ニチレイレディス最終日 女子ゴルフの国内ツアー・ニチレイレディスは19日、千葉・袖ヶ浦CC新袖C(6563ヤード、パー72)で最終日が行われ、首位タイで出た新人・佐藤心結(ニトリ)は2バーディー、2ボギーの72で回って通算11アンダーの5位…

ニチレイレディス最終日

 女子ゴルフの国内ツアー・ニチレイレディスは19日、千葉・袖ヶ浦CC新袖C(6563ヤード、パー72)で最終日が行われ、首位タイで出た新人・佐藤心結(ニトリ)は2バーディー、2ボギーの72で回って通算11アンダーの5位だった。高3で出場した昨年10月のスタンレーレディス以来、首位で迎えた最終日。ツアー初優勝は飾れなかったが、大観衆の中でプレーできたことを喜び、「この経験が今後に生かせる」と前を向いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)

 18歳の佐藤は、同じ最終組で西村優菜、森田遥がスコアを伸ばす中、懸命にパーを拾い続けた。苦手にしていたアプローチを寄せ、9番パー4では4メートルのパーパットを決めた。右手でガッツポーズ。ボギーは2つ打ったが、後半のパー5では飛距離を生かして2バーディーを奪った。それが収穫だった。

「悔しい部分は残りますが、まだまだ力不足です。優勝は簡単にはできないですし、『そんなに甘くない』と思いましたが、スコアを落とさずに上がれたのは良かったです」

 昨年10月のスタンレーレディス最終日は首位タイでスタート。渋野日向子、木村彩子、ペ・ソンウとのプレーオフに進出した。結果は渋野に敗れて2位だったが、無観客試合だった同大会とこの日では感覚が違ったという。

「すごく楽しめました。去年の優勝争いより、緊張はありましたけど、それが楽しかったです。そこは本当に良かったです」

母が明かす前夜の様子「心配していましたが…」

 プロとしてルーキーイヤーの今季、第6戦の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンから7戦連続予選落ちの苦悩も経験した。だが、ブリヂストンレディスの練習日に、憧れの宮里藍から「魔法はないよ。積み重ねていくことが大事」とアドバイスされ、目の前が開けた。翌週のリゾートトラストレディスからは、4戦連続予選通過。今大会は首位で最終日を迎えた。それでも前夜、佐藤は熟睡していたという。ツアー生活をサポートする母・美樹さんがその様子を明かした。

「心配していましたが、昨夜は11時ぐらいには寝て、朝5時38分までグッスリでした。私はドキドキであまり眠れなかったのに(笑)」

 少し大物感を漂わせた18歳。ドライバー270ヤード超の飛距離と高弾道のアイアンショットが復活し、メンタルの状態も良好だ。前日の会見では「(21年11月のプロテスト合格者)同期で一番先に優勝して、同期を引っ張りたい」と話すなど、優勝への思いも人一倍強い。だからこそ、佐藤は言った。

「この経験を次につなげたいです。今シーズン中に初優勝をしたいので、また優勝争いできるように頑張ります」

 プロデビュー後、自己最高位の5位で暫定リランキングは14位に、メルセデス・ランキングは45位に浮上。スーパールーキーはこの結果と経験を糧に前へ進む。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)