1回戦後、ひどくなったという左アキレス腱痛がひどくなって敗戦現地5月1日、「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/WTA1000)シングルス2回戦、左アキレス腱痛に見舞われた大坂な…

1回戦後、ひどくなったという左アキレス腱痛がひどくなって敗戦

現地5月1日、「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/WTA1000)シングルス2回戦、左アキレス腱痛に見舞われた大坂なおみ(フリー/世界ランク36位)は、地元スペインのサラ・ソリベス・トルモ(同47位)に3-6、1-6のストレートで敗戦。記者会見では、「すべてを素直に受け止めようと思っています。私はまだ学んでいる最中」と、前向きに語った。

【動画】大坂なおみ、試合巧者のソリベス・トルモに敗戦 マッチハイライト

1回戦、「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/WTA1000)で準優勝して以来、約4週間ぶりの試合となった大坂は、1回戦で前週ツアー初優勝を果たしたアナスタシア・ポタポワ(同78位)に6-3、6-1で勝利。

しかし、「コートを出る時にちょっと足を引きずったような感じがして、『どうしたんだろう?』となって。体が温まっている時には感じなかったんですけど、運動をやめて体が冷えてくると、だんだんひどくなってきました」と試合直後から左アキレス腱に問題があったことを告白。さらに「試合となってウォーミングアップをしたら、ひどくなってしまったんです」と、試合前に、さらに痛みが増したと明かしている。

次戦「BNLイタリア国際」(5月9日〜15日/イタリア・ローマ/WTA1000)出場については、「よほどのことがない限り、大きな問題になるとは思えない」としながらも、「おそらく超音波検査を受けて確認して、チームと共に進むことになると思います」とまずは検査をすることになるだろうとコメントしている。

依然として、クレーコートに対応しようと「すべてを素直に受け止めようと思っています。私はまだ学んでいる最中」と前向きに語っている大坂。まずはアキレス腱の状態が気掛かりではあるが、出場できるのなら、次戦ではさらなる活躍を期待したい。

以下は記者会見での一問一答である。

――今日の試合を振り返ってください。

「彼女とは以前にも対戦したことがあるので、本当にタフな試合になることは分かっていました。本当にいいプレーをしていました」

――左脚(ひざ付近からアキレス腱にかけて)にテーピングがありました。1回戦ではありませんでしたが。

「そうですね。前回の試合のあと、アキレス腱に違和感があって、昨日は治したいということもあって、あまり打てなかった感じです。正直なところ、もうちょっと賢く立ち回ればよかったかもしれません。今日も痛くて、痛み止めを飲んだけど、もっと早く飲むべきだったかも。きっと良くなると思います」


痛めたアキレス腱は、よほどのことがない限り、
大きな問題になるとは思えない

――長期離脱になるようなものではないですか?

「以前もあった場所なんです。よほどのことがない限り、大きな問題になるとは思えないですね。それと今はただ、どうやって前に進むべきかを学んでいる段階だと思っています」

――ソリベス・トルモとは前回もスペインのクレーで対戦していますね。何がうまくいかなかったと思いますか?

「自分のやりたいプレーができなかったというか、制限されてしまった気がします。だから、前回よりもっとうまく対応できると思っていたことが、いろいろあったのですが、それができませんでした。自分が何をすればいいのか、よくわからないという感じでした」

――ケガは不運でしたが、試したいといっていたことも試したと思います。クレー1大会目を終えての感想をお願いします。

「もちろん楽しかったです。もっと長い時間ここにいられたらよかったんですが…。どうでしょう。どのコートが速いクレーで、どのコートが遅いクレーなのか、まだ学んでいる最中ですね。今日もウォーミングアップをしたら、ウィム(フィセッテコーチ)が“このコートはセンターコートよりずっと速い”と言ったんです。そう聞いて『ああ、言われればそうだな』と思いました。すべてを素直に受け止めようと思っています。私はまだ学んでいる最中。また、この状況になったら、もっとうまくやれたらいいなと思います」

――ソリベス・トルモの良いところは、ロングラリーにしてどんどんショットを打たせるところです。そういう相手と戦う時、バランスはどう考えていますか?

「そうですね。私は2つのことをするのがかなり得意だと感じています。たとえば、必要に応じて長いラリーもできるし、短くすることもできる。ただ、それは私が抱えるジレンマでもあります。というのも、もっと長くしたくても、足が出なくなるし、短くしたいなら早く優位に立たなければならないけど、それもできない。体力的にただ立っているだけという感じになっていました」

――イタリア国際(ローマ)まで1週間あります。それまで、どんな予定でしょうか? 休養か練習か病院か。

「あなたに『本当に痩せる気あるの?』みたいなことを言われたと思っていました(笑)」

――理想としては、いかがですか?

「私はうまくいかないと思ったら、眠れないとかいうタイプではないので、しばらくは大丈夫だと思います。もちろん、練習やジムなどに通いたいのですが、それがベストな選択でないなら…。アキレス腱がどうなのかよくわからないので、おそらく超音波検査を受けて確認して、チームと共に進むことになると思います」


左アキレス腱は1回戦のあと
「体が冷えてくると、だんだんひどくなってきました」

――数年前にバックボレーは両手で打つと言っていて完璧にこなしていました。その後、(片手でのボレーは)練習していますか?

「ウィンブルドンではミックスダブルスに出場するし、ネットゲームに集中しようと思っています。そうなんですよね。私もショックです。一緒にプレーする人をがっかりさせたくないので、ダブルスをプレーするときはいつも、『ごめんね』と言うんです。足手まといにならないように気をつけます」

――ペアは言えませんか?

「その人が見て、いいね! を押してくれるなら、そうすればいいんですけど、どうなんでしょう。その頃に見た方が楽しいんじゃないですか? 当てようと思えば、誰だか当てられると思うんですけどね」

――私は1回だけ当てましたね。

「やばい(笑)」

――アキレス腱についてですが、1回戦で痛めたものですか? それとも蓄積されてというものなのでしょうか?

「正直、試合(1回戦)では感じなかったんです。けど、コートを出る時にちょっと足を引きずったような感じがして、『どうしたんだろう?』となって。体が温まっている時には感じなかったんですけど、運動をやめて体が冷えてくると、だんだんひどくなってきました。だから、今日の試合も体が温まっていれば影響はないだろうと思っていたんです。でも、どうやらそうではなかったようです」

――全仏へのウォーミングアップの中でのケガ、勝負したい、慎重になりたいといった気持ちのバランスは取れていますか?

「そうですね、正直なところ、自分のキャリアで、ケガで途中棄権するようなことはしたくないんです。だって、マイケル・ジョーダンのインフルエンザ・ゲーム*のことを時々思い出すと、自分もそうあるべきだと思うんです。つまり、心の中では常に警戒心を持っている。私としては、そういったものを乗り越えたらどうなるのかを見てみたいと思っています。もし、ひどいケガをして、それでも試合を続けることができたとしたら、どんな気持ちになるのか知りたいんです」

――昨日は、どのくらい練習したのでしょうか?

「昨日は本当に打ちませんでした。(ボールを)押し切るたびに痛みがあったので感じていたので、サーブとスマッシュだけです。そのあと、フィジオと2時間くらいかけて、アイシングしたり、どうすればよくなるかを考えていました。今朝起きたときは、痛みのレベルは10段階中4くらいだったから、まあ大丈夫だろうと思ったんです。アスリートにとって、それは基本的に何でもないようなもの。ただ、試合となってウォーミングアップをしたら、ひどくなってしまったんです。テーピングも予防のためだったのに、実際に必要になってしまって、フィジオに連絡して、痛み止めも処方してもらいました。自分ができることは限られているので、あとは流れに身を任せるしかないような状況ですね」


*1997年NBAファイナル第5戦、ブルズのマイケル・ジョーダンは体調不良でふらふらになりながら、38得点を記録して90-88で勝利。この試合は“インフルエンザ・ゲーム”と呼ばれている(食中毒とウイルスによる体調不良と言われている)。