宮里藍サントリーレディス初日 国内女子ゴルフツアーの宮里藍サントリーレディスが9日、兵庫・六甲国際GC(6527ヤード、パー72)で開幕した。藤田さいき(チェリーゴルフ)は、8バーディー、2ボギーの66で6アンダーと好発進した。36歳で大会…

宮里藍サントリーレディス初日

 国内女子ゴルフツアーの宮里藍サントリーレディスが9日、兵庫・六甲国際GC(6527ヤード、パー72)で開幕した。藤田さいき(チェリーゴルフ)は、8バーディー、2ボギーの66で6アンダーと好発進した。36歳で大会アンバサダーの宮里とは同年齢。2011年から優勝は遠ざかっているが、今季は2位が2度。会見では「まだ初日なので、天気のいい明日までは頑張る」と煙に巻くも、虎視眈々と11年ぶりのツアー6勝目を狙っている。

 スタートの10番ホール。選手たちを見送る宮里と藤田のやり取りがあった。同組の成田美寿々が、宮里を前に「さいきさん、体、大きいですよね」と話を振ったところ、藤田がとぼけた。

藤田「いや、私はずっと藍ちゃんと同じサイズぐらいの感覚なんだけど」

宮里「はい。ちゃんとゴルフをやってきてください。真面目にね(笑)」

 実際は宮里が154センチで藤田が168センチ。ジュニア時代、2人が初めて同組になった際には体格で藤田が上回っていたため、宮里は藤田が年上だと勘違いして敬語で接していたという。

 その最中、藤田が「私、同い年だけど」と明かすと、宮里は「早く言ってよ~」とリアクション。その時から友人関係は始まったが、14歳でゴルフを始めた藤田は宮里について「もう、当時から(有名な)宮里藍ですから、ずっとアイドルで憧れの人です。しかし、同じ年でアンバサダーと選手って、何でしょうか。この違いは(笑)。すごいですね。ジャケット着て、カッコいいですよ」と表現した。

 互いがプロになっても宮里は国内14勝、海外9勝の輝かしい実績を残して2017年限りでツアーを引退。藤田は11年までに国内5勝を飾るも、その後はシード落ちも経験した。だが、昨季から頻繁に上位争いに絡み、今季は2位2度を含めてトップ10入りが3度。2週前のリゾートトラストレディスは「心身が疲れて限界」で出場しなかったが、前週のリシャール・ミル ヨネックスレディスも優勝した稲見萌寧に2打差の2位だった。

最も低い3パット率&好スコアに喜び「頑張ってるな、私」

 好調の理由は7年前、父・健氏の紹介で出会った埼玉西武ライオンズの元トレーナー黒岩祐次氏と取り組んできたトレーニングの成果など複数の要因がある。健氏は以前、「THE ANSWER」の取材に「娘は黒岩さんから歩く時の疲れにくい姿勢も会得しました。それが理想的なアドレスにもつながりました。結果、徐々に状態が上がり、今、娘の体は20歳ぐらいに若返ってきています。今季のドライバー飛距離(ツアー3位、250.29ヤード)の要因です」と明かしている。

 本人はこの日の好スコアを「グリーンスピードとパットの感覚が合いましたし、パターからドライバーまでまとまっていました」と分析。その上で「今はゴルフを楽しみながらやれています。(1年に)2位2回はなかなかないし、悔しさよりも手応えがありますね。何でも受け止めている自分がいるし、『すごく頑張っているな、私』と思います」と振り返った。

 ただ、まだ残り3日ある。経験豊かな36歳は「4日間、戦う体力を失わないようにします。天気がいい明日までは、頑張ります。その後はまた考えますが、まずは心と体の準備をします。そのために良く寝てよく食べようと思います」と言った。会見の最後、現段階で3パット率が最も低い選手と伝えられると、「え~、私、パットうまいじゃん。あっ、でも、今日は(3番で)3パットしましたよ」と照れ笑い。その明るさも力に、11年ぶりの優勝を狙っていく。(THE ANSWER編集部)