ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が進む中、ウクライナに思いを寄せるアスリートたちの間で支援の輪が広がっている。特にテニス界は活発。8日には男子の元世界1位で、グランドスラムを3度制覇したアンディ・マリー(英国)が、今年の獲得賞金を寄付する…

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が進む中、ウクライナに思いを寄せるアスリートたちの間で支援の輪が広がっている。特にテニス界は活発。8日には男子の元世界1位で、グランドスラムを3度制覇したアンディ・マリー(英国)が、今年の獲得賞金を寄付すると自身のツイッターで表明した。

◆【実際の投稿】アンディ・マリー、ウクライナに賞金全額寄付 「ウクライナの子供たちは平和を必要としている」とつづる

■「750万人以上の子どもたちが危険」

アンディ・マリーは8日、自身のTwitterを更新。「私は今季の残り試合で得る賞金全額を寄付します」と表明。続けて「英国にお住まいの方ならどなたでも、このリンクからユニセフが行っている人道支援に寄付することができます」とし、自身がアンバサダーを務めるユニセフのアドレスを添付した。そして、「ウクライナの子どもたちには、今、平和が必要です」とつづった。また、「ウクライナで激化する紛争により750万人以上の子どもたちが危険にさらされています」とした上で、緊急の医療品や幼児教育キットの提供を贈るとした。

テニス界では今回の軍事侵攻を受けて、支援の輪が広がっている。前日には世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、元世界ランク31位で引退後にウクライナ軍の予備役に加わったセルギー・スタホフスキー氏に経済的支援などを約束。また、6日のリヨン・オープンで準優勝したダヤナ・ヤストレムスカ(ウクライナ)も賞金を祖国支援に使うことを表明していた。

さらに、男子プロテニス協会、女子テニス協会、国際テニス連盟の統括団体とグランドスラム(全豪、全仏、全英、全米オープン)は8日、ウクライナ侵攻に対する人道的支援活動を行うと発表。各組織が資金を拠出し、合計70万ドル(約8050万円)の寄付を行うとともに、「Tennis Plays for Peace」という新たなキャンペーンを実施。ロシアの侵攻で被害を受けた人々をサポートしていくという。

今回、統括団体が組織横断型の取り組みを表明したことで、今後は選手個々での支援から各競技の連盟等を通じての援助が広まるかもしれない。

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文・SPREAD編集部