松山英樹がメジャー大会で再び躍動した。 マサチューセッツ州のザ・カントリークラブで開催された全米オープン。日本勢で唯一決勝ラウンドに駒を進めると、17位タイで迎えた最終日に5バーディー、ノーボギーという猛チャージをかけて、通算3アンダー、…

 松山英樹がメジャー大会で再び躍動した。

 マサチューセッツ州のザ・カントリークラブで開催された全米オープン。日本勢で唯一決勝ラウンドに駒を進めると、17位タイで迎えた最終日に5バーディー、ノーボギーという猛チャージをかけて、通算3アンダー、4位でフィニッシュした。

「昨日(3日目)はバーディーがとれなかったので、今日(最終日)はバーディーをとれてうれしかった。昨日は寒くて、今日も気温が下がっていたので少し難しく感じましたけど、そのなかでもいいプレーができたのかな、と思います。

(上昇できたのは)11番、12番、13番といいパットが入ってくれたのが大きかった。ショットが完璧かというとそうでもなかったですし、そういうなかでもこうやってスコアを出せたことはすごく自信になります。これからも、こういうパフォーマンスを出していけるように頑張りたい」



全米オープンで4位と奮闘した松山英樹。photo by Kyodo News

 大会前、松山は自身のゴルフの調子について「悪くはないです」ときっぱり。「いい感じで調整できているし、ここに来てショットも少しずつつながっていると思う」と語っていた。

 迎えた初日、インスタートの11番でバーディーを奪って幸先のいい出だしだった。しかし、直後の12番でダブルボギーを叩いて後退。その後はチャンスをなかなかモノにできずにいたが、後半の6番、最終9番とバーディーを決めてトータルイーブンパー、26位タイとまずまずのスタートをきった。

「(出だしは)ドタバタでしたね。思うようなショット、アプローチが打てず、パターもうまくいかなかったけど、最後(の9番)でいいバーディーがとれてよかった。明日からはその9番のようなプレーを最初からできるようにしたい」

 2日目もチャンスは多かったが、グリーン上でのパットを決めきれず、2バーディー、2ボギーのイーブン。首位と5打差の24位タイで予選通過を果たした。

「(今日は)チグハグなラウンドでした。いいところもあれば、悪いところもあって......。いいところがあっても、それがなかなか続かない。まあでも、トップとはそんなに離れていないし、悪くないポジションだと思うので、(決勝ラウンドでは)1打でも詰められるように頑張りたい」

 3日目、松山は2ボギーとスコアを2つ落とした。それでも、朝から強風が吹き荒れる悪コンディションとあって、他の選手たちもことごとくスコアを崩した。おかげで、松山の順位は17位タイへと浮上した。

「風が強かったですけど、バーディーがとれないというのが(精神的に)苦しかった。ノーバーディーはつらいですね。グリーンのスピードはあまり変わっていなかったんですけど、風向きによって下りのラインが遅かったり、上りが速かったりして。ラインの読みがひと筋違うというのが......、う~ん......続いていましたね。明日は、(パットが)入ってくれないかな......」

 前日の強風から一転、最終日は風がやんで上位陣はバーディー合戦となった。そんななか、松山も6番パー3でピン50cmにつけるスーパーショットを放って圧巻のバーディーを奪うと、7番でも4mのパットを沈めて連続バーディー。後半に入ってからも、12番で8m、13番で12m、16番で6mと距離のある難しいパットを鮮やかに決めた。

 最終的に、今大会のベストスコアとなる「65」をマーク。惜しくも優勝には届かなかったものの、2017年の2位タイに次ぐ4位という好結果を残した。

「上も伸びているなと思いつつ、アンダーパーでフィニッシュすれば何か起こるかなという思いもありましたが、ショットの状態がまだ自分が思っている状態にはなかったので......。それでも、いいパットが決まるとこういうスコアになるんだな、と。パットは昨日からすごくイメージがよくなっていた。

 マスターズの優勝が今日のプレーにつながっている? そこはあまり考えずに、本当にいいプレーをすることだけを考えているんで。それはもう、過去の話。また次、勝てるように頑張りたい。

 こういういいプレーができるってことは、初日からもう少しいいプレーができていれば、(ラウンド中の上位選手たちと一緒に)まだプレーしていたと思う。そこが今後の課題かな」

 優勝したマシュー・フィッツパトリックとは3打差。松山が言うとおり、初日、2日でもう少しスコアを伸ばせていれば、勝つチャンスは十分にあった。そう思うと、昨年のマスターズに続くメジャータイトル獲得も近いうちに実現するかもしれない。