クロアチアで6月13日に開幕した「WTTコンテンダーザグレブ」が16日から本戦に入る。

日本勢は男子の張本智和(IMG)、宇田幸矢、戸上隼輔(ともに明治大学)、女子も早田ひな(日本生命)、伊藤美誠(スターツ)、木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)ら世界卓球2022成都(9月30日~9日/団体戦)日本代表メンバーに加え、延期が発表されたアジア競技大会(杭州)女子日本代表の平野美宇(木下グループ)が出場。

今大会、中国の"1軍"選手は男女ともエントリーしていないが、男子はヨーロッパ勢や韓国、台湾などアジア勢の強豪が顔をそろえ見どころが多い。

 なお、予選に出場した日本の及川瑞基(木下グループ)と佐藤瞳(ミキハウス)は、及川が自身2戦目の3回戦で敗退、佐藤も自身初戦の2回戦で敗れ本戦進出を逃している。ただし及川は篠塚大登(愛知工業大学)と男子ダブルスで上位進出を狙う。

 見どころはいきなりやって来る。トップシードのモーレゴード(スウェーデン)と対戦する戸上の男子シングルス1回戦だ。

現在、世界ランク5位のモーレゴードは戸上(世界ランク43位)と同じ20歳。全日本王者の戸上に対し、世界卓球2021ヒューストンで男子シングルス銀メダルに輝くなど国際大会での実績はモーレゴードの方が上だが、互いに急成長を遂げている勢いのある2人なだけに激しいぶつかり合いが予想される。

 世界ランク7位の張本は3月のシンガポールスマッシュ以来の国際大会で、早田と混合ダブルスにも出場する。

コロナ禍で国際大会の数が減り、「一大会の重みが増した」と話す張本は今秋に控えている世界卓球2022成都(9月30日~10月9日)も視野に入れ、「今大会は大事な試合になってくるので、結果を求めて頑張りたい」と意気込みを口にする。

初戦の相手は予選から上がってきた17歳の林詩棟(中国)。2回戦ドローにも19歳で2019年世界ジュニア選手権男子シングルス金メダルの向鵬(中国)がおり、同世代の中国人選手といきなり2連続で戦う可能性が濃厚だ。

 女子は自身最高位の世界ランク5位に浮上した早田がトップシード。同6位の伊藤と女子ダブルスにも出場し、張本との混合ダブルスと合わせ3種目に登場する。

 ちなみに早田が1回戦を勝つと、2回戦の相手は平野になる可能性が高い。平野の1回戦の相手は李皓晴(香港)。2人の対戦成績は6勝1敗で平野が大きく勝ち越している。

 混合ダブルスで注目なのは伊藤と宇田の新ペアだ。

年明けの全日本選手権では、東京2020オリンピックで中国の許キン/劉詩ブンを破り金メダルを獲得した水谷隼以外とのペアでは中国を倒せないとの持論を展開。

もう混合ダブルスには出ないと公言していた伊藤だが、果たして宇田とはどんなコンビネーションを見せるのか楽しみだ。


<本戦に出場する日本人選手>
●男子シングルス
張本智和(IMG)
宇田幸矢(明治大学)
戸上隼輔(明治大学)
篠塚大登(愛知工業大学)

●女子シングルス
早田ひな(日本生命)
伊藤美誠(スターツ)
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
平野美宇(木下グループ)

●男子ダブルス
戸上隼輔/宇田幸矢
篠塚大登/及川瑞基

●女子ダブルス
伊藤美誠/早田ひな

●混合ダブルス
張本智和/早田ひな
宇田幸矢/伊藤美誠


(文=高樹ミナ)