OPS(OBP plus SLG)とは、打撃成績のうち、出塁率と長打率を足したセイバーメトリクスの数値だ。単純な数字だが、MLBでは打者の貢献度を図る重要な指標とされる。■打者の貢献度図る重要な指標の一つ、セパOPS10傑は? OPS(OB…

OPS(OBP plus SLG)とは、打撃成績のうち、出塁率と長打率を足したセイバーメトリクスの数値だ。単純な数字だが、MLBでは打者の貢献度を図る重要な指標とされる。

■打者の貢献度図る重要な指標の一つ、セパOPS10傑は?

 OPS(OBP plus SLG)とは、打撃成績のうち、出塁率と長打率を足したセイバーメトリクスの数値だ。単純な数字だが、MLBでは打者の貢献度を図る重要な指標とされる。

 OPSには、打率の数字が2回含まれている。そのため打率が高い打者が高くなる傾向にあるが、それに加え長打が多く、四球での出塁も高い選手が上位にくる。MLBではOPS1位の選手をリーグ最強打者とみなすことが多い。

 リーグの投打のバランスにも影響されるが、一般的にOPSが1を超えればMVP級、.900なら強打者だとされる。両リーグの4月20日時点でのOPS10傑を見ていこう。参考までに打率の順位も付けた。

■○パ・リーグ

打者(球団)  打率(順位) OPS
1近藤健介(日) .451(1) 1.278
2T-岡田(オ) .345(4) 1.101
3ペゲーロ(楽) .304(13) 1.088
4茂木栄五郎(楽).339(6) 1.062
5中村剛也(西) .345(4) 1.050
6内川聖一(ソ) .339(8) 1.030
7浅村栄斗(西) .419(2) 1.028
8柳田悠岐(ソ) .288(16) .928
9鈴木大地(ロ)  .328(9) .918
10中島宏之(オ) .327(10) .906

 不振の日本ハムにあって、近藤健介がひとり気を吐いている。打率1位に加えて、2本塁打、さらにリーグ最多の19四球を選んでいる。出塁数は17試合で42にもなっている。しかし日本ハムは他の打者が不振のため、近藤の出塁を勝利に結びつけていない。

 オリックスのT-岡田はリーグ2位タイの5本塁打。本塁打王を取った時の調子が戻ってきている。また、現在の本塁打王、6本塁打のペゲーロがOPS3位につける。

 打率2位の浅村だが、2本塁打はしているがここまでわずか2四球。出塁率が低いためOPSは7位になっている。

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■セ・リーグは…

○セ・リーグ

打者(球団)    打率(順位) OPS
1エルドレッド(広) .364(3) 1.126
2阿部慎之助(巨)  .373(2) 1.102
3新井貴浩(広)   .309(10) .970
4ロペス(De)    .347(6) .929
5糸井嘉男(神)   .298(13) .920
6大島洋平(中)   .400(1) .918
7丸佳浩(広)    .348(5) .895
8坂本勇人(巨)   .359(4) .861
9梶谷隆幸(De)   .311(9) .858
10平田良介(中)   .281(18) .825

 “春男”の広島エルドレッドが1位。4本塁打10四球をマークしている。2位、3位にはベテラン一塁手が並んでいる。巨人、阿部は現在本塁打王(5本)。新井も高い長打率だ。

 4位のDeNAロペスはもともと早打ちで1四球しか選んでいないが、3本塁打に加えリーグ最多の7二塁打で長打率を稼いで4位にランクイン。現在の首位打者である中日・大島は、スラッガータイプではないため、順位は6位だ。

 一方、今季開幕から絶不調の巨人・長野は打率.149に加え四球は2個、長打は二塁打1本、OPSは.366(リーグ37位)と低迷しており、スランプは重症だ。

 昨年のOPS1位は、パ・リーグがソフトバンクの柳田悠岐(.969)、セ・リーグはDeNAの筒香嘉智(1.110)。柳田悠岐はトリプルスリーを逃し、主要タイトルにも縁がなかったために、不振だったように見られているが、最多四球、最高出塁率、最高長打率をマークしている。貢献度は決して低くなかったのだ。

 OPSは、総合的な強打者の指標として有効だ。今季は誰がOPS1位に輝くだろうか。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo