福岡・グローバルアリーナで開催されている「サニックス ワールドラグビーユース交流大会 2017」は5月1日、予選リーグ最終節の試合がおこなわれ、桐蔭学園高校(神奈川)、東海大仰星高校(大阪)、大阪桐蔭高校(大阪)、東福岡高校(福岡)、リセ…

 福岡・グローバルアリーナで開催されている「サニックス ワールドラグビーユース交流大会 2017」は5月1日、予選リーグ最終節の試合がおこなわれ、桐蔭学園高校(神奈川)、東海大仰星高校(大阪)、大阪桐蔭高校(大阪)、東福岡高校(福岡)、リセ ボルデバッス(フランス)、マウントアルバート グラマースクール(ニュージーランド)、クイーンヴィクトリア スクール(フィジー)、フレイムズビー ハイスクール(南アフリカ)が準々決勝進出を決めた。

 プールAでは、U18日本代表を8人擁する東福岡が大会2日目にフランスチームに逆転負けを喫したものの、8強入りをかけた東海大相模(神奈川)との試合を33-7で制し、2位通過。前半5分に相手にモールで押し切られ先制を許し、計3枚のイエローカードをもらって数的不利な時間帯があったが、SO丸山凜太朗の連続トライで逆転すると、激しく身体をぶつけてきた東海大相模の攻撃をしのぎ、後半はカウンターアタックなどで3トライを追加して勇敢なチャレンジャーを退けた。

 1月の予選会を制して本大会出場を果たした東海大相模の三木雄介監督は、「東福岡さんは全国トップレベルの学校なので、対戦するのも初めてということで、『チャレンジしよう!』と言って子どもたちを送り出しました。(7-14で折り返し)風上に立った後半、敵陣に入ることのオプションをうまく選択できず、ゲームマネジメントはまだまだ勉強しなければいけないと感じました」と試合を振り返る。そして、プレーひとつひとつの精度も課題として挙げた。「東福岡さんの強度が強いということもあって、ハンドリングエラーが多発した。タックルを受けたあとにボディコントロールを失って、ボールがきちんとリサイクルできなかったことなど、本当にいろいろな部分で強さを教えていただきました」
 しかし、フィジカル強い東福岡相手に、コンタクトの部分では手ごたえをつかんだようだ。「身体を当てる部分に関しては、『全然イケる』という感触を子どもたちは持っているので、そこは自信にしてほしい。明日も楽しいゲームが待っていると思うので、思い切りチャレンジしたいです」

 東福岡と準々決勝で対戦することになったのはプールDを1位通過した大阪桐蔭だ。1日は、同じく8強入りの可能性があった御所実業(奈良)と対戦し、17-15で熱戦を制した。
 大阪桐蔭は3点ビハインドの後半16分、敵陣22メートルライン中央のスクラムから攻め、右へ展開してWTB宮宗翔が抜け逆転トライ。対する御所実はその後、2回ゴールに迫ったが得点できず、最後に敵陣10メートルライン手前、中央でペナルティを得たがショットを狙わずタップから攻めにいってすぐ落球し、直後に試合終了の笛を聞いた。

 今春の全国高校選抜大会で優勝した桐蔭学園は、プールB3連勝で1位通過を決めている。大会2日目にはアグレッシブなディフェンスが光って強豪国・ニュージーランドのマウントアルバートに17-13で競り勝ち、3戦目は佐賀工を42-20で下した。

 プールBを2位で通過したニュージーランドチームと準々決勝でぶつかるのは東海大仰星。プールCの最終戦で選抜大会ベスト4の石見智翠館(島根)を31-10で下し、初日に引き分けたフィジーチームと2勝1分で並んだが、総勝点で上回り1位通過での8強入りとなった。
 しかし、勇敢に激しく身体を当てにいき43-7と快勝した2日目のイングランド戦とは違い、この日は身体を当てないで抜こうと試みて、ミスが目立った。
 「欲をもってチャレンジすることは大事だと思います。ボールを動かしてつないで(トライを)取る、ということをやりたかったと思うんです。しかし、やるべきことをしっかりやらないと」と東海大仰星の湯浅大智監督。「自分たちのプレースピードに対して、自分たちが思っていたよりも相手の方が少しディフェンスのスピードが上回っていたため、うまくつながらないという状況を自分たちで勝手に生んだ。そういうところがまだまだ甘いなと思います。やるべきこととは、ボールを失わない。ボールを前に進める。結果的にそれがつながってトライになる。今日はボールを簡単に手放したり、相手に渡してしまったりして、グラウンド状況を見ながら冷静な判断で自分たちで工夫するということもまだまだできていなかったので、そこができるように伝えていきたいです。明日の試合では、ボールをどうつなぐのかというところをしっかりやっていきたいですね」

<5月1日/プール戦最終日 結果>

【プールA】
・東福岡高校(福岡) 33-7 東海大学付属相模高校(神奈川)
・リセ ボルデバッス(フランス) 27-7 プチョンブク ハイスクール(韓国)

■プールA 順位
1位: ボルデバッス(フランス)/3勝0敗(勝点13)
2位: 東福岡(福岡)/2勝1敗(勝点11)
3位: 東海大相模(神奈川)/1勝2敗(勝点5)
4位: プチョンブク(韓国)/0勝3敗(勝点0)

【プールB】
・桐蔭学園高校(神奈川) 42-20 佐賀工業高校(佐賀)
・マウントアルバート グラマースクール(NZ) 34-0 エニセイ-STM(ロシア)

■プールB 順位
1位: 桐蔭学園(神奈川)/3勝0敗(勝点13)
2位: マウントアルバート(NZ)/2勝1敗(勝点11)
3位: 佐賀工(佐賀)/1分2敗(勝点2/得失点差 -39)
4位: エニセイ(ロシア)/1分2敗(勝点2/得失点差 -48)

【プールC】
・東海大学付属仰星高校(大阪) 31-10 石見智翠館高校(島根)
・クイーンヴィクトリア スクール(フィジー) 17-10 ヘンリー カレッジ(イングランド)

■プールC 順位
1位: 東海大仰星(大阪)/2勝1分(勝点12)
2位: クイーンヴィクトリア(フィジー)/2勝1分(勝点11)
3位: ヘンリー(イングランド)/1勝2敗(勝点6)
4位: 石見智翠館(島根)/0勝3敗(勝点0)

【プールD】
・大阪桐蔭高校(大阪) 17-15 御所実業高校(奈良)
・フレイムズビー ハイスクール(南アフリカ) 45-21 ジエングオ ハイスクール(中華台北)

■プールD 順位
1位: 大阪桐蔭(大阪)/3勝0敗(勝点13)
2位: フレイムズビー(南ア)/2勝1敗(勝点10)
3位: 御所実(奈良)/1勝2敗(勝点6)
4位: ジエングオ(台北)/0勝3敗(勝点0)

<5月2日/トーナメント組み合わせ>

▼準々決勝(1~8位トーナメント)
・ボルデバッス(フランス) vs フレイムズビー(南ア)
・桐蔭学園(神奈川) vs クイーンヴィクトリア(フィジー)
・東海大仰星(大阪) vs マウントアルバート(NZ)
・大阪桐蔭(大阪) vs 東福岡(福岡)

▼9~16位トーナメント
・東海大相模(神奈川) vs ジエングオ(台北)
・佐賀工(佐賀) vs 石見智翠館(島根)
・ヘンリー(イングランド) vs エニセイ(ロシア)
・御所実(奈良) vs プチョンブク(韓国)