不振が続くメルセデスのルイス・ハミルトン(メルセデス提供) F1で4連覇を含む7度のドライバーズタイトルを獲得してきたメルセデスのルイス・ハミルトン(37)=英国=が大不振に陥っている。【関連記事】審判に誰が金を払うかわかっているの…

不振が続くメルセデスのルイス・ハミルトン(メルセデス提供)

 F1で4連覇を含む7度のドライバーズタイトルを獲得してきたメルセデスのルイス・ハミルトン(37)=英国=が大不振に陥っている。

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 4戦を終えた時点でランキング7位。開幕戦バーレーンGPでは棚ぼたで3位表彰台を獲得したものの、その後は10位、4位と苦しみ、前戦の第4戦エミリアロマーニャGP(伊イモラ)では13位と今季初めて入賞を逃した。しかも優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)に周回遅れにされる屈辱も味わった。

 メルセデスのトト・ウォルフ代表は「われわれは世界チャンピオンにふさわしくない。マシンを修正する必要がある」とコメントし、レース終了直後にハミルトンに対して無線で「君がドライブするのに必要としていたことについて(足りなかったことを)申し訳ない。まともにドライブできる状態ではなく、得点を取るのにふさわしくもなかった」と謝罪した。

 ハミルトンが苦しんでいるのは「ポーポイズ現象」だ。今季から車両規則が大幅に変更され、かつてグラウンドエフェクトカーと呼ばれていたマシンが1982年以来、32年ぶりに復活。ところが開幕前の合同テストではストレート区間で小刻みに上下動するポーポイズ現象が全チームに発生。フェラーリ、レッドブルなどはある程度のレベルまで解消させることに成功しているようだが、メルセデスはその対応に絶えず苦しんでいる。

 ハミルトン本人も「このクルマ史上、最悪のポーポイジングを経験している」とうろたえるほど。チームメートのジョージ・ラッセル(英国)もエミリアロマーニャGPの決勝では背中に痛みを抱えるほどだったという。縦揺れが続くことでタイヤへの負荷が懸念されており、レース後半のパフォーマンスに影響が出る可能性がある。

第4戦エミリアロマーニャGPでは周回遅れの13位(メルセデス提供)



 かつてはグランプリとグランプリの合間に自由に実走テストをすることは可能だったが、現在は開発予算削減のため、数少ない指定の公式テスト以外は禁止に。そこで各チームともレーシングシミュレーターを使ったバーチャルの世界で新しい空力パーツなどをテストして実戦に投入しているのが現状だ。

 ハミルトンはレーシングシミュレーターに頼らない選手として知られていた。それでも、マシンのパフォーマンスにかげりが見え始めた昨季からは搭乗する機会が増えていたという。ところがシミュレーターでポーポイズ現象を精密に再現するのは難しいとされ、問題を解消するのに時間を要しているもようだ。

 メルセデスは次の第5戦マイアミGP(米フロリダ州、5月8日決勝)で対策を施した新しいパーツを投入するとみられるが、問題解決に至らない場合、ハミルトンが史上最悪の大惨敗シーズンを過ごす恐れがある。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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