濡れた路面を走るレッドブルのマシン((c)RedBull Content pool) F1第7戦モナコGPは29日に決勝が行われ、レッドブルのセルジオ・ペレス(メキシコ)が今季初勝利を挙げるとともに、モナコGP初制覇も果たした。ただ…

濡れた路面を走るレッドブルのマシン((c)RedBull Content pool)

 F1第7戦モナコGPは29日に決勝が行われ、レッドブルのセルジオ・ペレス(メキシコ)が今季初勝利を挙げるとともに、モナコGP初制覇も果たした。ただし、降雨とクラッシュ劇でスタート進行が大幅に遅れ、通常は78周で行われるレースは64周で打ち切りになった。モナコGPの決勝が短縮されたのは2008年以来、14年ぶりだ。

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 F1の決勝は305キロを超える周回で行われるのが基本だが、唯一の例外が伝統のモナコだ。規定でレース時間が2時間以内と定められており、低速の市街地サーキットを舞台とするモナコは、そのまま305キロを走った場合は時間内に終了しない恐れがあるのだ。そのためレース距離は78周の260.286キロと短い。F1ではシンガポール、アゼルバイジャンなども市街地コースだが、2時間以内に305キロを走れるとして距離は短縮されていない。

 今季のモナコGPのペレスの優勝タイムは1時間56分30秒265。実は2時間を超えていない。それでも64周で打ち切りとなったのは2時間レース規定以外に、レースが中断された場合に備えた最大総レース時間規定が定められているからだ。2021年の規則変更でそれまでの4時間から3時間に短縮された。

 今年は日本時間29日午後10時に決勝が始まる予定だったが、降雨でスタート進行が遅れ、16分遅れでセーフティーカー先導によるフォーメーションラップがスタート。ところが雨脚が弱まらず、正式なスタートに至らずに1回目の赤旗中断となった。

モナコGP初制覇を果たしたレッドブルのセルジオ・ペレス(((c)RedBull Content pool)

 レースが再開されたのは午後11時5分。雨もやんで順調に周回を重ねていったが、今度は25周目過ぎに大クラッシュが発生し、2度目の赤旗が出てしまった。ハースのミック・シューマッハーが後半区間のプールシケイン手前で単独スピンを喫し、バリアーに激しく突っ込んだ。車体後部が引きちぎられる大きな事故で、車両の撤去とバリアーの修復でレース再開にさらに時間を要した。その結果、最大3時間と定めた総レース時間規定が適用され、日本時間30日午前1時過ぎに64周でレースはゴールを迎えた。

 レースが大幅に短縮された場合はポイントが半分になる場合もあるが、今回は当初のレース距離の75%を走っていたことから選手やチームにはフルポイントが与えられた。欧州のメディアによると、国際自動車連盟の広報担当者は降雨によるスタート進行の遅れについて「この週末にウエットコンディションで1度も走っていないこともあり、安全上の理由でこのようになった」と説明している。

 優勝はペレスで、2位以下はフェラーリのカルロス・サインツ(スペイン)、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)、ポールスタートだったフェラーリのシャルル・ルクレール(モナコ)などの順。アルファタウリの角田裕毅は17位だった。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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