ヨーロピアンラグビー・チャンピオンズカップは4月2日、準々決勝の残り2試合がおこなわれ、連覇を狙うサラセンズ(イングランド)と、悲願の初優勝を目指すクレルモン・オーヴェルニュ(フランス)が勝ってベスト4入りを決めた。 サラセンズはグラスゴ…

 ヨーロピアンラグビー・チャンピオンズカップは4月2日、準々決勝の残り2試合がおこなわれ、連覇を狙うサラセンズ(イングランド)と、悲願の初優勝を目指すクレルモン・オーヴェルニュ(フランス)が勝ってベスト4入りを決めた。
 サラセンズはグラスゴー・ウォーリアーズ(スコットランド)に38-13で勝利。クレルモンは同じフランス勢のトゥーロンを29-9で下した。トゥーロンには日本代表57キャップのFB五郎丸歩が所属しているが、この日の試合メンバーには入らず、チームは敗退したため、五郎丸のチャンピオンズカップ出場は実現しなかった。

 プール戦で唯一無敗だったサラセンズはノックアウトステージでも安定していた。地元ロンドンでサポーターの声援を受け、ボールを持って走った距離数は相手の約3倍、守っては128回のタックルをしながらミスはわずか11回(成功率91%)で、セットピースも確実だった。
 集中力は高く、6点差に詰められたあとの58分(後半18分)には相手のミスキックからたたみかけ、CTBマルセロ・ボッシュが防御網を切り裂いてリードを広げた。72分には敵陣深くでの相手ボールスクラムをターンオーバーしてテンポよく攻め、主将のCTBブラッド・バリットがダメ押しトライを挙げて4強入りを決めた。

 フランス勢同士の対決は雨で滑りやすいコンディションのなかおこなわれ、ハンドリングエラーも多くフラストレーションがたまる試合となったが、ホームアドバンテージもあったクレルモンが我慢して競り勝った。
 互いにPGで得点を重ね、9-9で迎えた60分、クレルモンがゴール前中央に迫り、右へのクイック展開からWTBノア・ナカイタジが抜けてこの試合の初トライを挙げた。流れを引き寄せたクレルモンは70分にSOカミーユ・ロペスがドロップゴールを決めて貴重な追加点。終盤にもPGとトライで勝利を決定づけ、2013年と2015年のファイナルで苦汁をなめさせられたライバルにリベンジを果たした。

 準決勝は4月22日または23日におこなわれる予定で、第1シードのクレルモンは地元フランスのリヨンでレンスター(アイルランド)と対戦、サラセンズは第2シードのマンスター(アイルランド)に挑むこととなり、敵地ダブリンに乗り込む。

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