ホンダが29年ぶりに伝統のモナコGPで優勝を遂げた。23日に行われたF1第5戦モナコGPでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(23)=オランダ=がトップでチェッカーを受け、同GP初勝利を飾った。 モナコGPのスタート…

 ホンダが29年ぶりに伝統のモナコGPで優勝を遂げた。23日に行われたF1第5戦モナコGPでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(23)=オランダ=がトップでチェッカーを受け、同GP初勝利を飾った。

 

モナコGPのスタートシーン。フェルスタッペンがトップを奪った(ホンダ提供)

 

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 ホンダにとってはモナコを制したのは1992年のマクラーレンのアイルトン・セナ以来だ。今季を最後にF1活動を終了することを発表しており、ホンダのエンジンを積んだマシンがモナコを走るのもこれが最後。有終を飾るレースにもなった。

 「伝統のモナコGPでレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手とともに優勝を果たすことができたことを、本当にうれしく思っています。世界3大レースのモナコGPで勝利を挙げられたことは、ドライバーにとっても我々にとっても特別な想いがあります」。ホンダの山本雅史マネジングディレクターも喜びのコメントを出した。

 シリーズ争いでも動きがあった。フェルスタッペンは第2戦エミリアロマーニャGP(伊イモラ)以来の今季2勝目をマーク。ポイントリーダーだったメルセデスのルイス・ハミルトン(英国)が7位と振るわなかったことで、シリーズポイントで4点を上回り、自身初めてランキングトップに浮上した。

 チームメートのセルジオ・ペレス(メキシコ)も4位に食い込み、コンストラクター(製造者)争いでもレッドブル・ホンダがメルセデスを抜いて初めて首位を奪取した。ちなみの点差はわずか「1」。ホンダがシリーズ争いでトップとなるのはマクラーレンと組んでいた1991年以来30年ぶりだ。

 

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは今回の勝利を「フェルスタッペン選手とレッドブル・ホンダのマシン、ストラテジー(戦略)、そして、ホンダのパワーユニットがきちんと機能しました」。予選ではフェラーリのシャルル・ルクレール(モナコ)が最速タイムを奪ったが、決勝直前にドライブシャフトに不具合が見つかり、出走を断念。2番グリッドを獲得したフェルスタッペンが事実上のポールポジションとなり、スタートからレースの主導権を握り、メルセデスとの直接バトルもなく、無風のままゴールを駆け抜けた。

 

レース後の表彰式でフェルスタッペンが優勝トロフィーを掲げる(ホンダ提供)

 

 

 姉妹チームのアルファタウリ・ホンダではピエール・ガスリー(フランス)もハミルトンを上回る6位入賞を飾ったが、モナコ初挑戦となったチームメートの角田裕毅(21)は16位に終わり、4戦連続で入賞に届かなかった。

 モナコGPは米インディ500、仏ルマン24時間レースとともに世界3大レースに数えられ、「F1でもモナコの勝利は他のグランプリの3勝分に相当する」とまで言われる。F1世界選手権に組み込まれたのは1950年からだが、第1回大会は1929年。90年以上の伝統を誇り、F1でも特別扱いだ。

 通常は金曜に開幕するが、モナコだけは木曜からで、2日目の金曜はサポートレースだけの行事が実施される。表彰式ではモナコの元首がプレゼンターを務めることから、選手が上段に立つことが失礼にあたるとして、かつては表彰台が設けられず、平たんなステージでトロフィーが贈呈された。現在は表彰台が用意されているが、ロイヤルボックスのフロアの方が高い位置にある。

 決勝の距離も他よりも40キロ近く短い260.286キロ。シリーズで最も低速のレースで知られ、レース時間が規定の2時間を超えてしまう可能性があることから、特例として短い距離設定となっている。

 ただし、決勝が高速化されているのは間違いなく、現状のコースレアウトとなった2003年以降では初めてレース時間が1時間40分を切った。今年のフェルスタッペンの優勝タイムは1時間38分56秒820。クラッシュによるセーフティーカー導入もなかったことから順調にレースを進行することができたが、マシン性能が上がったことが大きな要因となっているのは明らかだ。

 ホンダにとってはモナコGPの勝利が通算80勝目。F1撤退の決断は、内燃機関と決別し、2040年までに市販車からエンジン搭載車をなくす方針を取ったことに大きく影響しているが、せっかく培った勝てる技術とパフォーマンスをあっさりと放棄してしまうのは大変にもったいない気がしてならない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

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