第4回WBCに出場し、準決勝で敗れた野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督が23日、成田空港に帰国し、都内で帰国会見に出席。退任する意向を表明している指揮官は「素晴らしい選手と一緒に戦えた事は人生の宝物」と振り返った。■退任意向表明の指…

第4回WBCに出場し、準決勝で敗れた野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督が23日、成田空港に帰国し、都内で帰国会見に出席。退任する意向を表明している指揮官は「素晴らしい選手と一緒に戦えた事は人生の宝物」と振り返った。

■退任意向表明の指揮官、苦悩吐露「代表監督は易しいものではなかった」

 第4回WBCに出場し、準決勝で敗れた野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督が23日、成田空港に帰国し、都内で帰国会見に出席。退任する意向を表明している指揮官は「素晴らしい選手と一緒に戦えた事は人生の宝物」と振り返った。

 準決勝の激闘から一夜明け、会見に出席した小久保監督は、米国戦で敗れた「1点の差」について「やっぱり東京(ラウンド)のときに対戦していた投手とは正直、ランクがちょっと上回ってましたね。当然、外国人なんで動くボール主体で投げてくるんですけど、そのスピードであったり、動き幅であったり。打線の状態はよかったと思うけど、それでもほとんど芯に当てること出来ないまま試合が終わったので。正直、1点差以上のものを、打線に関しては感じました」と敗因を分析した。

「動くボールが主体ですけど、日本球界はフォーシーム主体なので。そこを改善していくのは難しいと思うが、今回あれだけホームランが出たのは以前よりトレーニングが発達してきて、向こうのメジャーのボールにも負けないくらいの筋力アップが出来ていた証。そこは今後も伸ばしていけばいい。今回対戦した選手が世界のトップ(投手)のピッチャーのボールを経験できたことも1つの財産になると思います」

「今後、越えていける部分か?」と問われると「当然そういう風にしていかないといけないと思いますし、今回選出した選手はまだ若い。これから数年、日本球界を牽引できる選手たちだと思う。そこに向かって目標を高く持ってやってほしい」と次大会、そして20年東京五輪の主力を担う若い侍ナインにエールを送った。

 米国戦後に今大会限りで退任する意向を表明。指揮を執る上での「信念」について「周りに惑わされないことですかね」と話した小久保監督は「自分で決めたこと、勝つために自分で決めたことを実行に移すということは期間中は徹底してやりました。当然スタメンを決めるのも1つの仕事ですし、先発投手決めるのも1つの仕事。大会中、色んな意見が出ていましたけど、そういうところに惑わされれず、勝てると思ったことを貫けた」と胸を張った。

 指導者未経験ながら侍ジャパンの指揮官に抜擢され、戦い続けた3年半を振り返ると、代表監督の苦悩を明かした。

■今後は「第3の人生をどう歩んでいこうかと考えていく」、NPB監督への意欲は?

「代表監督は易しいものではなかったとうことですね。まず最初に選手たちを集める中で、日の丸を背負って戦うのはリスクも高い。プレミアは12月のシーズン後、WBCは開幕前、選手たちの負担は大きいと思うが、彼らが使命感をもって日本球界を引っ張っていくんだと、そういうものを持った選手をまず集めないといけないというところからスタートした。

 その中で勝ちにこだわるんですけど、勝ちだけにこだわっていると選手起用が偏ってしまう。ある程度はみんなにチャンスを与えないといけない。WBCは最後だったんで勝つためにやって、打席にほとんど立てなかった選手、登板できなかった選手が出てきてしまった。各球団のトップを集めた中で、そういう決断をしなければいけなかったのが一番つらかったと思います」

 それでも、充実した日々であったことは間違いない。「素晴らしい選手たちに囲まれ、恵まれ、一緒に戦えたことは、私自身の人生の宝物です」と振り返り、今後については「しばらくゆっくりしようと思ったんですが、仕事がいっぱい入っていたので……(笑い)。解説しながら、選手たちにはこれから応援する側に回って『みんなの活躍を祈っている』と話はしました」と明かした。

 さらに、今後の夢を問われると「今はまったくそんなことは考えてないといいますか、とにかくこのWBCがまで全力で来たので。1つの区切りとして第3の人生をどう歩んでいこうかと考えていきます」と明かし、NPBの監督への意欲については「12球団の監督と代表監督はおそらく全く別物なので、比べることはできないと思うので。まだ今のところは次のことは考えられないです」と話した。