負傷者が相次ぐ日本ハムが13日の本拠地ソフトバンク戦で1点差逃げ切り勝ちで今季初の連勝をマークした。試合後、栗山英樹監督は今季7年ぶりに日本球界復帰を果たした村田を「今日のヒーロー」と称賛。監督就任後初めて試合中にロッカールームまで足を運ん…

負傷者が相次ぐ日本ハムが13日の本拠地ソフトバンク戦で1点差逃げ切り勝ちで今季初の連勝をマークした。試合後、栗山英樹監督は今季7年ぶりに日本球界復帰を果たした村田を「今日のヒーロー」と称賛。監督就任後初めて試合中にロッカールームまで足を運んで同投手と対話したことも明かした。

■栗山監督、初先発の村田を称賛「本当に今日のヒーロー」

 負傷者が相次ぐ日本ハムが13日の本拠地ソフトバンク戦で1点差逃げ切り勝ちで今季初の連勝をマークした。

 この日初先発となった村田透投手が勝ち投手が目前となった4回終了後、88球で降板。計6投手の継投でリードを死守し、3-2と競り勝った。村田は2安打2奪三振5四球1失点だった。

 試合後、栗山英樹監督は今季7年ぶりに日本球界復帰を果たした村田を「今日のヒーロー」と称賛。監督就任後初めて試合中にロッカールームまで足を運んで同投手と対話したことも明かした。

 以下が指揮官の試合後の主な一問一答。

――昨日に続きファイターズらしさが出た試合だった。

「チーム状況がこういう状況で、何度も言いましたけど、誰よりも野球できることが嬉しくて、必死に野球をやるしかない。そういう部分をみんな出してくれると、たぶん皆さんから見てファイターズらしくなっているということなので、それは凄くいいことだと思います」

■「監督をやって初めて試合中にロッカーまで行った」

――先発の村田投手は4回88球、監督の目にどう映ったか。

「本当に今日のヒーローは村田。勝ち星は、本当に申し訳ないですけど、ただ長いイニング、球数を投げさせる準備をさせずにこっちは先発させているので。あそこまで1失点であの打線を抑えたというのがすべて。今日は若い子が活躍して勝ったように見えますけど、まずは村田なので。本当に素晴らしかったし、感謝してます」

――どの段階で4イニングまでと決めたのか

「イニングは決めていなかった。球数でいこうと思っていた」

――80球、90球という基準はあったのか。

「だいたいその辺のところですけど、だいたいボールが抜け出すので。球数を投げていないと握力がなくなってくるのがわかる。村田の状態は良かったですけど、自分らしくなくなってきた感じがたぶん見ていてもわかったと思う。せっかくいいのにね。本当にいろいろ考えていたけれども、ゆっくり村田とも話しましたが、彼の心が本当に素晴らしくて、やっぱり苦労して野球できる感覚を持ってくれているしね。監督やって初めて試合中にロッカーまで行きましたけど」」

――中継ぎ陣がその思いを引き継いでよく投げた。特に石川直也投手に2日続けて8回を任せた。

「よく粘ったなと。状態がいい時に比べるというのがあったけれど、そういう時にどう投げるかが勝負。昨日も今日も打たれた後、心の中が真っ白になったり、おかしくなったと思うけれど、よく粘りきったのは事実。すごくいい経験になっている」

■森本も称賛「この1本のヒットの意味はすごく価値がある」

――若い選手、打者では森本選手がやってくれた(2回にプロ初打席初安打)。

「本当に良かったですね。苦労してね。周りの年下の選手が早い段階で出ていくのを見ながら、故障でずいぶん苦しんできたし、そういう意味ではこの1本のヒットの意味はすごく価値があると思う」

――清水も最後までマスクをかぶった。

「まだまだいろんなことを勉強しているけど、この2日間に関してはよく頑張っている。やっぱり何が大事かと言えば、抑えさせてあげたい、勝ちたい、そういう気持ちが大事なので、今はそれでいいと思います」

――市川選手と大野選手にも刺激になっているのでは。

「あいつの肩の強さとかキャッチャーとしての座りの良さというのは誰もが見てもわかっている。こっちはこういう状況の中で、名前を誰を使うというのではなく、そういう能力を持った人を使う、一番勝ちやすい形で行くだけなので」

――明日から上位と対戦。

「先のことは何も考えない。明日1日がむしゃらにぶつかるだけ。いつか必ず流れくると信じて、必死にぶつかるだけです」

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa