングなクルマだった。今回はボディバリエーションを拡大した2代目にスポットを当ててみたい。初代の登場…

今年、誕生50周年を迎えた『シビック』。「市民の」を意味する車名の文字通りポピュラーカーで、初代はFF・2ボックスの当時としてはエポックメイキングなクルマだった。今回はボディバリエーションを拡大した2代目にスポットを当ててみたい。

初代の登場から7年経った1979年7月に初のフルモデルチェンジを迎えてこの2代目が登場した。スタイリングは、ひと目見て『シビック』とわかる特徴的な台形フォルムを採用。“スーパー・シビック”のキャッチフレーズのもと、初代よりもボディサイズを拡大させ、ホイールベースは3ドア、5ドアとも初代から50mm伸ばされた。

インテリアでは、初代『プレリュード』でも採用された、スピード&タコメーターを見かけ上で同軸に配置する集中ターゲットメーターと、その横のロータリーチャンネル式ラジオ(後期型では消滅)などを採用。サスペンションは前後マクファーソンストラット式の独立懸架、搭載エンジンは登場後すぐにCVCC IIの1.3 & 1.5リットルとなり、オレンジ色のボディ色で訴求したCXには85ps(他は80ps)の1.5リットルを搭載。ワンメイクレースも開催されるようになった。

さらに80年になると、ボディバリエーションを拡大。1月にバン(=リヤサスペンションは板バネ)をベースに、木目パネル(サイドはオプション)を装着して仕立てたワゴンの「カントリー」が登場したほか、9月にノッチバックセダンが追加された。

このノッチバックセダンは、前後して登場した『バラード』とは兄弟車で、当時のイギリス・BL社(ブリティッシュ・レイランド)から『アクレイム』として発売されたモデルとは共通の外観デザイン(『シビック』のセダンとは外板は別物)だった。81年には角型ヘッドランプのマイナーチェンジ版が登場し、インパネもオーソドックスなものに。

当時のカタログは、外観写真の扱いも実にダイナミックな印象。シンプルな商品コンセプト同様に、カタログも実用性、装備、走りなど、クルマの魅力をストレートに表現したものだった。