木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第4回「やっぱり、大谷翔平だよなぁ~」......って、いきなりそっちの話ですかい。 というのも先日、大谷選手の存在のすごさを再認識したからです。 この前も、MLBオールスターゲームのホームラン競争に出場…

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第4回

「やっぱり、大谷翔平だよなぁ~」......って、いきなりそっちの話ですかい。

 というのも先日、大谷選手の存在のすごさを再認識したからです。

 この前も、MLBオールスターゲームのホームラン競争に出場。2度の延長戦の末、1回戦で負けましたが、大いに話題を振りまいてくれました

 で、その時の記者会見でのこと。元NHKアナウンサーの久保純子さんが、いきなりこう切り出しました。

「今、日本では非常事態宣言が出たり、本当に出口が見えず、苦しい状況にあります」ときたもんだ。

 彼女なりに仕事をこなしたつもりでしょうが、見ている側が「うぇ~い、500フィート越えの6発!」と喜んでいる最中でしたから、「なんで現実に引き戻すんだよ」と思われた視聴者もおられることでしょう。現に、私はそう思いました。

 でもこれって、逆に考えれば、我々はコロナ禍の日常を忘れたいからこそ、大谷選手の活躍を見たいんだ、と。そのことがはっきりわかりました。



連日のように話題を振りまいて、コロナ禍の日常を忘れさせてくれる大谷翔平選手。illustration by Hattori Motonobu

 そうなると、東京オリンピックはどうなるのか?

 現在、東京では新型コロナウイルス感染拡大の第5波を迎え、新規感染者数が1000人を越えて、結構追い詰められています。ゆえに、絶えずコロナと抱き合わせでの報道となりますから、まったくもってスカッとしません。

 その結果、オリンピック期間中も、大谷選手たったひとりの活躍のほうが、オリンピック全体のニュースよりも目立ってしまうのではないか。そんなふうに思ってしまいますし、実際にそうなる可能性は十分にあります。

 そういった状況にあって、東京オリンピックは無事に閉会式を迎えることができるのか。緊急事態宣言中のスポーツの祭典って、非常に危険な気がします。

 だいたい競技よりも、運営自体に注目が集まるオリンピックって、どうかと思います。まあでも、こうなったら、もはや暖かい目で見守るしかなさそうです。

 変なところでラッキーだったのは、国立競技場の椅子のデザインでしょうか。座席のカラーが白、黄緑、グレー、深緑、茶色と5色が混在し、まだら模様になっていますよね。実はあれ、空席を目立たないようにする配慮だそうです。

 すごいことを考えました。まさに無観客になることを見越して作られた座席の色だったのか。先見の明がありましたね......って、そういうことか?

 ともあれ、そこで見どころとなるのは、無観客開催のなか、どれくらいの客席が埋まるのか。当初、オリンピック関係者&ゲスト招待は、スタジアムでは1万人ほどになると言われていましたが、今はトーンダウンして数百人程度になるようです。

 こうなってくると、スタジアムで行なわれている競技より、スタンドに訪れた招待客の中に有名人やタレントなどがいないかと、そっちが気になってしまいます......って。いやいや、そこは無観客であることに注意をそらさず、マジで純粋に競技の応援をしたいものです。

 さて、東京オリンピックのゴルフ競技に話を移しましょう。

 松山英樹選手はコロナ陽性反応からの巻き返しがあるのか? 好調・畑岡奈紗選手はその勢いのまま躍動するのか? 注目ポイントはそんなところでしょうか。

 舞台は当初の予定どおり、埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部となります。霞ヶ関CCが五輪の会場になることについては、政治的な動きがあるとか、名門の傲慢だとか、関東で最も暑い埼玉県でやる必要があるのかなど、これまでいろいろと言われてきました。でも、今となっては、コロナに翻弄された"ちょっと可哀相なゴルフ場"と捉えることもできるかもしれません。

 長い間、オリンピック開催のために休業したり、マスコミに叩かれたり......。わざわざコースを改造するも、外国人設計家に頼んで「その根拠は何なのか?」「ますます外国人選手が有利になるじゃないか」とか、そんな批判を受けたりもしましたからね。

 今はもう「トラブルなく、無事に競技を終えてください」と祈るばかりです。

 コースのコンディションは動画や写真を見る限り、かなりよさそうです。戦略性があり、かつ気品のある林間コースに仕上がっています。同舞台での激闘を純粋に楽しみたいと思います。

 話をオリンピックが終わったあとに移しましょう。

 ゴルフを含めたリゾートの話です。諸外国ではすでに、ワクチン接種を早く終えた人々に『ワクチンパスポート』を持参させて、いち早くリゾートでバカンスを取らせることを推奨しています。

 都市部でも、例えばパリでは8月から、飲食店などの入店をワクチン接種済みの人に絞るそうです。それは、ワクチン接種の加速化を促し、経済的な繁栄をもたらす意味では非常に重要なことです。

 そうしたことを受けて、日本でも沖縄などでワクチン接種を集中的に行なって、いち早く解放区を作るべき、という意見もあったみたいですが、さして話題になりませんでした。

 やりようはあったと思うんですけどね......。緊急事態宣言が継続中の沖縄ですが、沖縄本島の中部や名護地区は比較的感染者は少ないので、まずはそちらのリゾート地区でワクチン接種を急ぎやって、そこに特区を設ければよかったように思います。

 リゾート地へは那覇空港からすべて直行すればいいのです。バスでも、レンタカーでも、那覇市内には寄らないようにすれば、意外と安全にバカンスを楽しめたように思うんですけどね。

 今の日本政府は、過去に飲食やトラベルのGo Toキャンペーンをやって失敗していますからね。今さら、そんなことをやる余裕はないのでしょう。

 何にしても、ワクチン接種は何かしらのご褒美を与えないと前に進まないと思います。10月ぐらいまでには、ある程度ワクチン接種は終えていることでしょうが、どうするか悩んでいる思案派の人たちも結構いますから。

 ワクチン接種は自由ですが、より多くの人が受けるには「やっぱり接種数を増やしたほうが何かと都合がいい」――そう思わせることができるかどうか。政府や自治体はその辺、どう考えているんでしょうか......。

 ゴルフに関してのイメージは、今のところ無風です。よからぬ噂や根拠のないクレームなどは何ら出てきていません。

 おかげで、過去の悪いイメージから完全に脱却。新型コロナウイルスの感染においても、ゴルフ場は広くて開放的で、比較的安全だ。今や、みんながそう認識しています。

 ゴルフ場に来たら、コロナのことも忘れることができる。そんなふうに、一段ステージが上がったような気がします。

 そうしたなか、夏のゴルフで注意すべきは熱中症。カンカン照りの日より、湿度の高い曇りの日のほうが、脱水症状が多く出るみたいです。

 というわけで、アマチュアゴルファーのみなさん、コロナに気を配りながら、熱中症に十分注意をして暑い夏を乗り切りましょう。