樋口久子・三菱電機レディスが開幕 女子ゴルフの国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」が29日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で開幕した。5月末に米女子ツアーから復帰した河本結(リコー)は、5バーディー、2ボギーの69で回り、…

樋口久子・三菱電機レディスが開幕

 女子ゴルフの国内ツアー「樋口久子・三菱電機レディス」が29日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で開幕した。5月末に米女子ツアーから復帰した河本結(リコー)は、5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーで首位と1打差、渋野日向子(サントリー)と並ぶ3位発進。復帰後は予選落ち、棄権、欠場が相次いだが、松山英樹(LEXUS)も指導する目澤秀憲コーチによってショットに本来の力強さを取り戻した。4アンダーの申ジエとペ・ソンウ(ともに韓国)が首位。

 最終18番パー5。河本は15ヤードのアプローチをピンそばに寄せた。風速9.4メートルの中で3アンダーフィニッシュ。歓声を浴びながら、河本の笑みがコースに輝いた。

「グリーンが硬くて、速いので守ることを徹底していて、バーディーを狙ったホールはありませんが、これだけ取れているということは、パットが良かったのだと思います」

 確かにパットは好調だったが、河本はショットの切れ味を取り戻していた。要因は今月のスタンレーレディス、富士通レディースとキャディーを務めた目澤コーチの指導によるものだった。

「(目澤コーチが)アメリカから戻って1試合の予定でしたが、『ほっとけない』と言ってくれて2試合になりました。そして、フェードヒッターなのにドローのアドレスをしていて、右にも左にもミスが出ることや状況判断の悪さを指摘してくれました。自分では気づけなかったことなので、『もっと私を見て』と思いました(笑)」

男子下部ツアーVの弟から激励「ちゃんとやってよ」

 かつては「黄金世代」の中心選手の一人で、畑岡奈紗に続いて米女子ツアーの出場権も獲得した。しかし、環境に馴染めずに5月末には国内ツアーに復帰。その後は6月のサントリーレディースの20位が最高で、予選落ち6度、棄権1度。夏場には体調を崩して4試合を欠場した。賞金ランクは68位と低迷している。

 その状況下で救世主が登場。弟でアマチュアの力(日体大4年)が今月、国内男子下部AbemaTVツアー・TIチャレンジin東条の森で優勝を飾ったことも奮起の材料になったという。

「弟はいつも練習しているし、『すごい』と思いましたが、私に『ちゃんとやってよ』と言ってきたので、『くそっ、何でよ』と思いました」

 コーチのサポートと弟の激励によって復調してきた23歳。一番欲しいのは「優勝」の2文字で、「どんな状態でも、それはいつも強く意識しています」と言葉に力を込めた。(THE ANSWER編集部)