厳しい情勢の中開催されながら無事閉幕した東京五輪。新型コロナウイルスの影響で1年の延期を経ての実施となり、この「1年」という期間は選手にとって良くも悪くも様々な影響をもたらしたことだろう。

今回の東京五輪を踏まえ、フィギュアスケート女子元日本代表の中野友加里さんは、元アスリートの立場から、モチベーションの維持のむずかしさ、さらには現役時代におこなっていた自身の験担ぎについても語った。

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ピークをどこに持っていくかに照準を


1年の延期を経て行われた今大会。中野さんは元アスリートという立場から、今回の延期をこう見ていたという。

「1年って、選手がモチベーションを保つことやピークを合わせることってすごく難しかったのではないかと思います。私が選手で、いきなり大会が1年延期されますとなったら、多分『え?1年?』みたいになってしまうと思います。なので、その1年をどう過ごすのかというスケジューリングから始まるのではないかと思いますね。
1年って過ごしてみればあっという間かもしれませんが、例えば私が2009年の全日本選手権に出場予定だったところ、大会が1年延期されますとなったら、ちょっとやれるかなと自信がなくなってしまうかもしれないです。そのくらいピークの持っていき方やモチベーションを保つことって難しいと思います」

アスリートにとって、モチベーションの維持のほか、パフォーマンスのピークをどう大会に照準させるかはとても重要なこと。

中野さん自身、現役時代その点をどのようにコントロールしていたのだろうか。

「私は、ピークをシーズンのどこに合わせて持っていくかということを、佐藤信夫先生といつも話し合ってシーズンを迎えていました。
フィギュアスケートの場合、最初にくる大きな大会がグランプリシリーズ、その後に全日本選手権がやってきます。この全日本選手権はオリンピックや世界選手権の代表が決まる大きな大会になるので、ここに照準を合わせられるように過ごしていました。なので、モチベーションのきっかけとなるのが、意外とグランプリシリーズの結果だったりもしましたね。そこでいい結果を残していくと自分のモチベーションも上がって上り調子になる。全日本選手権でも自信を持っていい状態で迎えられたかなと思います」

試合前の験担ぎは〇〇を食べる!

大舞台において、それまで積み重ねてきたことを活かし、自身のパフォーマンスを最大限に発揮することは、計りしれないプレッシャーだろう。現役時代、世界選手権をはじめ数多くの大舞台を経験した中野さんは、このように振り返る。

「私の場合、オリンピックへの出場経験はありませんが、世界選手権で言いますと、世界選手権はフィギュアスケート選手にとってすごく重要な大会で、誰もが出場したいと思っている大会。私が初めて出場した時に覚えていることは、まずは出られたことがすごく嬉しいので、その会場の雰囲気だけでも楽しむ。その場にいられることだけでもありがたいと思って、滑っていました。そこで結果がどうなろうと、初めての経験だからそれを糧に、次も出られるようこの経験を活かさないとと思いましたね」

そんな大舞台をはじめ、数々の大会に出場してきた中野さん。試合前には、こんな験担ぎをおこなっていたという。

「『跳べる』というように鶏肉を食べたりだとか、勝つためにトンカツを食べたりしていました。試合直前になってくると、パワーも必要になってくるので、栄養の高いものやカロリーの高いものを食べて臨むようにはしていました。当日だけは体重のことは考えず、なるべく力に変えられるようなお肉類を摂っていたような気がします」

このほか、現在中野さんがおこなっているYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」で公開された動画では、現役時代のオンオフの切り替え法や試合後すぐにおこなっていたという「あること」、さらにはこの東京五輪で特に印象に残ったというあの選手についても語られている。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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