国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯第3日 女子ゴルフの国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯第3日が7日、茨城GC西C(6680ヤード、パー72)で行われた。初日から首位を走る山下美夢有(加賀電子)は、6バーディ…

国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯第3日

 女子ゴルフの国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯第3日が7日、茨城GC西C(6680ヤード、パー72)で行われた。初日から首位を走る山下美夢有(加賀電子)は、6バーディー、1ボギーの67で回って通算11アンダー。2位に6打差をつけて、メジャー初優勝へ王手をかけた。前週まで3試合連続予選落ちだったが、約1か月ぶりに対面で指導してくれた父から「焦らずにリズムを大事に」とアドバイスされ、劇的に復調できたことを明かした。2位は通算5アンダーで安田祐香(NEC)と青木瀬令奈(フリー)が並び、4位には通算4アンダーで稲見萌寧(Rakuten)がつけている。

 山下は自分の調子と雨を味方に、スコアを伸ばした。

「今日はショットがいい。(朝からの)雨でボールも止まる」

 2番パー4で4メートル、3番パー5、4番パー4で1メートルのパットを決めた3連続バーディー。同組の安田は1番から3連続バーディーを決めていたが、山下は差を詰められることなく、首位を走り続けた。

 一転、5番パー5から約1時間は「スコアを落とさない」ことに徹した。雨脚が強くなったからだ。一時はグリーンに水が浮くほどの雨量だったが、「こういう時こそ急がない。やるべきことをやって、冷静にプレーする」と言い聞かせ、パーセーブを続けた。そして、雨が止んでからは再びスコアを伸ばした。

 初日に大会コースレコードの「64」をマーク。自己採点は「100点」だった。第2日は「72」を目指しながら、「74」で終えて「80点」。この日はサンドセーブができなかった1ボギーを理由に「90点」をつけた。

苦しかった3週連続予選落ちを救ってくれた父の言葉

 この状況については、「自分でもビックリしている」と言った。前週まで3週連続予選落ちで「苦しかった」からだ。救ってくれたのは、コーチとして会場入りしている父だった。

「この4週ぐらいはコースに来られなくて、いつもスイング動画を送って状態をチェックしてもらっていましたが、なかなか調子が戻ってきませんでした。でも、今週は会場に来てくれました。やっぱり、見て教えてくれると違います。『リズムを意識して、(トップで)間を置いて』と言われ、私も納得しました。そして、『焦らず、自分のペースでやればいいよ』とも言われました」

 前週までは、同学年の西郷真央が出場7戦4勝と走っていた。ジュニア時代からのライバルが躍進する一方で自身の不甲斐なさを感じていたが、それも全て父が解消してくれた。

 それでも、山下は「今日も緊張しながら回っていました」と言った。ラウンド途中、「お姉ちゃんのような人」と慕う青木に「一緒にハートをつくってください」とお願いし、カメラマンに向かってポーズを取る余裕を見せたが、内心は違っていた。そして、最終日についても「緊張すると思います」と言った。

「6打差はありますが、何が起こるか分かりません。また緊張しながら回ると思いますが、1打1打集中したいです」

 昨季は首位からスタートして逆転負けの屈辱も味わってきた。だが、今回は父とコースマネジメントの打ち合わせもできている。心強いサポートを受ける山下は、最終日の「母の日」、両親への恩返しを込めて一打に集中する。(THE ANSWER編集部)