ソフトバンクが波に乗り切れていない。15日のオリックス戦(ヤフオクD)に敗れて4連敗。鹿児島で行われるはずだった16日の同戦はグラウンドコンディション不良のために中止となり、オリックスに1勝も出来ずに、4カード連続でカード負け越しとなった。…

ソフトバンクが波に乗り切れていない。15日のオリックス戦(ヤフオクD)に敗れて4連敗。鹿児島で行われるはずだった16日の同戦はグラウンドコンディション不良のために中止となり、オリックスに1勝も出来ずに、4カード連続でカード負け越しとなった。14試合を消化した時点で6勝8敗の借金2。まだ開幕したばかりとはいえ、他球団を圧倒する戦力を誇り、優勝候補の筆頭と目されていたチームが、4位に沈んでいる。

■先発陣にアクシデント&不振が続くソフトバンク

 ソフトバンクが波に乗り切れていない。15日のオリックス戦(ヤフオクD)に敗れて4連敗。鹿児島で行われるはずだった16日の同戦はグラウンドコンディション不良のために中止となり、オリックスに1勝も出来ずに、4カード連続でカード負け越しとなった。14試合を消化した時点で6勝8敗の借金2。まだ開幕したばかりとはいえ、他球団を圧倒する戦力を誇り、優勝候補の筆頭と目されていたチームが、4位に沈んでいる。

 4連敗を喫した15日。左肘痛で登録を抹消された和田毅の代役として先発した摂津が初回に2点を失い、4回3失点でKO。前日の先発・中田も初回にいきなり4失点し、5回5失点でノックアウトされた。15日の試合後、工藤公康監督は「先発が長いイニングを投げられない。リリーフに負担がかかる」と顔をしかめた。

 開幕投手を務めた和田を筆頭に、WBC出場組の千賀、武田、バンデンハーク、そして東浜、中田の6人のローテで開幕した今季。盤石と思われていた先発陣が苦しんでいる。開幕カードのロッテ3連戦では和田、中田、東浜がそろってクオリティースタート(6回以上を自責3以内)のピッチングを見せ、開幕3連勝を飾ったが、状況は一変する。4月4日の楽天戦(Koboパーク)からの11試合で、クオリティースタートはわずか1度だけ。4月11日の日本ハム戦(札幌D)で8回無失点だった千賀しかいない。

■4連敗中はいずれも初回失点、ここまで初回失点試合は全敗

 その中で、ソフトバンクを苦しめる要因となっているのが「魔の初回」の存在だ。今季、ここまでの総失点数は54。そのうち、実に12失点を初回に喫している。これは9イニングの中で最も多い数字で、先に記したオリックス戦の中田、摂津、そして日本ハム戦での武田、バンデンハークと4連敗中は、いずれも初回に失点している。初回に失点した試合はここまで6試合あり(1回表に先制し、その裏に失点した試合も含む)、6試合全てが敗戦という結果になっている。

 初回に失点すると、不利な状況での試合展開を強いられる可能性が高まる。後手後手に回り、リリーフ陣にも負担がかかるという悪循環。現状、打線も活発とは言えず、ビハインドを跳ね返せない部分もあるが、やはりヨーイドンでの失点は、チームに重くのしかかってしまうということだろう。

 16日のオリックス戦が中止となり、チームは18日からのロッテ戦(ZOZOマリン)に備え、鹿児島から千葉へと移動する。開幕3連勝を飾ったロッテとの対戦で、調子を取り戻すことが出来るか。ここまで勝利している試合は序盤3回までの失点がゼロ。先発投手の立ち上がりが、ゲームの鍵を握っている。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani