卓球日本一を決める「天皇杯・皇后杯 2022年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)」<1月24~30日>が開幕。4年ぶりに大阪から東京に舞台を移し、東京オリンピックの会場にもなった東京体育館で7日間の熱戦が繰り広げられる。 昨年は新型…

卓球日本一を決める「天皇杯・皇后杯 2022年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)」<1月24~30日>が開幕。4年ぶりに大阪から東京に舞台を移し、東京オリンピックの会場にもなった東京体育館で7日間の熱戦が繰り広げられる。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で全日程無観客で試合が行われたが、今年は最終2日にあたる土日曜のみ有観客。実施種目も男女シングルスとジュニア男女シングルスの4種目に絞られた昨年から、今年は男女ダブルスと混合ダブルスを含む本来の7種目に戻った。

全日本選手権男子シングルス最多の10回優勝を誇る水谷隼が現役を引退したことで、優勝候補の筆頭は実力的に張本智和(木下グループ)ということになるだろう。

東京オリンピックでは4回戦敗退。昨年11月の世界卓球2021ヒューストンでも2回戦敗退とシングルスで精細を欠いた張本だが、世界卓球直後のWTTカップ・ファイナルでは準優勝。決勝で世界ランク1位の樊振東(中国)に敗れたものの、随所に本来の伸び伸びとしたプレーが戻ってきた印象だった。

プライベートでは昨年末、高校卒業後の進路が早稲田大学(通信教育課程)に決定。

心機一転、フレッシュな気持ちで試合に臨み実力を発揮できれば、平成29年度(2018年)の初優勝に次ぐ2度目の優勝もあり得る。

その張本と同じブロックには、平成23年度(2012年)王者で大舞台に強い吉村真晴(愛知ダイハツ)や昨年、準々決勝で丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)を破り3位表彰台に上がった田中佑汰(愛知工業大学)らがおり、対戦することになれば見どころとなる。

昨年の王者・及川瑞基(木下グループ)も優勝候補のひとりだ。

前回王者の及川瑞基 Photo:Itaru Chiba

今季Tリーグで16連勝。この活躍がリーグ新記録となり前期ノジマMVP賞を受賞した。好調の及川が勝ち進めば、同じブロックで勝ち上がってくるのは順当なら2年前の全日本覇者・宇田幸矢(明治大学)だろう。2人がベスト8決定戦の6回戦で当たる可能性は高い。

その宇田と同期で、ともに世界卓球2021ヒューストンで初代表となった戸上隼輔(明治大学)も優勝候補の一角だ。

昨年は全日本大学総合選手権で優勝。国際大会でもアジア選手権男子シングルス銅メダルを含む2冠、世界卓球2021ヒューストンでは日本男子最高となるシングルス3回戦進出を果たす飛躍を遂げた。

前回の全日本選手権はチームメートが大会期間中に発熱し、コロナ濃厚接触の疑いがあるとして棄権を余儀なくされた戸上。今大会に懸ける思いはひとしおだ。

その戸上と同じブロックには前回準優勝の森薗政崇(BOBSON)、一般シングルス最年長の40歳・小西海偉(東京アート)ら猛者がひしめく。

前回準優勝の森薗政崇 Photo:Itaru Chiba

もうひとり、上位進出が期待されるのが丹羽だ。張本、水谷とともに東京オリンピック男子団体では銅メダルに輝いた。同じブロックには前回3位の吉田雅己(木下グループ)や2年前のファイナリストの大島祐哉(木下グループ)ら手強い選手がいるが、実績通りなら丹羽に分がある。

丹羽が全日本選手権で優勝したのは9年前。しばらく表彰台から遠ざかっているファンタジスタの活躍を望む声は大きい。

加えて丹羽のブロックにはジュニア男子のホープ・松島輝空(JOCエリートアカデミー/星槎)がいる。昨年12月の世界ユース選手権U15で3冠達成の松島は全日本選手権でも注目を集めるだろう。中学2年生の松島はジュニア男子シングルスでも初優勝を狙う。

ジュニア男子では2020年王者の吉山僚一、昨年準優勝の鈴木颯(ともに愛工大名電高校)も優勝候補だ。


文=高樹ミナ

■2022年全日本卓球選手権 試合日程・各種目ドロー