表彰台でトロフィーを掲げる平川亮(左から2人目) 右端はTGR-Eの中嶋一貴副会長(トヨタ自動車提供) 世界三大レースに数えられる「第90回ルマン24時間レース」が11、12日にわたって仏ルマン近郊のサルトサーキットで開催され、トヨ…

表彰台でトロフィーを掲げる平川亮(左から2人目) 右端はTGR-Eの中嶋一貴副会長(トヨタ自動車提供)

 世界三大レースに数えられる「第90回ルマン24時間レース」が11、12日にわたって仏ルマン近郊のサルトサーキットで開催され、トヨタの平川亮(28)が日本人5人目の総合優勝を果たした。

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 セバスチャン・ブエミ(スイス)、ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)とのトリオで最高峰のハイパーカークラスに参戦するトヨタのGR010ハイブリッドを駆り、トータル380周で勝利を飾った。日本人では過去に関谷正徳、荒聖治、中嶋一貴、小林可夢偉が総合優勝を記録している。

 トヨタは2018年の初優勝から5連覇。メーカーの5連覇は2004~08年、10~14年のアウディ以来で、過去にはポルシェが7連覇、フェラーリが6連覇を飾っている。

 「伝説のドライバーが並ぶ、ルマンウイナーのメンバーリストに名を連ねることができ、光栄です。正直なところ、まだ夢がかなったという実感がありません」と平川はレース後にコメントした。

 広島県出身で、13歳でレーシングカートを始め、2010年に4輪デビュー。トヨタとのパイプが太く、12年に全日本F3のタイトルを獲得。17年にはトムスでスーパーGT選手権のGT500クラスを制した。13年から参戦しているスーパーフォーミュラでは年間ランク2位が最高で、通算4勝を挙げている。

ルマンを走るトヨタ8号車のGR010ハイブリッド(トヨタ自動車提供)

 トヨタのルマンチームに加入したのは今季から。昨年を最後に中嶋一貴が現役を引退し、後釜に起用された。16年にはトヨタの支援で下部カテゴリーのマシンでルマンに初参戦。トヨタが2台から3台体制に増やした17年にはワークスマシンをつかむチャンスもあったが、抜てきされたのは16年にトヨタ系のセルモインギングでスーパーフォーミュラのタイトルを獲得した国本雄資。悔しい思いを経験しつつ、5年の歳月を経てようやくトヨタのシートを射止めた。

 世界的な実力を示す証しは飲料大手のレッドブルが支援する「レッドブル・アスリート」として継続起用されていること。モータースポーツの世界ではF1の角田裕毅、世界ラリー選手権の勝田貴元、2輪のロードレース世界選手権の中上貴晶、佐々木歩夢、鳥羽海渡らがいるが、中には契約を打ち切られた日本選手もいる。平川は日本人最古参として2017年2月から契約を結んでおり、今季で6年目だ。

 ルマンは国際自動車連盟が主催する世界耐久選手権の一戦に数えられ、平川もシリーズにフル参戦中。今年のルマンにエントリーしたハイパーカークラスのマシンは計5台だったが、来年はプジョー、フェラーリも参入することから激戦は必至だ。平川は今回の優勝で来季もチームの一員として継続できる見通し。中嶋一貴に続く日本人2人目のルマン連覇の期待がかかる。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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