資生堂レディス第2日 国内女子ゴルフツアーの資生堂レディス第2日が1日、神奈川・戸塚CC(6570ヤード、パー72)で行われた。39位から出た原英莉花(NIPPON EXPRESSホールディングス)は、6バーディー、1ボギーの67で通算6ア…

資生堂レディス第2日

 国内女子ゴルフツアーの資生堂レディス第2日が1日、神奈川・戸塚CC(6570ヤード、パー72)で行われた。39位から出た原英莉花(NIPPON EXPRESSホールディングス)は、6バーディー、1ボギーの67で通算6アンダーとし、前半組終了時点で暫定6位に浮上した。今季は不本意な成績が続き、落ち込むことも多いと公言していたが、6月19日に東京ドームで開催された那須川天心―武尊戦を見て奮起。クヨクヨするより、スイング改造やトレーニングを継続することでプレーに迷いが消えてきたことを明かした。

 6番パー4。原が17メートルのバーディーパットを決めた。スライスラインを見事に読み切り、今日一番の笑顔を見せた。会見でも、そのシーンをうれしそうに振り返った。

「入ったのはたまたまですけど、自分の読んだラインに打ち出すことができました。迷わず、緩まないで打ち出すことが大事で、日々の確認しながら練習していることができたと思います」

 不本意な成績が続いていたが、今季ベストタイの67。上位争いにも加わり、「いいプレーができたかなと思いました。フェアウェーを外したのは2回だけですし、ピンを狙うショットができていて、危なげなかったです。ようやく練習してきたことが試合に繋がってきました」と自己評価した。

 会見では、気持ちの変化も明かした。きっかけは、6月19日。東京ドームで開催された那須川天心―武尊をペイ・パー・ビュー(PPV)で視聴してからだという。

「東京ドームが埋まるほど熱烈な戦い、みんなが注目していて、それに応える努力が素晴らしいと思いましたし、『私も同じスポーツ選手なんだよな。私は何をやっているんだ』と思いました」

 今季の原は、プレーだけでなく、気持ちの波もあった。取材にも「いい調子の中ですごいミスをして、バンジージャンプのように落ちる感じ」とも話していた。結果が出ずに焦る日々。5月には「結果を早く求めない」と決め、1年がかりでのスイング改造に取り組み始めたが、気分が晴れない状態が続いた。しかし、リングで戦う天心と武尊の姿を見て、一気に目が覚めたという。

初日も帰宅後に住宅街を20分間ランニング

 そして、スイング改造と地道なトレーニングの継続を決意。スタート前には、一本歯の下駄を履いて体幹を鍛え、ラウンド後は約20分間のランニング。最高気温36.1度だった初日を終えた後も、車で約30分の自宅に戻り、住宅街を走っている。

「やっぱり、続けるものがないとダメだと思うので暑くても走りました。下駄のトレーニングはちょっと恥ずかしかったので、バランスボールに変えましたけど(笑)」

 コースを離れての気分転換は「海を見ること」だといい、「レインボーブリッジから見る景色が好きです。海を目にしながら車の中で叫んだりしています」。そのまま千葉市内にある師匠・尾崎将司の自宅に向かうこともあり、敷地内に設置されたミニコースでアイアンショットを磨いているという。

「ジュニアの子たちと一緒に回ったりします。グリーンが(直径)5メートルで小さくて、それに乗せる練習をしていますね。風の読みとか、キャディーさんに頼りすぎていることがあるので、(ミニコースで)自分でやると難しいです」

 さまざまなことが重なり、浮上のきっかけをつかんだ23歳。地元・横浜市での開催大会で、「決勝を見に行くから」と連絡をくれる人たちがいるという。酷暑の中でも18ホールを歩き、熱心に声援を送るファンもいる。その状況への感謝と資生堂の主催大会を意識し、原は言った。

「汗だくでも(気持ち的に)いい匂いがするように頑張ります」

 原は、大会のテーマ「強く、美しく、輝くとき。」を体現すべく、残り2日も今の力を出し尽くす。(THE ANSWER編集部)