(C)Getty Images 新たな人生の幕開けと言って良いでしょう。 7月19日の会見でプロ転向を表明した羽生結弦選手のことです。会見当日の朝には一部メディアが「羽生引退」と報じましたが、会見で羽生は独特のユーモアも交え、こう決…

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 新たな人生の幕開けと言って良いでしょう。

 7月19日の会見でプロ転向を表明した羽生結弦選手のことです。会見当日の朝には一部メディアが「羽生引退」と報じましたが、会見で羽生は独特のユーモアも交え、こう決意表明しました。

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 「現役がアマチュアしかないって感じ、不思議です。甲子園の選手が野球を頑張っていて、甲子園優勝しました。プロになりましたって。それって、引退ではないじゃないですか。それと同じ。むしろそこからがスタート。そこからどうやって自分を見せていくのか、どれだけ頑張っていけるかが大事だと思っているので」

 ネットニュースの関係者が言います。

 「確かにアマチュアの競技会からは卒業しますが、それを『引退』と捉えるのは、あまりに旧来型の思考に囚われているかもしれません。プロ化することで、活躍の選択肢は自ずと増えるし、ファンは『羽生結弦』という希有なアスリートを多面的に体感することができることになるでしょうから」

 さらに、こう続けるのです。

 「スポーツ新聞社や出版社は現在、『羽生特需』に沸いています。これは彼の物語に『続き』があるからこそ。『引退』する選手だったら、ここまでフィーバーしませんよ」

 スポーツ紙の記者はこう証言します。

 「羽生に関しては各社、特集や連載、特別ポスター紙面、写真集などの企画を競っています。ニュース速報は全てネットで消費されてしまう昨今において、羽生ファンは『紙でしっかりと残す』ということに重きを置いている。こんなにありがたい存在はないわけです」

 各紙の競争が熾烈になる背景を、前述の記者はこう分析します。

 「羽生ファンはとにかくリテラシーが高い。記事の一字一句を読み込んでいるし、写真のクオリティーやレイアウトについても、送り手側のアスリートに対する敬意や愛情をしっかりと見てくれている。各社の取材力や熱量が比較されるので、絶対に気が抜けないんです。『他社に負けない紙面にしよう』と、羽生の紙面は自ずと社内の士気も上がっています。情報の送り手と受け手が緊張感を持って対峙している、理想的な関係が築けていると言っても良いでしょう」

 さらに前述のネットニュース関係者は、現状をこう紐解くのです。

 「『情報はただでネットから』が常識となる活字離れの世の中で、羽生の存在はややもすると元気がなかったスポーツ紙業界を活性化させています。今後も強い読者ニーズがある以上、担当の記者とカメラマンには各社エース級を配置し、力を入れることになるでしょう。そして彼らの背中を見て、若い記者やカメラマンが『私も読者に支持されるメディア人になりたい』と牙を研いでいく。羽生はスポーツメディア人を育てていると言っても過言ではありません」

 オンリーワンの輝きを放つ男の「これから」には今後も注目が集まっていきます。

 狂騒曲は、まだまだ止みそうにありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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