木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第9回 コロナ禍にありながら、世界のゴルフ人口は6660万人(R&A調べ)に達し、過去5年間で550万人も増加したそうです。 ゴルフマーケットは来年も順調ということで、我々は来年の自らのスケジュー…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第9回

 コロナ禍にありながら、世界のゴルフ人口は6660万人(R&A調べ)に達し、過去5年間で550万人も増加したそうです。

 ゴルフマーケットは来年も順調ということで、我々は来年の自らのスケジュールを立てていきましょう!

 1年間の予定を立てるって、そんな大それたことをするのか? ゴルフなんて暖かくなったら、誰かしらに誘われてやるものでしょ?

 そんなふうに言う人もいますが、多少なりとも自分から動いていかないと、ゴルフのお誘いは来ません。

 年賀状や年賀メールなどをコンペ仲間に送る時も、「今年こそは、大々的にコンペをしましょう!」とアピールしておかないと。黙っていたら、忘れられた存在になってしまいますから。

 というわけで、いくつかのパターンに分けて、ゴルフの年間スケジュールの立て方について考察してみたいと思います。

 まず鉄板と言えるのは、これでしょうか。

(1)アクティブメンバーの場合
 アクティブメンバーとは、どこぞのコースのメンバーで、クラブ競技などにも積極的に参加している人たちのことを指します。腕前はさほど気にしません。楽しくクラブの行事に参加して、生活サイクルに倶楽部ライフが入っていれば、それでいいのです。 

 何を隠そう、私もかつては倶楽部ライフどっぷり派で、年がら年中、月例をはじめ、クラブ競技や倶楽部イベントに参加していました。

 昔からある倶楽部では、この時期に年間競技の予定表が書かれた手帳を各メンバーに送っています。今やホームページをチェックすれば、すべての予定は掲載されていますが、昭和の頃からあるコースでは年配メンバーが多いので、手帳も健在です。

 そこに記されたクラブ行事の予定表を見ると、すごいと思うのは年末年始の進行です。12月25日あたりにクリスマス杯をこなし、ラストコール杯、または忘年杯をやって、その年の打ち納めをします。

 某名門コースじゃあ、年末最後のクラブ行事を終えると、参加メンバーによる『蛍の光』の大合唱で一年を締めくくるそうです。紅白歌合戦のフィナーレみたいですね。

 そうやって、ゆく年を惜しみつつも、年が明けるや、1月2日、3日あたりにはもう新年杯です。たいがい樽酒をあけて、御神酒を振舞って「おめでとう!」といった感じでやりますが、年末から年始にかけてのクラブ行事の間隔が短いこと。

 アマチュアゴルファーにはオフはないのです。これが、すごいと思います。

 そんなこんなで、アクティブメンバーはコースの年間予定表を見ながら、自分のスケジュール帳に参加予定の競技やイベントを書き込んで、月例のある日にはなるべく他の用事を入れないようにします。もちろん、その時はそう決意しているのですが、なかなかね......。実際のところ、参加予定の競技などに半分出場できれば大満足でしょう。

 そうした状況にあって、一年で最も重要なイベントは、なんといっても理事長杯です。クラチャンやスクラッチ選手権はハンデ戦ではないので、相当レベルが高くないと参加自体もほぼ無理。ということで、アベレージゴルファーの最大のイベントは、理事長杯となります。

 これは、予選におおよそ2日ぐらいかかります。そして、決勝進出者32人(※人数は倶楽部によって異なる)を選びます。以前、私が所属していたコースの決勝はマッチプレーによるトーナメント制で、勝った選手が翌週に駒を進める形で開催されていました。

 だから、優勝を狙うとしたら、1回戦、2回戦、準々決勝、準決勝、決勝と、決勝ラウンドだけでも5週連続で日曜日を空けておかなければいけません。

 といっても、これがとらぬ狸の皮算用と申しますか、スケジュールを立てる時点ではすでに勝った気になっていて「う~ん、このまま勝っていくと、最終日は棄権かな」などと、妄想してしまうんですな。

 アマチュアゴルファーには、アマチュアなりの苦労があるんですよね。



1年間のスケジュールを考えていると、いろいろと妄想も膨らんでしまうんですよね...。illustration by Hattori Motonobu

 そこまで熱心に月例などのスケジュールを入れてみたものの、毎回惨敗しまくりで、精神的に萎える時があります。だいたい月例以上の競技はバックティー(もしくはブルーティー)で行なわれるので、ボールを飛ばさないことにはなかなか勝てません。

 ですから、たまには気分を変えて、平日杯や祝日杯に参加。すると、ティーグラウンドがレギュラーティーだった、ということも。倶楽部にもよりますが、月例よりも設定を甘くしているケースが結構あります。

 実際、私も月例で惨敗しまくりだった時、平日杯に参加して入賞した経験があります。これもれっきとしたクラブ競技なので、ハンデが上がる可能性もあるんですよ。

 こうして、肝心の理事長杯で決勝進出を果たしたものの、すぐに敗退。だんだん平日杯のほうが好きになって、「だったら、全日会員じゃなくて、(会員権や年会費が)安い平日会員でよかったんじゃない?」なんて、ことが起きたりします。ほんと、ゴルフって面白いですね。

(2)コンペのスケジュール
 一般の我々が気にするのは、コンペスケジュールです。みなさんはどうなのか知りませんが、私が参加するコンペは9割が平日開催です。

 予算的に、平日のほうが何かと都合がいいです。土日と比べると、1万円ほど安くなりますからね。

 平日開催のコンペの場合、雇用形態によりますが、有給休暇をどれぐらいコンペに割くことができるか? そこが問題でしょうか。

 また、仕事との絡みで「出張扱いにできるのか?」とか、営業絡みで「領収書を落せるか?」とか、そういうことも考えて、コンペスケジュールを組むのがよろしいかと思います。

 今はリモートワーク全盛なので、仕事時間よりも仕事内容が重視されます。きちんと仕事をこなしていれば、以前よりもコンペに参加できる時間が作りやすいのではないでしょうか。平日のコンペでも、参加しやすくなっているかもしれませんね。

 あと、一般家庭においては、コンペに参加する際に気をつけなければいけないことがあります。それは、家族への気配りです。

 必須なのは、結婚記念日や家族の誕生日などと、スケジュールが被らないようにすること。運動会や参観日など、お子さんの行事も重要です。奥さんが口では「大丈夫」と言っていても、そうしたストレスは次第に蓄積されていきますから、ご注意ください。

 そして、コンペシーズンで立て続けに参加する時は、必ず気の利いたお土産を買って帰りましょう。あるいは、家族の日を設けて、ご機嫌伺いするのも大事かと。

 こちらが「つき合いで大変だよ」と言ったところで、家族から見れば、単に遊んでいるだけにしか見えません。しかも、すげぇお金を使って......と思われていますから。

 昔はコンペ3連チャンで、「どうしよう、体がもつか?」なんて時代もありました。誘われたら断ってはいけない強迫観念、断ったら仲間外れにされるような気持ちが強かった気がします。

 今では、年に数回コンペに参加すれば十分です。そもそもコロナ禍によって、コンペの数はだいぶ減りましたしね。

(3)ゴルフ旅行のスケジュール
 年間スケジュールという点においては、年に1回でいいから、地方の有名なコースなどで気心の知れた仲間とラウンドできたらいいなぁ~、と思っています。

 オジさんの"命の洗濯"というわけです。個人的には、2年連続で中止となった北海道ツアーを、来年こそは復活させたいと思っています。

 この『ススキノゴルフツアー』の主催者は、普段も関東近郊で日帰りコンペを開催して、その時は女性もたくさん参加します。けど、ススキノツアーの参加者は常に男性のみ。たぶん、ススキノで大いに飲んで、大暴れしたいのでしょう。

 まあでも、今のご時勢、くれぐれも飲みすぎに注意して、密にならないようにしないと、ですね。