アラブ首長国連邦・ドバイ/ドバイ・デューティーフリー選手権」(ATP500/2月27~3月4日/賞金総額242万9150ドル/ハードコート)シングルス準々決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)がフィリップ・コールシュライバー(…

 アラブ首長国連邦・ドバイ/ドバイ・デューティーフリー選手権」(ATP500/2月27~3月4日/賞金総額242万9150ドル/ハードコート)シングルス準々決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)がフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)を6-7(4) 7-6(18) 6-1で下し、準決勝進出を決めた。

 31分かかった第2セットのタイブレークは、マレーが8つ目のセットポイントでそれを制する前に、コールシュライバーが7つのマッチポイントをつかむなど、テニスが提供し得る、あらゆる強烈なドラマを生み出した。タイブレークは20-18でマレーのものとなった。

 「こんなに長いタイブレークは一度もプレーしたことがなかった。そしてたぶん、こんなタイブレークをプレーすることは2度とないだろう」とマレーは言った。

 「いまやもうツアーで11、12年はプレーしているが、これに近いものは何もなかった」

 そのタイブレークでは、パワー、アングル、巧妙で策略にとんだショット・メーキングの激しいやりとりゆえ、戦いに没頭する選手も、また審判のルノー・リヒテンシュタインも、15-15でのエンドチェンジをうっかりし忘れ、あとで気がついて16-16で行うことになった。

 「第2セットのタイブレークには、間違いなくいくつかの信じられないようなポイントがあった。僕らはふたりとも、いくつかのショットをミスしたが、全般的に言ってレベルはこの上なく高かった」とマレーは言った。「その成り行きゆえ、この試合に勝てたというのは特別ことだ」。

 ATPは、20-18のタイブレークは1991年以来で、史上6度目のことだと言っている。これ以上のポイント数を記録したタイブレークは、ほかにない。

 敗戦にも関わらず、コールシュライバーは2時間55分の準々決勝のあとに、満面の笑みを浮かべていた。

 「負けるというのは常にがっかりさせられることだが、悲しくはないよ」とコールシュライバーは言った。「僕は素晴らしいテニスをプレーした。僕のベストマッチのひとつとなったと思う。僕らはふたりとも、プレーし得る中でほぼ最高のテニスをやってのけた」。

 この激しいタイブレークのあと、コールシュライバーはマレーに対抗する勢いをキープすることができず、第3セットは、第2セットのタイブレークよりも1分短かった。

 マレーは1月の全豪オープン4回戦で敗れたあと、帯状疱疹を乗り越えて以来、初の大会をプレーしている。

 マレーはコールシュライバーとの対戦成績を5勝1敗とし、リードを広げた。

 ナンバーワンの選手に対する対戦成績が0勝10敗であるコールシュライバーは、変わらず、キャリア400勝目まであと1勝という位置にいる。

 マレーは準決勝で、第7シードのルカ・プイユ(フランス)と対戦する。プイユは予選勝者のエフゲニー・ドンスコイ(ロシア)を6-4 5-7 7-6(2)で破って勝ち上がった。この試合も2時間20分と長い試合だった。(C)AP(テニスマガジン)