2位は埼玉&愛知で79勝、東京は5位 今季国内女子ゴルフツアーは前週までに6戦を終えた。今週は15日から、熊本空港CCでKKT杯バンテリンレディスが開幕。開催地の熊本県はジュニアゴルファー(高校生まで)育成が熱心なことで知られているが、ツア…

2位は埼玉&愛知で79勝、東京は5位

 今季国内女子ゴルフツアーは前週までに6戦を終えた。今週は15日から、熊本空港CCでKKT杯バンテリンレディスが開幕。開催地の熊本県はジュニアゴルファー(高校生まで)育成が熱心なことで知られているが、ツアーの合計優勝回数も断トツ。2位以下を大きく引き離す146勝となっている。

 前週の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでツアー17勝目を飾った上田桃子(ZOZO)も熊本出身だ。では、他の地域はどうなのか。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)からのデータを基に、ツアーの出身都道府県別優勝数を紹介する。(文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 ◇ ◇ ◇

 国内女子プロゴルフの試合が始まったのは1967年で、ツアー制度は88年から施行された。今季までに1600超の試合が開催され、日本選手の優勝回数は1113回になる。これを出身都道府県別にすると、トップ10は以下になる。

【順位 都道府県 優勝数 主な選手(合計人数)】

1位 熊本県 146勝 不動裕理、平瀬真由美、上田桃子(計12人)
2位 埼玉県 79勝 樋口久子、生駒佳与子、小林洋子(計5人)
2位 愛知県 79勝 塩谷育代、服部道子、米山みどり(計17人)
4位 宮崎県 75勝 大迫たつ子、大山志保、今堀りつ(計7人)
5位 東京都 69勝 木村敏美、稲見萌寧、中野晶(計17人)
6位 北海道 60勝 吉川なよ子、谷福美、小祝さくら(計9人)
7位 広島県 57勝 岡本綾子、佐伯三貴、表純子(計4人)
8位 富山県 50勝 森口祐子、城戸富貴、池渕富子(計3人)
9位 鹿児島県 49勝 横峯さくら、肥後かおり、勝みなみ(計5人)
10位 神奈川県 47勝 福嶋晃子、吉田弓美子、原英莉花(計11人)

 1位の熊本県は146勝で、2位タイの埼玉県、愛知県の79勝を大きく引き離している。熊本県出身の優勝者は計12人で、永久シード権者の不動裕理50勝、平瀬真由美19勝、上田桃子17勝、有村智恵14勝、古閑美保12勝、高村亜紀10勝と2ケタ勝利が6人もいる。そのうち、不動、平瀬、上田、古閑の4人は賞金女王を経験している。

 主な理由は、1979年に設立された熊本県ゴルフ協会が、県内のゴルフ場や練習場にジュニア選手の受け入れを推し進め、ジュニアが安価でプレーできる環境を整えたことにある。優秀な指導者も多く、さらに、国内で8勝を挙げた同県出身の清元登子が、地元で不動らを指導。93年6月には、同県出身のプロゴルファー坂田信弘による「坂田ジュニアゴルフ塾」が全国で初めて開校し、提携する練習場、ゴルフ場では無償で練習できる環境が整った。同塾出身者には、古閑、上田、ツアー6勝の笠りつ子が名を連ねる。

まだ優勝者が出ていないのは10県、宮里藍ら輩出の沖縄は…

 2位タイの埼玉県は樋口久子が1人で69勝。優勝経験者の数で比較すると、79勝で2位タイの愛知県、69勝で5位の東京都がいずれも計17人で最多となっている。

 75勝で4位の宮崎県は、大迫たつ子(45勝)、大山志保(18勝)の元賞金女王2人で63勝。他の九州勢では、9位鹿児島県が49勝で、23勝を横峯さくらがマークしている。

 宮里藍、諸見里しのぶらを輩出した沖縄県は40勝で12位。宮里が15勝、諸見里が9勝している。昨季終了時点では、沖縄県は千葉県と並んで11位だったが、今季、西郷真央が3勝したことで千葉県が43勝で単独11位となった。

 まだ優勝者が出ていないのは、秋田、宮城、長野、石川、三重、奈良、和歌山、島根、高知、佐賀の10県。ただ、富士フイルム・スタジオアリス女子オープン第2日では、佐賀県出身の権藤可恋が首位に3打差の5位につけ、本人も「地元で応援する人やジュニアのためにも頑張りたい」と話していた。活躍するプロがいれば、地元ジュニアたちはその背中を追っていく。10年後、これらの数値、割合にどんな変化が見られるだろうか。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)