国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」第2ラウンド 女子ゴルフの国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」第2ラウンド(R)が30日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で行われた。3位で出た渋野日向子(サントリー)は、4連続を含む…

国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」第2ラウンド

 女子ゴルフの国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」第2ラウンド(R)が30日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で行われた。3位で出た渋野日向子(サントリー)は、4連続を含む6バーディー、2ボギーの68で回り、通算7アンダーでペ・ソンウ(韓国)と並んで首位に立った。ツアー史上3人目の3週連続優勝を狙う古江彩佳(富士通)は、通算2アンダーで5位につけた。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田通斉)

 前週予選落ちした渋野が、堂々の首位に立った。4連続を含む6バーディー。ショットは切れ、パットのタッチも取り戻した。2019年11月の「大王製紙エリエールレディス」で“予選落ち後の翌週に優勝”を果たしているが、渋野は「その時よりも手応えがあります」と言った。

「1週間で調子を戻せたというのは、自分の修正点を分かっているということですが、前よりもゴルフ脳が良くなったと思います。いろんなことを考えて、対応できるようになりました」

 確かに2年前は「攻め一辺倒」で勝ち切った印象もある。しかし、今の渋野はショットやパットに入る前に、複数の状況を想定している。例えば左から6ヤードにピンが切られた9番パー5だが、グリーンの形状を頭に入れた上でピンを狙っていた。

「あそこはピンの右に行っても、ボールが返ってくる感じですし、左にいったとしても上りでパットが打てます。それを考えると、まあ、ギリギリのところにボールを止められた感じですね」

 狙い通り、渋野はピン左下3メートルにボールをつけて4連続バーディーを決め、この時点で単独首位に立った。そして、後半もショットは切れて、12番パー3では第1打を2バウンドでピンに当てた。前日の8番パー3に続く“ホールインワン未遂”だが、昨年大会を含めてホールインワンした5試合は全て予選落ち。ジンクスは、やはり避けたかったという。

「『ピンの方にボールが行きよるな~』と、ボーッと球の行方を見ていたら、直角に曲がったので『当たったか』と思いました。やっぱり、入らなくてよかったです(笑)」

首位で迎える最終R「欲をかかずにやっていきたい」

 プレーの充実で、言葉はいつも以上に滑らかだ。第1Rで着た上下黒のウェアから一転、キャップからシューズまで全身「白」に統一したことを問われると、「『誰にも染まりませんよ』という白です」。今大会中のリラックス法は「移動中に車の中でポケモンGOをやっています。今、ハロウィンのバージョンなんです」と語り、会見場をほのぼのとさせた。

 もっとも、最終Rを首位で迎える緊張感はある。国内ツアーでは、初優勝を飾った19年5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」以来で、その際もペ・ソンウと並んでいた。海外ツアーでは、昨年12月の全米女子オープン(最終成績4位)でも経験している。

「緊張すると思います。気にしたくないですが、気にせざるを得ないですし、1打1打、必死にやるしかないと思います。ただ、全米女子オープンの時は今とは比にならない緊張でした。あの時と比べれば落ち着いてできると思いますし、欲をかかずにやっていきたいです」

 その上で、避けていた「ホールインワン」についても、「明日はいいんじゃないですか。ありがたいことに予選も通過したので」と解禁宣言。2日間を振り返って、「やべーミスもほぼほぼなくて、安定しています」と胸を張った。国内ツアー通算6勝目へ。渋野が技術と「ゴルフ脳」をフル回転して頂点を目指す。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)