デビスカップ・ワールドグループ準々決勝「フランス対イギリス」(4月7~9日/フランス・ルーアン/室内クレーコート)は8日、ダブルス1試合が行われ、ジュリアン・ベネトー/ニコラ・マウ(フランス)がドミニク・イングロット/ジェイミー・マレー…

 デビスカップ・ワールドグループ準々決勝「フランス対イギリス」(4月7~9日/フランス・ルーアン/室内クレーコート)は8日、ダブルス1試合が行われ、ジュリアン・ベネトー/ニコラ・マウ(フランス)がドミニク・イングロット/ジェイミー・マレー(イギリス)を7-6(7) 5-7 7-5 7-5で接戦の末に倒した。

 この結果で3勝目を挙げたフランスの勝利が確定。準決勝は9月に地元フランスで開催され、決勝進出をかけてセルビアと対戦する。フランスとセルビアは2010年の決勝(セルビア/ベオグラード)で対戦しており、そのときはセルビアが3勝2敗で勝利して初優勝を飾っている。

 ベネトーは「本当に勝つことができてよかった。鳥肌がたったよ。15度のグランドスラム・タイトルを獲るよりも、このように自国のために戦う方がすばらしいと思うよ」とコメントした。

 前日に行われたシングルスでは、ルカ・プイユ(フランス)がカイル・エドマンド(イギリス)を7-5 7-6(6) 6-3で、 ジェレミー・シャルディ(フランス)がダニエル・エバンズ(イギリス)を6-2 6-3 6-3で下してともにフランスが快勝したが、今回のダブルスではイギリスがマレーの強烈なサ-ブなどでフランスと激しく渡り合った。

 セットカウント1-1で迎えた第3セット。5-4でフランスがリードした場面のイングロットのサービスゲームでは、序盤にマウの強烈なスマッシュが2本あったがイングロットがサービスゲームをキープし5-5とした。続いて6-5フランスリードのゲームではマウのフォアハンドのエースが決まり、フランスがセットポイントを握った。次のポイントでマレーがダブルフォールトをおかし、フランスがこのセットを奪った。

 第4セット第12ゲームのマレーのサービスゲームではベネトーのフォアハンドのパッシングショットが決まってデュースとなり、フランスは勝利まであと2ポイントとした。続いてマウの強烈なバックハンドのパッシングショットがエースとなり、フランスがマッチポイントを握った。次のポイントではラリーが数本続いたあとベネトーがボールをネットにかけ、イギリスはマッチポイントをセーブ。しかしそのあとのポイントでマウの素晴らしいロブが決まり、フランスは2度目のマッチポイントを握る。最後にはマレーのバックハンドボレーがネットにかかり、フランスの勝利が決定した。

 マウは膝を地につけ、ベネトーは上を向いて両腕のこぶしを握りしめてよろこびを露わにした。

「1年前の僕はランキング700位で、チャレンジャー大会でも1回戦で敗退していた。そのときはデビスカップで5000人のファン、友人、家族の前でプレーするなんて思ってもみなかったよ」と試合後にベネトーはコメントした。

 マウはフランス・チームのヤニック・ノア監督と抱き合ってよろこびを分かち合った。ノア監督の選手起用について、試合前には疑問視する声もあった。しかしながら、ランキングの高いジル・シモンに代えてジェレミー・シャルディの起用、ダブルスでは年齢が30代後半のベネトー/マウ組の選択が、結果的には勝利をもたらした。

 ノア監督は選手達と抱き合いながら「素晴らしい、素晴らしい!」と叫び、フランス国歌のラ・マルセイエーズが会場に鳴り響いた。

 フランス・チームはフランスの国旗である巨大な三色旗を持ち、会場周辺を練り歩いた。

「イギリスに勝つことは大変だと分かっていたけど、最後まで頑張って僕たちは勝つことができた。2年前の準々決勝で、僕たちはイギリスに敗れた。そのときはアンディ・マレー(イギリス)が出場していたけど、本当に悔しかったよ」とマウはコメントした。

 フランスは、2001年を最後に優勝から遠ざかっている。

 グランドスラム・タイトルをこれまで3度獲得している世界ランク1位のマレーは、右肘故障のため今回は出場していなかった。2015年にイギリスを優勝に導いたマレーの欠場は、イギリス・チームには大きな痛手となった。(C)AP