モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/4月16~23日/賞金総額427万3775ユーロ/クレーコート)のシングルス3回戦。 世界1位のアンディ・マレー(イギリス)は第3セットで4-…

 モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/4月16~23日/賞金総額427万3775ユーロ/クレーコート)のシングルス3回戦。

 世界1位のアンディ・マレー(イギリス)は第3セットで4-0とリードしながら、第15シードのアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)に挽回を許して6-2 2-6 5-7で敗れた。

 全仏オープンと、ここモンテカルロ・オープンの元チャンピオンである第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)も第16シードのパブロ・クエバス(ウルグアイ)に4-6 4-6で敗れ、マレーのあとを追った。

 マイアミ・オープンやデビスカップを欠場する原因となった右肘の故障を乗り越えて今大会で復帰したばかりだったマレーは、2時間半以上かかったそのまとまりのない試合で自分のサービスの不調に苦しむことになった。この試合ではふたり合わせて13度のサービスブレークが起こり、そのうちマレーが落としたサービスゲームは7度におよんだ。

 マレーは初対戦だったラモス ビノラスの重いフォアハンドに苦しめられた。

 「自分がいた位置(第3セット4-0リード)から負けたということにがっかりしている」とマレー。「僕はキャリアを通して、このような試合を落としたことはあまりない」。

 昨年の全仏オープン決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたとはいえ準優勝したマレーは、ここ2、3年でクレーでも十分にビッグタイトルを狙える選手になったと見なされ始めていたところでもあった。

 「彼(ラモス ビノラス)は第3セットの終わりにかけて、よりよいプレーをし始めていた。そのような嵐を乗り越え、僕は試合を終わらせるに十分なことができてしかるべきだったのに…」

 ワウリンカは一度も本来のタッチやリズムを見出すことができないまま、通常は彼の最大の武器のひとつであるバックハンドのパッシングをネットに当て、跳ねたボールがアウトとなってマッチポイントを与えてしまった。クエバスは次のポイントでダウン・ザ・ラインにフォアハンドのウィナーを打ち込み勝負を決めると、初対戦でワウリンカを破った喜びで両腕を空に突き上げた。

 グランドスラム大会で優勝歴3回のワウリンカは脚に疲れを感じたと言っており、そのことがクレーコート・スペシャリストに対する試合で彼にある種の弱みを与えることになった。

 「もし少しでも躊躇したら、彼(クエバス)は逃さずやっつけにくる。自分の最高レベルでプレーできていないときに、彼はそこにどうやってつけ入るべきかを知っているんだ」とワウリンカは試合を振り返った。  マレーを倒す金星を挙げたラモス ビノラスは、準々決勝で第5シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する。チリッチは第9シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を6-2 7-6(0)で倒してベスト8入りを決めた。

 ワウリンカを破ったクエバスは、準々決勝で第11シードのルカ・プイユ(フランス)と対戦する。プイユは2回戦で第7シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を破った予選勝者のアドリアン・マナリノ(フランス)と3回戦を戦ったが、3-0リードのときにマナリノが腰の故障のため棄権しての勝ち上がりとなった。

 準々決勝の顔合わせは、(ドローの上から)ラモス ビノラス対チリッチ、クエバス対プイユ、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)対ラファエル・ナダル(スペイン)、ゴファン対ジョコビッチとなった。

 ここモンテカルロで2度優勝している第2シードのジョコビッチはマレーと同じようにふらついたものの、最終的に危機を乗り越えて第16シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-2 4-6 6-4で退けた。

 また、前年度覇者で今大会10度目の優勝を目指す第4シードのナダルは第14シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-1 6-1と、わずか1時間8分の試合で破っての準々決勝進出となった。

 第10シードのゴファンは第6シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に対して2-5から巻き返して第1セットを取ると、最終的に7-6(4) 4-6 6-3で競り勝った。(C)AP(テニスマガジン)