CLアトレチコ戦前の岡崎慎司(写真:Getty Images) レスターの岡崎慎司が、9日に行われたプレミアリーグ31節のエバートン戦でメンバー外となった。クレイグ・シェイクスピア監督は試合後、「(岡崎を)休ませた。(日本代表の)インターナ…


CLアトレチコ戦前の岡崎慎司(写真:Getty Images)

 レスターの岡崎慎司が、9日に行われたプレミアリーグ31節のエバートン戦でメンバー外となった。クレイグ・シェイクスピア監督は試合後、「(岡崎を)休ませた。(日本代表の)インターナショナルマッチがあって移動も多く、休ませる良い機会だと思った」とし、12日に行われるA・マドリードとのチャンピオンズリーグ準々決勝・第1レグに向けて温存したと語った。

 レスターでは、MFウィルフレッド・ヌディディとDFクリスティアン・フックスもメンバー外。岡崎を入れた運動量の多い3人を外し、MFリヤド・マフレズもベンチスタートにするなど、CLに向けて万全を期した。

 こうした思い切ったローテーション制を可能にしたのも、国内リーグ戦で5連勝を達成し、順位をリーグ中位まで押し上げたからに他ならない。現在レスターの勝ち点は36。降格圏までの差は8ポイントに広がり、来季残留の目安とされる勝ち点40まで「残り4ポイント」となった。残留が現実的になってきたことで、CLを視野に入れた大胆なローテーション制に踏み切ることができた。

 もっとも温存された岡崎も、この采配でチームのキープレーヤーであることが証明された。クレイグ・シェイクスピア監督の評価は高く、A・マドリード戦では先発出場が濃厚。「自分が試合に出ている間は負けていないのはデカイかなと思います」と本人も自負していた。

 その一方で、課題も語っている。昨年の12月3日以来、得点を奪えていないことがそのひとつだ。献身的な動きやハードワークでチームを支えている。パスコースをつくるなど連携面でも大きな役割も果たしている。しかし、守備面での負担が大きいため、決定機を迎える数は少ない。こうした難しさについて、4月4日のプレミアリーグ30節・サンダーランド戦後に次のように語っていた。

「まだまだクオリティーとか判断は低いので、そういうところは伸ばさないといけない。ただゴール前に入っていく回数は増やしていきたいと思います。自分が欲しいスポットでボールを受けられず、ミドルエリアでしかボールを受け取れていないので。

 連携を繋げられる選手としてはいいのかもしれないけど、ストライカーとして、もう一個出していかないといけない部分がある。やっぱりまだ考えてプレーしている部分があるかなと。もっと自分の得意なところでボールを受けて、シュートまでいく回数が増えれば」

 また、29節のストーク戦後にはこうも語っていた。

「レスターでは勝ちに貢献することが、まず一番。その中で、一つ、二つの決定機を決めていく。結局、それはサッカー選手として永遠の課題だと思うんです。ギリギリの中で1本を決めるというのは、ストライカーとして僕の課題だと思います。

 ただ、もっとチームに余裕が出てきたら、自分もセカンドストライカーとして、もうちょっと前で勝負できればという考えはあります。FWとしては、それ(=ワンタッチで叩いてパスワークを円滑にしたり、ハードワークでチームを支えるプレー)をドヤ顔で『俺、こんなんやってます』とも言いたくない。僕が言うのと、周りが評価するのとは別です。何年かやって、2桁得点でも取った時には……。(そうやって)このスタイルを認められるところまでいきたい」

 レスターで岡崎が求められている役割を分かりやすく言えば、ディフェンシブ・フォワードである。そのなかで、いかにゴールを挙げていくか。あるいは、いかに危険なプレーを増やしていくか。

 試行錯誤しながら、レスターで新たなFW像を創り出す。

《取材・文 田嶋コウスケ》