レ・ブルー(フランス代表)の歴史に名を刻んだ偉大なキャプテン、ティエリ・デュソトワールがついにブーツを脱ぐ。4月19日、所属するトゥールーズで会見を開き、正式に引退を発表した。「今シーズンをもって選手生活を終えるので、感情的だ。でも、ビジ…

 レ・ブルー(フランス代表)の歴史に名を刻んだ偉大なキャプテン、ティエリ・デュソトワールがついにブーツを脱ぐ。4月19日、所属するトゥールーズで会見を開き、正式に引退を発表した。

「今シーズンをもって選手生活を終えるので、感情的だ。でも、ビジネスマンとして第2の人生をスタートさせるので悲しみはない」

 ワールドカップの栄冠を掲げることはなかったが、オールブラックスのリッチー・マコウらと激しくぶつかり合い、2011年大会ではチームを準優勝に導き、その年のIRB(現ワールドラグビー)年間最優秀選手賞に選ばれた世界最高峰のフランカーだった。

 コートジボワール人の母とフランス人の父の間にアビジャンで生まれ、10歳のときフランスへ渡った。10代前半まで柔道を学んでいたが、友だちにラグビーに誘われ、16歳から楕円球に夢中になっていったという。

「ブーツとショートパンツをはいて、文字通り私の人生は変わった。臆病な子どもが自信を持つようになったんだ。ラグビーは私の人生を変えた。こんなに長く続けられるとは思わなかった」と35歳になったデュソトワールは語る。

 2001年にボルドーでプロラグビー選手としてのキャリアを始め、コロミエを経て、移籍したビアリッツでは2回のフランスリーグ(トップ14)優勝に貢献。2006年にトゥールーズに加入してからは、トップ14優勝3回、2009-2010シーズンに欧州制覇を遂げた。

 2006年から10年間はフランス代表でも活躍して80キャップを重ね、そのうち56試合でキャプテンを務めた。2010年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)全勝優勝も大きな功績のひとつだ。

 力強いボールキャリアー、そして疲れ知らずのハードタックラーであり、2007年のワールドカップ準々決勝(ニュージーランド戦)では29回のタックルを決め、「ダーク・デストロイヤー」の異名を持った。