写真提供=Getty Images3月9日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の東京プール1次ラウンド3日目が行われ、侍ジャパンは中国に7対1で快勝し、開幕3連勝。さらに、厳しい戦いが予想される2次…

写真提供=Getty Images

3月9日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の東京プール1次ラウンド3日目が行われ、侍ジャパンは中国に7対1で快勝し、開幕3連勝。さらに、厳しい戦いが予想される2次ラウンド(12日〜東京ドーム)に向けて、弾みをつけた。

★初回から機動力でリズムを掴む

前日のオーストラリアvs中国の結果を受け、1次ラウンド1位通過が決まっていた侍ジャパンだったが「各選手が良い働きをしてくれました」と小久保裕紀監督が評したように、危なげない戦いぶりで快勝を飾った。

初回から機動力を使った侍ジャパンらしい野球が展開された。今大会初スタメンで1番に起用された田中広輔内野手(広島)がいきなりセンター前安打で出塁すると、その後二塁盗塁を敢行。これが相手捕手のエラーも誘い、三塁まで進むと、山田哲人内野手(ヤクルト)の浅いライトフライで、快足を飛ばしホームを陥れた。

これでリズム掴んだ侍ジャパンは、2回にも2死一塁の場面で9番打者の小林誠司捕手(巨人)がレフトスタンドに飛び込む本塁打で2点を追加した。

さらに、3回には中田翔内野手(日本ハム)が2試合連続となる2ラン本塁打を放ち、リードを広げた。

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その後、中盤は中国投手陣に抑えられたものの、7回に菊池涼介内野手(広島)の内野安打と相手送球エラーでダメ押しの2点を加え、試合を決めた。

投手陣は、先発の武田翔太投手(ソフトバンク)が3回に1点を失うなど3回4安打1失点とまずまずの内容だったが、後続は藤浪晋太郎(阪神)、増井浩俊(日本ハム)、松井裕樹(楽天)、平野佳寿(オリックス)、秋吉亮(ヤクルト)の5投手が無失点で繋ぎ、7対1で試合を締めた。

この日はこれまで出場機会のなかった選手にも出場を与え、個々の状態の確認も行った。また、不安視されていた正捕手の小林の一本立ちとも言っていい3試合を通した活躍は、今後に向けて楽しみな材料だ。

小久保監督は「肩の強さは以前から誰もが認める部分ではあったが、強化試合からの捕手としての振る舞いを見て、彼中心で行こうと決めました」と話し、「ただ本塁打まで打つのは予定外です」と口元を緩めた。

また小林もヒーローインタビューで「2次ラウンドではしっかりバントも決めたいです」とユーモアを交えるなど余裕が出てきた。そして最後には「チームが勝つために最善の努力をしていきたいです」と謙虚に力強く語り場内を沸かせた。

複数のメジャーリーガーや大砲・バレンティン(ヤクルト)らを揃える強力打線のオランダ、1次ラウンドの雪辱狙うキューバ、今大会躍進が続くイスラエルとしのぎを削る2次ラウンドは12日から始まる。

◎中国・マクラーレン監督

「選手の個性を出すことができ、成長を確実に感じた試合でした。(今後の中国野球について)投手はもっと体を強くして欲しい。投手力が上がれば、打力も上がるはずです。時間はまだかかるが、いいステップは踏めています。(侍ジャパンについて)ベンチも一体となっている素晴らしいチームで、セカンドの菊池らMLBレベルの選手も複数いる。2次ラウンドでの幸運を祈ります」

文=高木遊